ローレライ

ローレライワインの特徴とは

   

ローレライの気候・風土

ドイツを流れるライン川の中流域・ミッテルライン地域は2つのエリアに別れている。その1つがジーベンゲビルゲ、そしてもう1つがローレライだ。

ドイツに詳しくなくても、「ローレライ」という名前を耳にしたことのある人は多いはず。ライン川流域に存在するローレライとはもともと岩山の名前。その付近のライン川には岩礁が多く、船舶事故が頻発した。そこから転じてローレライにたたずむ美しい女性の話が世界的に有名なった。この女性は美しい歌声と仕草で船の番頭を誘惑し、つい心を許すと川の中に引きずり込まれてしまう――といった「人魚」伝説の原型となったのだ。

ローレライ周辺の土壌は青や黒色の粘板岩で、土地は急こう配。非常に険しい土地を削り、棚式でぶどう樹栽培を行っている。一見、ぶどう栽培には向かない土地のように感じるが、切り立った山々と岩がぶどうを風から守り、太陽の熱が抜けるのを防ぐ。

主に栽培しているのはリースリング種で70%以上を占める。通常のぶどうと比べると粒が小さく、凝縮された芳醇な香りが特徴だ。リースリング種の生育はローレライの気候と非常にマッチし、非常に質の良いぶどう栽培を可能としている。

気候は南からの暖かい空気が入り込み、ぶどうの成長を促す。特に春や晩秋といったぶどう樹が成長する時期に風が吹き、まさに理想的な環境といえるだろう。冬も霜が降りることは稀だ。

ローレライのワインの特徴

理想的な土地で育ったぶどうを使ったワインにはファンも多い。鼻を抜ける瑞々しい果実味とミネラルは他の追随を許さない。可憐な花を思わせるさわやかで、かつ繊細・可憐なアロマもあるのだが、その中に隠された野性味も魅力となっている。

高く評価されている一方で、比較的入手が難しいワインでもある。ローレライをはじめ、ミッテルライン地域のワインはほぼ地元で消費されているからだ。ワイン醸造者がホテルやレストラン、酒場を経営しているケースが非常に多く、自分たちの一品でおもてなし……といったことが多いのだ。そのため、地元に行かなくては味わえない幻のワインもいくつかある。

エピソード

ミッテルライン地域のワインは「世界文化遺産のワイン」としても知られている。エリア南側に広がる景観、そしてコブレンツとビンゲンの間の景観は、2002年にユネスコ世界遺産に登録済み。世界文化遺産地域で育つワインとあって、愛好家たちの間で話題になることもある。

ローレライの代表的なワイン

ラッツェンベルガー/バハラッヒャー・ヴォルフスへーレ・リースリング・シュペートレーゼ
ラッツェンベルガー/バハラッヒャー・リースリング・ゼクト・ブリュット
ラッツェンベルガー/バハラッハー・リースリング・カビネット・ファインヘルプ

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