ネッビオーロの意味/品種
ネッビオーロ(Nebbiolo)とは、イタリア北部で栽培されている赤ワイン用ブドウ品種で、ピエモンテ地方の土着品種。ピエモンテ州やロンバルディア州、ヴァッレ・ダオスタ州で生産される。最高級赤ワインとされるDOP(旧DOC)バローロやDOPバルバレスコはこの品種から作られる。
ネッビオーロの特徴
主な銘柄として、ピエモンテ南東部ではバローロ、バルバレスコ、ピエモンテ北部でガッティメーナ他、ロンバルディアでヴァルテッリーナなどである。
ネッビオーロという名はピエモンテ州クーネオ県での呼び名で、他の県ではスパンナ、ロンバルディア州ではキアヴェンナスカ、ヴァッレ・ダオスタ州ではピクトゥネールなどと呼ばれる。
名前の由来は霧を意味する「ネッビア」で、ブドウの表皮が大量の蝋粉(ろうふん)に覆われて霧のように見えること、または晩熟でその収穫時期が秋の霧の季節に行われるから、という説がある。また最も古い説では高貴を意味する「ノービレ」が語源で「ふくよかで逞しく、甘い」ワインになるブドウ品種という説もある。
ネッビオーロの味わい/香り
基本的には薄いルビー色で、非常に強いタンニンと酸味がある。強いタンニンと酸が他の特徴とバランスがとれるようになるためには長期熟成が必要で、熟成されると味わいが広がり、スミレやタール、ハーブ、チェリー、ラズベリー、タバコ、トリュフ、プルーンなどの幅広いブーケを持つ世界で最も誘惑的とされる香りの高級ワインとなる。少量の他品種とのブレンドもあるが、単一品種でワインが造られることが多い。
ネッビオーロの主な産地
栽培条件がきわめて難しく、原産地のピエモンテでさえ栽培はほんの僅かな選ばれた地域に限定され、ピエモンテのワイン総生産量の6%を超すことは稀である。
バルバレスコとバローロにおいても石灰質の泥灰土壌だけで最も良い結果を生む。ピエモンテ地方が原産とされるが、DNA調査によってはロンバルディア地方に起源があると言う説もある。
“Cascin Adelaide Barolo & decanter” by Biskuit – originally posted to Flickr as CascinAdelaide Barolo. Licensed under CC BY-SA 2.0 via Commons.
1世紀には現在のバローロにあたる土地で卓越した品質のワインがあったという記述が残されており、品種の言及はないものの特徴がネオビッロ種のものと酷似している。品種名が最初に文献に登場したのは13世紀である。18世紀にイギリス人よってボルドーへの移植が試みられるが栽培が難しく難航した。
現在、ヨーロッパでは他にオーストリアにおいて多少の栽培がされ、他にはオーストラリア、メキシコ、チリなどでの栽培が試みられている。