クレー・ド・セラン

クレー・ド・セランワインの特徴とは

   

ロワール地方のAOCサヴェニエールの中でも最良とされる区画で、2011年から独立したAOCクレー・ド・セランとして認められた。シュナン・ブラン種の辛口白ワインが造られる。同様の区画にロシュ・オー・モワンヌがある。

AOCサヴェニエールの中でも最良とされる区画で、川に張り出した岩の多い斜面に位置する。ニコラ・ジョリー氏が単独所有しているモノポールで、ブドウ耕作面積は7ヘクタールである。この畑はシトー派修道僧により12世紀に植えられた由緒ある畑で、1962年からジョリー家が所有し、1984年からすべての畑でビオディナミ農法を行っている。南向きの急斜面で、平均樹齢は40年以上、一番古い樹で80年になる。ビオディナミ農法に則って馬を使うかもしくは人の手によって耕されている。
ニコラ・ジョリー氏はビオディナミ農法のワインのみを生産することでも世界的に知られる。ビオディナミ農法とは、化学肥料、殺虫剤、除草剤などを全く使わない有機農法の一つで、人智学のルドルフ・シュタイナーによって提唱された。天体の位置関係が土壌や生命体の成分及び気象等に与える影響を重視して、種まき、苗植え、耕うん、調合剤の準備や施肥、収穫などの時期を天体の運行といった自然のサイクルにあわせて行う。これをブドウ栽培に組み込んだワイン醸造に成功したのが、ボルドー地方のシャトー・ファルファやロワール地方のニコラ・ジョリー氏である。ビオディナミ(有機農法)と銘打つワインは少なくないが、必ずしもそれら全てがニコラ・ジョリー氏の造るワインのように秀逸ではない。

クレードセランで造られるワインのラベルには「クロ・ドュ・ラ・クレー・ド・セラン(Clos de la Coul?e de Serrant)と表示されており、多くのワイン評論家から世界有数の辛口白ワインと評される。凝縮感があり、酸味のバランスが良く、ハチミツやアプリコット、火打石などの風味が感じられる。その類稀な豊かなブーケと複雑な風味を味わうためには、長時間のデキャンタと適温であることが条件とされる。ただし、ニコラ・ジョリー氏は自然のままを表現することを心がけており、ヴィンテージにより個性が異なるのも事実である。クレー・ド・セランの辛口白ワインの中には貴腐ブドウから造られるものもあり、辛口ワインに貴腐ブドウを使うことは世界的に非常に稀である。また、貴腐ブドウが収穫できた年のヴィンテージに限って甘口のワインが造られることもある。

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