ヤマ・ソーヴィニヨン

ヤマ・ソーヴィニヨン、日本固有のぶどう品種|おすすめのワインは?

   

ヤマ・ソーヴィニヨンは、日本で開発された日本固有の赤ワイン用ブドウ品種。ヤマブドウとカベルネ・ソーヴィニヨンの交配種だ。エレガントで長い余韻に熟成感も感じられるフルボディの赤ワインを生み出し、口当たりは力強く、新鮮な果実味、程よいタンニンを感じられる。

ヤマ・ソーヴィニヨンとは――その起源と特徴

ヤマ・ソーヴィニヨンは1990年に山梨大学の農学博士・山川祥秀教授が、日本の気候風土への適応と病害虫への耐性の付加を目的として開発した品種。交配、選抜そして品種登録まで実に13年間もの長い期間をかけられた。日本に自生する在来種であるヤマブドウとボルドーを代表する最高級醸造用品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンを交配して生まれた品種で、日本では栽培が容易ではないヨーロッパ系のワイン専用品種に、日本の気候・風土での栽培しやすさを併せたことで、両者の長所を併せ持つ品種となっている。

味の特徴

果粒は、紫黒色の小粒で果房は中程度である。味はやや多いが糖度も高く、一般的なヨーロッパ系ワイン品種よりも日本の気候に適し、裂果しない、病害虫に強い、収量が安定しているなどの特徴がある。ヤマブドウの持つ野性的な風味とすっきりとした酸、カベルネ・ソーヴィニヨンの持つ上品で芳醇な香りは、ワイン醸造用原料として適した品種と言える。

味わい/香り

色調は落ち着きある深い紫がかったルビー色で、ブルーベリージャムやプラムなどのニュアンスにヤマブドウのスパイシーともいえる野趣味が溶け込んだ味わいがある。口当たりは力強く、新鮮な果実味、程よいタンニンがある。樽熟成することによって香りの深みが増し鋭い酸味が引き締められ、エレガントで長い余韻に熟成感も感じられるフルボディとなる。

カベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブラン、他のぶどう品種との違いは?

ヤマ・ソーヴィニヨンと同様に「ソーヴィニヨン」の名を冠するワインといえば、カベルネ・ソーヴィニヨンのほか、ソーヴィニヨン・ブランが挙げられる。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランを交配して誕生したブドウ品種。つまり、ソーヴィニヨン・ブランは、カベルネ・ソーヴィニヨンにとって父、ヤマ・ソーヴィニヨンにとって祖父にあたる存在と言える。
ヤマ・ソーヴィニヨンとカベルネ・ソーヴィニヨンはともに赤ワイン用ブドウ品種だが、カベルネ・ソーヴィニヨンはヤマ・ソーヴィニヨンと比べると洗練された風味で、豊かな果実味とタンニンの渋みの調和を楽しめる上品な味わいとなっている。
ソーヴィニヨン・ブランは白ワイン用ブドウ品種で、爽やかな酸味とハーブのような香りが特徴となっている。

主な産地は山梨や長野

この交配品種を用いた赤ワインは山梨県や長野県で製造、販売されている。ヤマ・ソーヴィニヨンの栽培方法は、垣根仕立てで平地での作業ができ、収穫も腰の高さでできるということが、高齢化が進んだ農家にとっては魅力的であるという特徴もある。

ヤマ・ソーヴィニヨンを最適な状態で味わう方法

適切な温度で管理し、料理との相性を工夫することで、ヤマ・ソーヴィニヨンの豊かな味わいを最大限に引き出すことができる。

美味しく飲める適温は?

