マディランの気候・風土
マディランはワイン産出地域として古くから認知されており、1948年にはAOCの認定を受けた歴史あるワイン産地だ。
マディラン村はフランス南西部、バスク・ピレネー地方にある。アドゥール川流域の中ほどに位置する地域だ。
土壌は粘土質で、ピレネー山脈麓の寒暖のある気候が香り高いワインを生み出している。
同じ地域で赤ワインと白ワインの両方がつくられているが、白ワインには別のAOC「パシュラン・デュ・ヴィクビル」というブランドで販売されるので、「マディラン」といえばこの地域の赤ワインのことを指す。
マディランのワインの特徴
マディラン地域特有の品種、タナはその名前のとおりタンニンが豊富で、コクのある力強い味わいを持つ。栽培するには水はけの良い粘土質の土壌が適し、日照時間の長さも必要とされる。また収穫時期である晩秋に雨が少ないことも条件となり、海洋性気候のマディランは、この条件に適合している。
長期熟成に向き、ダークチェリーやカシスのようなアロマに濃いルビー色を持ち、さらに華やかな香りのカヴェルネ・ソーヴィニョンなどとブレンドされる。根強いファンの多いワインだ。
エピソード
今日のマディランがあるのは、アラン・ブリュモン氏の功績によるところが大きい。
隣接地域であるボルドーの人気が高まり、マディランでもボルドーに似たワインを生産する風潮を見たアラン氏は「もっとマディランらしいワインを」と考えた。それまでタンニンが目立ち粗野なイメージだったタナを中心にしたワインづくりに取り組むことでマディランワインを特徴づけ、タナでも品質の良いワインをつくり出せると世界に認められたのは、アラン氏の力によるものだ。この功績が称えられ、1997年にフランス最高の権威であるレジオンドヌール勲章を授与されている。
マディランの代表的なワイン
アラン・ブリュモン・マディラン・シャトー・モンテュス
マディランドメーヌ・セルジャン
アラン・ブリュモン シャトー ブースカッセ マディラン