特徴・ポイント
イタリア・トスカーナ州にあるワイナリー。1993年に創業され、イタリアの高級服飾ブランド「サルヴァトーレ・フェラガモ」ファミリーが経営している。ファースト・ヴィンテージとなる「イル・ボッロ1999」(IL BORRO)のリリース以来、『ワイン・スペクテイター』誌や『ワイン・アドヴォケイト』誌で90点を超える評価を獲得している。
ワインづくりのこだわり
畑面積は約45ha。土壌に合わせて、メルロ、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルト、サンジョヴェーゼ、シャルドネの6種類のブドウを栽培している。1haあたりブドウの樹を約4500本に絞り、樹1本からの収穫量は1kgと定めて、低収量により品質を保っている。化学肥料や除草剤を使わないビオディナミ農法を採用し、土地の本来持っている力を引き出している。
代表的なワイン
イル・ボッロ
メルロが50%、カベルネ・ソーヴィニヨンと少量のシラー、プティ・ヴェルドのセパージュ。フルボディながらバランスがとれていて飲みやすく、カシスやブラックチェリーを思わせる豊かな果実味と滑らかなタンニンを味わえる。
ラメッレ
シャルドネ100%による白。シャルドネの畑は海抜500mの地にあり、豊富なミネラルを含んでいる。モモやバニラを思わせるアロマに、フレッシュで爽やかな味わい。魚の刺身や貝料理とよくマッチする。
ピアン・ディ・ノヴァ
シラーを主原料とし、サンジョヴェーゼをブレンドしたミディアムボディのワイン。カシスやブラックチェリーなど黒系果実の中にスパイスのニュアンスを感じるアロマ。香り豊かな果実味を備えたワインで、ハムなどの肉料理と合う。
ワイナリーの歴史
ワイナリー名はフィレンツェの南東、車で一時間ほどの距離にある村に由来する。キャンティ・クラシコ地区の近くにあるイル・ボッロ村は、中世の佇まいを残し、18世紀にはワイン造りが行われていた。
この地をサルヴァトーレ・フェラガモのフェルッチオ・フェラガモ氏が丸ごと買い取ったのは1993年のこと。11年の歳月をかけ、ワイナリーの他、ヴィラや教会、レストラン、乗馬場などを備えた田園リゾートとして整えた。現在は次男のサルヴァトーレ・フェラガモ氏がオーナーを務めている。
ワイン造りは事業の一環として行われているが、1999年に「ルーチェ」の醸造責任者だったニコロ・ダフリット氏を呼び寄せ、2011年には3つ星ワイナリー「ルフィーノ」で実績を持つステファノ・キオッチョリ氏を招き、本格的なワイン造りを行っている。