ヤマ・ソーヴィニヨンを美味しくいただくためには、保管時から温度に気を配ることが大切だ。直射日光が当たらず、15℃以下を保てる場所に保管してほしい。
ヤマソーヴィニヨンの味わいが最も引き立つ飲み頃の温度は、10~18℃と幅が広い。低い温度で飲むと香りは控えめでスッキリとした味わいとなり、高い温度で飲むと香りが強く濃厚な味わいとなる。さまざまな温度を試し、お気に入りの味わいを見つけるのも一興だ。

ヤマ・ソーヴィニヨンと相性の良い食事

鮮やかな酸味と豊かな果実味が特徴のヤマ・ソーヴィニヨンは、さまざまな食事とのペアリングを楽しめる。
特に肉料理との相性は抜群で、鹿肉をはじめとするジビエや羊肉などのクセの強い肉、スパイスの効いたステーキやタンドリーチキンなどの濃い味付けの料理によく合う。
その一方で、日本生まれのワインというだけあって、醤油や味噌を使った素朴な味付けの煮物や魚料理などの日本料理ともマッチする。
和洋を問わず料理の魅力を引き立てるヤマ・ソーヴィニヨンは、食事の時間をより特別なものにしてくれるに違いない。

ヤマ・ソーヴィニヨンを使ったおすすめワイン

能登ワイン NselecT ヤマソーヴィニヨン

ヤマ・ソーヴィニヨンといえば、能登ワイン。
能登牡蠣の殻を撒いたミネラル分豊富な畑で育てられたヤマ・ソーヴィニヨンのみを原料とするこだわりの逸品だ。
色は深みのある青紫の色調で、しっかりとした酸味と渋み、完熟した果実味のバランスが絶妙な飲みごたえを生み出している。
山ブドウに由来する野性的な香りと、どこか日本の原風景を彷彿とさせる素朴さ、それでいて骨格のしっかりとした味わいは、まさに能登ならでは。
能登牛、ふぐの子、へしこなど、石川名物とともに味わいたい。

タイプ    赤/ミディアムボディ
生産者    能登ワイン
原産国/地域名    日本 石川県 鳳珠郡穴水町
ブドウ品種  ヤマ・ソーヴィニヨン
内容量    720ml

ドメーヌ・ジン ヤマ・ソーヴィニヨン(赤/ペティアン/スパークリング)

完熟した福島県産ヤマ・ソーヴィニヨンを一次発酵完了後、亜硫酸無添加で瓶詰し、瓶内二次発酵によって微発泡に仕上げたスパークリングワイン
アントシアニンたっぷりな重厚な色合いの割に、タンニンは軽めですっきりとしたフルーティーな味わいとなっている。
白ワインと同様、冷やすことでその持ち味が引き出され、より美味しくいただける。
薄味の醤油系料理、すき焼き、ローストビーフ、ボロネーゼパスタなど、肉料理全般に合う。

タイプ    赤ワイン(微発泡スパークリング)
生産者    ドメーヌ・ジン ワイナリー
原産国/地域名    日本 福島県 二本松市
ブドウ品種 ヤマ・ソーヴィニヨン
内容量    500ml

伊豆 ヤマ・ソービニオン

伊豆市中伊豆志太農場産ヤマ・ソーヴィニヨンを100%使用して醸造した個性派ワイン。
梅やハーブ、土、わらの香りが立ち上がり、しっかりとした酸と樽の風味も感じられる。
伊豆の自然により育まれた野趣と木苺のような果実の味わいをあわせ持ち、食事に彩を添えてくれる。
辛口で程よい酸味があることから、肉料理や中華料理などの油が多い料理のおともにうってつけ。
ウナギのかば焼きをはじめとする静岡の郷土料理ともぜひ合わせたい。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

伊豆ヤマ・ソービニオン2021(赤・辛口)
価格:3,850円(税込、送料別) (2024/11/21時点)

タイプ    赤ワイン・辛口
生産者    株式会社志太 中伊豆ワイナリー
原産国/地域名    日本 静岡県 伊豆市
ブドウ品種 ヤマ・ソーヴィニヨン
ヴィンテージ 2021年
内容量    750ml

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