金色のラベルと赤いキャプシールを付けたシャトー・レオヴィル・ポワフェレ2006年のボトル
ワイナリー

シャトー・レオヴィル・ポワフェレ

シャトー・レオヴィル・ポワフェレ(Château Léoville Poyferré)は、フランス・ボルドー地方サン・ジュリアンを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・レオヴィル・ポワフェレの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

金色のラベルと赤いキャプシールを付けたシャトー・レオヴィル・ポワフェレ2006年のボトル
シャトー・レオヴィル・ポワフェレ2006年のボトル。金色のラベルにはロートン家に由来する半狼の紋章が描かれています(画像: Agne27 / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

シャトー・レオヴィル・ポワフェレとは

産地とスタイル

シャトー・レオヴィル・ポワフェレは、フランス・ボルドー地方サン・ジュリアンの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

サン・ジュリアンのなだらかな砂礫地に整然と列をつくる緑のブドウ畑
同じサン・ジュリアンに広がる砂礫畑の資料写真。水はけと蓄熱性に優れた小石の層が、カベルネ・ソーヴィニヨンの成熟と長い骨格を支えます(画像: Megan Mallen / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0

評価される理由

シャトー・レオヴィル・ポワフェレは、メドックのサン・ジュリアンにある1855年格付け第2級シャトーです。公式サイトが紹介する所有地はサン・ジュリアンに点在する計80ヘクタールで、そのうち北西部の20ヘクタールは一続きの区画を持つシャトー・ムーラン・リッシュです。畑全体の植栽はカベルネ・ソーヴィニヨン63%、メルロー25%、プティ・ヴェルド7%、カベルネ・フラン5%、平均樹齢38年。ジロンド河が運んだミンデル期の砂礫段丘と砂質粘土の下層土が、晩熟のカベルネには熱と排水性を、メルローやカベルネ・フランには水分を保つ区画を与えます。黒土、砂礫、砂、肥沃な砂礫、黒い砂礫という異なる土壌を細かく読み分け、力強さ、みずみずしい果実、きめ細かな長さを一つのブレンドへまとめることが個性です。2016年にボルドーワインの環境マネジメントシステムへ参加し、2017年ヴィンテージから畑全体でHVEレベル3認証を取得。伝統的なダブル・ギュイヨ剪定、必要性を見極めた介入、深い根を促す土壌管理を続けています。

ワインづくりのこだわり

収穫の約3週間前から醸造チームとコンサルタントが果粒を試食し、フェノール熟度と分析値を重ねて区画ごとの収穫日を決めます。ブドウは手摘みし、小箱で醸造所へ運び、除梗の前に手作業、除梗後に光学式選果機で二重に選別。区画と品種の違いを保つため、57基の温度管理付きステンレスタンクで別々に仕込みます。うち27基は二重壁で、約1週間の発酵前低温浸漬が可能です。2018年からは非サッカロマイセス酵母を使うバイオプロテクションを取り入れ、この段階での亜硫酸使用を避けています。アルコール発酵が終わるまで毎日ポンピングオーバーを行い、温度、抽出時間、酸素、頻度を槽ごとに調整。マロラクティック発酵は樽で進め、その後フレンチオーク樽で18か月熟成します。プレスワインや区画ごとのロットを試飲し、果実、タンニン、樽の香りが調和するよう最終ブレンドを組み立てます。

フランスの醸造所内に並ぶ大型のステンレス製ワイン醸造タンク
温度管理できるステンレス醸造槽の資料写真。レオヴィル・ポワフェレは57基を使い、区画と品種を分けて果実の純度と土壌差を保ちます(画像: Cjp24 / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

代表的なワイン

Château Léoville Poyferré 2021

シャトー名を冠するグラン・ヴァン。2021年はカベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー26%、カベルネ・フラン9%、プティ・ヴェルド5%で、9月28日から10月12日に収穫されました。公式は冷涼感のあるスタイル、果実の純度、エレガンスを年の持ち味として紹介しています。黒スグリや黒い果実、スミレ、鉛筆の芯、土、スパイスを思わせる層に、縦に伸びるタンニンと長い余韻を備えるタイプです。Amazon.co.jpのASIN付き商品ページでは2021年750mlを確認し、在庫あり表示、カート、今すぐ買うの購入導線がありました。

Château Léoville Poyferré 2017

2017年はカベルネ・ソーヴィニヨン67%、メルロー31%、プティ・ヴェルド2%。厳しい遅霜の年でしたが、ジロンド河に近いサン・ジュリアンでは被害が抑えられ、暖かく穏やかな夏が成熟を支えました。黒スグリやブラックチェリー、杉、甘草、クローブを思わせる香り、なめらかな質感、鮮やかな果実と熟成の余地を備え、シャトーが砂礫テロワールの恩恵を語るヴィンテージです。

