特徴・ポイント
2001年にロワールで立ち上げられたドメーヌ。2002年の初リリースで一躍注目をされたが、2005年にドメーヌが閉められたため、わずか3年間に生産されたワインのみが出回っている。
ワインづくりのこだわり
100%手摘みの優れたぶどうと優れた醸造家による、自然をリスペクトしたナチュラルなワインづくりをモットーとしている。
代表的なワイン
ヴーヴレ ラ フェルム モワルー
上品な甘みと強い果実味のバランスが良い。酸を感じるものの味わいは柔らかく、蜜のような濃縮感に長く残る余韻が特徴。
ヴーヴレ モワルー レ バール
シュナン・ブランを100%使用した、濃密な甘みが魅力の甘口ワイン。ドライフルーツや熟した桃の香りにほんのりとしたキャラメル香を感じられ、しっかりとした酸味と甘みのバランスに優れている。
ヴーヴレ モワルー キュヴェ ラ レヴェイユリー
フルニエのグラン・クリュと称されるレヴェイユリー区画で収穫されたぶどうを使ったワイン。特徴は、酸、甘み、旨味の絶妙なバランスと口当たりとふくよかさ。薄い黄金色にハチミツやキャラメル、ブランデーがリッチに香る。
ワイナリーの歴史
フルニエ(Fournier)は、パリの銀行で情報処理の職に就いていたマリー・アニック・ルメールによって設立された。彼女は自らワインテイスティングクラブを主催するほどのワイン愛好家で、ある時パリで出会った天才醸造家であるニコラ・ルナールによるヴーヴレの美味しさに感動して以来、自然派ワインの虜になった。
2001年、あるきっかけで巨額の富を手に入れたマリー・アニック・ルメールは、その資金を元にヴーヴレへ転居し、28haの畑を購入。ニコラ・ルナールを責任者に迎えてフルニエを立ち上げる。ワイン愛好家ではあるがワインづくりの知識がなかった彼女は、同時に1年間アンボワーズの醸造学校でワインづくりを学んだ。そしてフルニエ立ち上げの翌年、2002年にリリースしたワインは大注目を浴び、一躍フルニエの名は自然派ワイン界のスターダムにのし上がった。
しかし、マリー・アニック・ルメールのワインへの強いこだわりは、過剰な設備投資による経済的悪化とニコラ・ルナールとの間の意見の相違を招く。その結果ニコラ・ルナールは解任され、2005年にフルニエを去ったと同時に彼女はドメーヌを閉めることとなる。
このような歴史から、優れたぶどうとテロワールで作られたフルニエのワインは、2002年からのわずか3年間に生産されたもののみとなっており、幻のワインとも称されている。