ピュイスガン・サン・テミリオン

ピュイスガン・サン・テミリオンワインの特徴とは

   

ボルドー地方のワイン産地で、リブルネ地域の中心部に位置する赤ワインのAOC。AOCサン・テミリオンの北方を取り囲むように位置する、サン・テミリオン衛星AOCと呼ばれる4つのAOCのひとつである。

ドルドーニュ川の右岸に位置する地区で、1936年にAOCに認定された。モンターニュ村で収穫されたブドウから造られたワインにこのAOCの使用が認められている。
1973年にサン・ジョルジュ村とパルサック村を町村合併により併合し、現在のブドウ耕作面積は約1,600ヘクタールである。サン・テミリオン衛星AOCの中では最も広く、標高も114メートルと最も高い位置にある。生産者は220名に及び、ワイン生産者協同組合も1つある。一般的に若飲みタイプで、数年を経て飲み頃になる、手頃な価格のワインが造られる地区である。

Le vignoble du moulin

ブドウ畑はAOCサン・テミリオンの東北部、バルバンヌ川を越えた高原に広がる。この周辺はかつてサン・テミリオンの丘と連続した土地で、現在ではバルバンヌ川が大地を削り起伏を形成しているが土壌の質は近く、サン・テミリオンの丘周辺と同様にブドウ栽培に適した土地である。川に隣接するこの地区は霜の危険が少なく、秋の日照もよいためブドウがよく成熟する。

ch?teau seigla laplagne 2007

土壌は主に斜面が石灰質か粘土石灰質で、斜面のふもとは砂の多い粘土質である。下層土壌は石灰岩である。夏の乾燥した時期には石灰質土壌が水分を供給する役割を果たす。この地区では赤ワイン用ブドウのみが栽培されており、ボルドー地方で見かけられたり使用されたりする品種のおよそすべてが栽培されている。メルロー種が主体ではあるものの、カベルネ・ソーヴィニヨン種、カベルネ・フラン種、コット(マルベック)種などがワイン醸造に使われている。

ch?teau vaisinerie 2005

この地区のワインの特徴は、色調がルビー色で、サクランボなおの赤い果実の豊かな香りに、ピーマンやブラックベリー、甘草の香りも混ざる。熟成を経ることでトリュフや腐葉土の香りが現れ奥深さが増す。味わいはバランスがとれていて優美で上品な豊満さがある。
石灰質中心の土壌ではワインに際立って美しい色、上品で複雑な香りがもたらされ、エレガントで繊細なものとなる。粘土質中心の土壌では色調は濃くなり香りはより力強いものとなる。まろやかでよりしなやかさが現れるが、タンニンもしっかりとしているため濃密で剛健な印象となる。

Puisseguin countryside

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