メドック, ワイナリー

シャトー・ラグランジュ

特徴・ポイント

1631年の古文書にも名前が記されたほど、歴史が古いシャトー・ラグランジュ(Chateau Lagrange)。19世紀には年間300樽ものワインを生産するようになり、1855年のパリ万博時にはメドック地区のシャトーの格付けで「グランクリュ」の第3級に格付けされた。

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ワインづくりのこだわり

1631年の古文書にも名前が記されたほど、歴史が古いシャトー・ラグランジュ。19世紀には年間300樽ものワインを生産するようになり、1855年のパリ万博時にはメドック地区のシャトーの格付けで「グランクリュ」の第3級に格付けされた。

代表的なワイン

シャトー・ラグランジュ

シャトーの名を冠したワイン。ふくよかで豊かな果実味と深みのあるタンニンで、深い余韻を味わえる長期熟成タイプ。

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レ・ザルム・ド・ラグランジュ

オランダカイウの白い花を意味する「レ・ザルム」の名が付いた香り高い正統派ボルドー・ブラン。柑橘類や白桃などが混ざり合うような酸味とフレッシュな優しいハーブのアロマが漂う辛口の白ワインだ。

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レ・フィエフ・ド・ラグランジュ

セカンドラベルに位置付けられているものの、品質は他に引けを取らない高レベルの赤ワイン。スパイスやチョコレート、カシスなどが混ざり合った複雑な香りを持つ。

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ワイナリーの歴史

ボルドー・メドック地区に位置するシャトー・ラグランジュは、「王室砲兵隊輜重隊長であるジャン・ド・ヴィヴィアン氏の所有だった」と1631年の古文書に記載され、1706~1724年版の古地図にも名前が載るほどの長い歴史を誇る。

その後、1842年にオルレアン朝で内務大臣を務めたデュシャテル伯爵の所有となった。デュシャテル伯爵の手によって排水設備が整備され、生産量が多くなったシャトー・ラグランジュは1855年、メドック格付けで「グランクリュ」の第3級に格付けされた。

しかし1925年にスペインのセンドーヤ家所有となった後、世界恐慌や戦争によって経済状況が悪化。所有者が入れ替わり、ワインの品質が低下するばかりではなく、畑が切り売りされてシャトーが荒廃してしまう。

Chateau Lagrange 2010

没落しかけたシャトーを救ったのは、日本の飲料メーカー・サントリーだった。1983年にサントリーが買収し、経営に参画したことをきっかけに、長い歴史を持つシャトー・ラグランジュが復活の兆しを見せる。

シャトーを立て直すため、ボルドーの5大シャトーのひとつであるシャトー・マルゴーの再建にも携わったボルドー大学のエミール・ペイノー博士に助力を求めた。最盛期の半分しか残っていなかったぶどう畑を改植し、旧式だった醸造設備を一新するなどの徹底的な大改革を行う。

その結果、シャトー・ラグランジュは復活を遂げ、かつての名声を取り戻すどころか上回るほどの高評価を得るワインをつくり出すようになっている。

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