白ワインとは、白ブドウ品種から造られた透明な黄色や黄金色をしたワインのこと。ブドウの皮と種を除いて果肉のみを搾り取り発酵して造られるワインの総称。主に果皮が緑がかった白ブドウ品種を原料として造られる。
ゲヴュルツトラミネールやピノ・グリ、日本固有種の甲州のように淡い赤や紫の果皮の品種を原料として造られることもあるが、色の元となる果皮を除いて造るためワインにその赤色は残らない。ブドウの果汁そのものは透明または緑がかった色をしており、熟成が進むにつれて透明なものは黄色に変化していく。また果皮や種といった渋みの要素を除いて造られるため、タンニンの少ないフルーティな甘さがあり軽やかな味わいとなる。ただし、赤ワインか白ワインかはあくまで視覚的な違いであり、明確な造り方や原料となるブドウで定義された区分けではない。
白ワインに使われるブドウ品種として特に有名なものは、フランス産のものではソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、シャルドネ、ミュスカ(マスカットヴィオニエ、アリゴテ、イタリア産のものではモスカート(マスカット)、トレッビアーノ、ピノ・ビアンコ、ピノ・グリージョ、ドイツ産のものではリースリング、ゲヴュルツトラミネールなどがある。ただし、各品種はそれぞれの原産国でのみ栽培されているというわけではない。スペイン産のものではシェリーの原料となるパロミノ、ハンガリー産のものではフルミントとよばれる貴腐ワインの原料ともなるものが有名。日本固有の品種としては甲州が有名である。
白ワインの起源は厳密には不明だが、紀元前2000年頃のヒッタイトの粘土板にワインに関する記述が発見され、そこには「赤」のほかに「明るい色」という記述があり、白ワインを指すのではないかという説もある。
古代ギリシャの医者であるヒポクラテスは白ワインを処方していたことも判っている。