特徴・ポイント
フレシネ(Freixenet)は、スペインのスパークリングワイン「カヴァ」の生産者として知られている。世界約150カ国へ輸出しているカヴァの生産量は年間1億2500万本で、フレシネはスパークリングワインにおける世界最大のつくり手となっている。
ワインづくりのこだわり
スパークリングワインづくりに適したカタロニアの土地で栽培されたぶどうを、傷を付けないように手摘みで収穫したもののみ厳選して使用。自社培養の酵母を用い、シャンパーニュと同じ伝統的な製造方法をとっている。
代表的なワイン
フレシネ コルドン ネグロ
フレシネを代表する、ブラックボトルがトレードマークの辛口スパークリングワイン。柑橘類のアロマとフルーティーな味わいが特徴だ。
フレシネ カルタ ネバダ
「雪の手紙」を意味する名が付けられている。りんごや柑橘類のようなフルーティーな甘さと白い花を思わせる香りが感じられる。甘味付けにはオーク樽で熟成したワインからつくられたリキュールを使用している。
フレシネ セミセコ ロゼ
黒ぶどう品種のみからつくられた、フレッシュなロゼである。いちごやフランボワーズの香りと熟したいちごの豊かな果実味、深みを感じるタンニンのバランスがよい。
ワイナリーの歴史
フレシネは1861年、スペイン・バルセロナ郊外のサン・サドルニ・ダ・ノイアにおいてペドロ・フェラー氏により創業された。フレシネの名は、「トネリコの木」という意味を持つフェラー家が所有する農場名「ラ・レシネーダ」が由来となっている。
1889年、フェラー氏はアメリカへワイン輸出を行っていたカサ・サラ創業者の孫娘であるドローレス・サラ・ビベと結婚。このカサ・サラとの強固なつながりが、フレシネの基盤となる。
1914年、フレシネはスパークリングワインづくりを開始するが1930年代のスペイン内戦で創業者ペドロ・フェラー氏が死去。サラと息子のホセがフレシネを引き継ぎ、1941年にカルタ ネバダをリリースした。
1950年代には初めて空気圧搾法を採用。さらに発酵をコントロールするための冷蔵タンクを導入、自社開発した酵母を用いるなど、ワインの向上のための研究をつづけ、1974年にフレシネを代表する黒い擦りガラスのボトルが特徴的なコルドン ネグロを発売。世界中でベストセラーとなった。
現在、フレシネはスペイン国内のみならず、アメリカ・カリフォルニアやオーストラリア、アルゼンチンなどにワイナリーを所有している。自然に敬意を払いながら最新技術を取り入れた世界最大のスパークリングワインのつくり手の情熱は、創業当時から今も受け継がれている。