カベルネ・ソーヴィニヨンの意味/品種
カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)とは、フランス南西部のボルドー地方原産の赤ワイン用ブドウ品種。最もよく知られる赤ワイン用ブドウ品種のひとつで、高名なボルドーワインの主原料としてカベルネ・フランやメルローとブレンドされることで世界に広く知られるようになった。
DNA研究によって、カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交配から生まれたことが1997年に明らかにされた。
土壌への適応力が高いこと、病気や腐敗や害虫にも耐性が強いことから世界で広く栽培されている。栽培のしやすさに加え、力強く親しみやすい味わいから無名のワイン産地のものであっても消費者に好まれる傾向にあり、そのことから土着のワイン用ブドウ品種の消費を脅かす存在とみなされることもある程である。
カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴
果皮が厚いこの品種から造られるワインは一般的に濃い色調でタンニンを多く含み、苦味や渋味を伴った味わいが濃く深く芳香が豊かである。長期熟成に耐え、若いうちは荒削りな印象であっても成熟してまろやかな味わいとなる。
ボルドー産などの最高級のカベルネ・ソーヴィニヨンは良年のヴィンテージ(収穫年)であれば10年から数十年の熟成によって重厚に成熟する。
カベルネ・ソーヴィニヨンの味わい/香り
若いうちに醸し出すカシスやブルーベリーなどの濃い果実香から、熟成するにしたがって干しプラムやコンフィチュールのような複雑で豊かな香りとなる。またコショウやクローブのスパイシーな香り、あるいはスミレやミント、ピーマンや杉といった香りなど香り成分が非常に豊かである。
相対的にこれらの力強い個性は産地を問わず際立ちやや単調ともされるため、口内で感じる味わいをより深めるためにタンニンが少なくフレッシュな味わいのカベルネ・フランやメルローとブレンドされることが多い。
カベルネ・ソーヴィニヨンの主な産地
世界で生産されるカベルネ・ソーヴィニヨンの60%はフランスで生産されており、カリフォルニアがそれに次ぐ。
イタリアでの栽培の歴史は古く19世紀に北部ピエモンテで生産され始め、1970年代中頃にはトスカーナ地方で革新的なスーパートスカーナと呼ばれるサンジョベーゼとのブレンドワインに使用されたことで物議を醸した。
スペインではテンプラリーニョ、オーストラリアではシラーズとブレンドされることもある。またアルゼンチンやチリなど一部の生産地ではブレンドせずに単一品種で造られることもある。その他南半球のオーストラリア他各国産地においても広く使用され、手頃で良質のワインが生産されている。
本記事の初出時、カベルネ・ソーヴィニヨンのDNA研究が行われた時期に関する記載に、誤りがございました。現在は修正いたしております。
誤った情報を掲載してしまっておりまして、誠に申し訳ありませんでした。