Pavillon de Léoville Poyferré

レオヴィル・ポワフェレのセカンドワインです。グラン・ヴァンと同じ区画・品種ごとの精密な仕込みから選ばれ、サン・ジュリアンらしいカシス、赤黒い果実、杉やスパイス、端正なタンニンを、より早く親しみやすいバランスで楽しめます。若いうちは少し空気に触れさせ、牛肉のロースト、鴨、仔羊、きのこ料理、熟成チーズなどと合わせると果実と香ばしさが開きます。

Château Moulin Riche

レオヴィル・ポワフェレの北西にある20ヘクタールの一続きの畑から生まれる、独立したサン・ジュリアンのグラン・ヴァンです。かつてセカンドワインとして扱われた時期もありましたが、1980年代末から畑を再編し、固有のテロワールを表すワインとして位置づけられています。豊かな赤黒い果実、丸み、しなやかなタンニンを持ち、同じ家族と醸造チームが手がけるもう一つのサン・ジュリアンとして比較すると理解が深まります。

経年したラベルと液面が見えるシャトー・レオヴィル・ポワフェレ1985年のボトル
1985年ヴィンテージの熟成ボトル。果実、杉、土、香辛料が時間とともに重なる、格付けサン・ジュリアンの長期熟成を伝えます(画像: BerndB / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

ワイナリーの歴史

レオヴィルの歴史は1638年、ボルドー高等法院評定官ジャン・ド・モワティエがモン・モワティエと呼ばれた砂礫丘に畑を持った時代へさかのぼります。1740年にブレーズ・アントワーヌ・アレクサンドル・ド・ガスクが取得し、レオヴィルをメドック屈指の畑へ育てましたが、死後の相続で三つに分割。1840年、ジャンヌ・ド・ラス・カーズから受け継いだ土地に、その娘の夫ジャン=マリー・ド・ポワフェレ男爵の名が加わり、現在のシャトーが成立しました。1855年に第2級へ格付けされ、1865年にポワフェレ家からラランド家と銀行家エルランジェへ売却。ラランド家の姻戚ロートン家の半狼の紋章は今もラベルに残ります。1920年、ワイン商を営むキュヴリエ家がレオヴィル・ポワフェレとムーラン・リッシュを取得。1979年からディディエ・キュヴリエが畑の再編と設備更新を進め、2018年にはサラ・ルコント・キュヴリエが総支配人を継承しました。醸造家イザベル・ダヴァンは2000年ヴィンテージから醸造を担い、2025年に25回目の収穫を迎えています。

シャトー・レオヴィル・ポワフェレを写真で見る

ボルドーの醸造所で収穫した黒ブドウを選果台へ広げて確認する作業
ボルドーで収穫ブドウを選別する資料写真。レオヴィル・ポワフェレでは手選果と光学式選果を重ね、健全で熟した果粒を区画別の仕込みへ送ります(画像: davitydave / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
薄暗いボルドーの熟成庫で木製バリックが二段に並ぶ様子
ボルドーの樽熟成庫の資料写真。レオヴィル・ポワフェレはマロラクティック発酵を樽で進め、フレンチオークで18か月育てます(画像: Christophe Eyquem / CC BY 3.0) Wikimedia Commons / CC BY 3.0
木のテーブル上に立つシャトー・レオヴィル・ポワフェレ1926年の古いボトル
1926年のレオヴィル・ポワフェレを写した歴史的ボトル写真。現在の見学では1970年代までさかのぼる古酒を相談でき、長い収蔵文化を体験できます(画像: Edsel Little / CC BY-SA 2.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0
1898年のシャトー・レオヴィル・ポワフェレの建物と前庭を描いたモノクロ図版
1898年刊『Bordeaux et ses vins』に掲載されたシャトーの図版。1840年の成立、1855年の第2級格付けを経た19世紀末の姿を伝えます(画像: Eugène Vergez / Cocks & Féret / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
ブドウ畑と低い建物を描いたシャトー・レオヴィル・ポワフェレの色彩歴史図版
シャルル・ラルマンによる歴史図版。レオヴィルの大きな所有地が相続で分かれ、ポワフェレの名を持つシャトーへ移る時代の景観を想像できます(画像: Charles Lallemand / CC0 1.0) Wikimedia Commons / CC0 1.0
ボルドーのブドウ樹で葉の間に密集して実る濃紺色のカベルネ・ソーヴィニヨンの房
ボルドーで育つカベルネ・ソーヴィニヨンの資料写真。レオヴィル・ポワフェレの植栽の63%を占め、黒い果実、骨格、長い余韻の中心になります(画像: Megan Mallen / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0

シャトー・レオヴィル・ポワフェレのおすすめワイン

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シャトー・レオヴィル・ポワフェレの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

2021 シャトー レオヴィル ポワフェレ 750ml サンジュリアン第2級 ボルドー 赤ワイン

シャトー・レオヴィル・ポワフェレらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

2021 シャトー レオヴィル ポワフェレ 750ml サンジュリアン第2級 ボルドー 赤ワインをAmazonで見る

まとめ

シャトー・レオヴィル・ポワフェレは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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