青空の下で水盤と庭園の奥に立つ二つの尖塔を持つシャトー・ピション・バロン
ワイナリー

シャトー・ピション・バロン

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シャトー・ピション・バロン(Château Pichon Baron)は、フランス・ボルドー地方ポイヤックを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・ピション・バロンの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

青空の下で水盤と庭園の奥に立つ二つの尖塔を持つシャトー・ピション・バロン
二つの尖塔と水盤が印象的な、ポイヤックのシャトー・ピション・バロン(画像: PA / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

シャトー・ピション・バロンとは

産地とスタイル

シャトー・ピション・バロンは、フランス・ボルドー地方ポイヤックの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

ポイヤックのブドウ樹の若い枝葉の向こうに見えるシャトー・ピション・バロン
砂利を含む土壌に伸びるブドウ樹越しに望む、ピション・バロンのシャトー(画像: Renhour48 / CC0) Wikimedia Commons / CC0

評価される理由

メドックのポイヤックで、ジロンド河口に近い第四紀の砂利台地に広がる1855年格付第二級シャトーです。所有する92ヘクタールは大きな小石と砂を含む水はけのよい土壌で、樹齢は平均35年。畑はカベルネ・ソーヴィニヨン66%、メルロー27%、カベルネ・フラン5%、プティ・ヴェルド1%、セミヨン1%で構成され、区画ごとの個性に合わせて手入れします。なかでも1694年の創設時から使われる『ピション・バロンの丘』はグラン・ヴァン専用。古樹と優れた砂利区画を厳しく選び、黒い果実、スパイス、杉や黒鉛を思わせる香り、力強さと端正さを備えた長命なポイヤックを生み出します。

ワインづくりのこだわり

区画を細かく分けて育て、古樹と最良の土壌からグラン・ヴァン用の果実を厳選します。1988年から発酵槽と熟成庫を全面的に再建し、2008年にはシャトー前の水盤の下に、光と水を感じられる地下熟成庫を完成。収穫ロットごとに醸しと試飲を進め、品種・区画の骨格を見極めてからブレンドします。今回のAmazon掲載商品である2020年は、カベルネ・ソーヴィニヨン76%、メルロー24%。新樽70%と1年使用樽30%で18か月熟成し、熟した赤い果実、スパイス、杉、鉛筆の芯を思わせる複雑さと、絹のようにきめ細かなタンニンを整えました。

ボルドーの醸造所で赤ワイン用ブドウを選果台へ載せて確認する作業
収穫した果実をロットごとに見極めるボルドーの選果工程の一例(ピション・バロンの醸造風景ではありません)(画像: davitydave / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0

代表的なワイン

Château Pichon Baron

1694年から続く歴史区画と最も優れた古樹を厳選するグラン・ヴァン。カベルネ・ソーヴィニヨンを軸に、黒い果実、スパイス、杉、黒鉛を思わせる複雑な香り、密度のある果実、磨かれたタンニン、長い余韻を備えます。公式には40年以上の熟成力を持つスタイルと説明され、今回紹介する2020年も力強さと気品を兼ね備えます。

Les Tourelles de Pichon Baron

シャトーの象徴である尖塔にちなむセカンドワイン。主にメルローを植えたサンタンヌ区画の果実を使い、豊かな黒い果実、丸み、滑らかな口当たりを表します。2023年ヴィンテージから旧称レ・トゥーレル・ド・ロングヴィルを現在名へ改めました。

Les Griffons de Pichon Baron

2012年ヴィンテージから造られるもう一つのセカンドワインです。ジロンド河口に近い砂利質区画のカベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、カシス、杉、黒鉛を思わせる香り、引き締まった骨格とみずみずしいエネルギーを表現。グラン・ヴァンへつながるポイヤックらしい力強さを若い時期から味わえます。

Les Griffons de Pichon Baron Grand Vin Blanc Sec

粘土石灰岩の冷涼な0.82ヘクタールの区画から、2022年ヴィンテージより造る辛口白です。セミヨンを主体とし、白い花や洋梨、柑橘を思わせる香り、丸みと石灰質由来の張りを両立。樽とワイングローブで澱とともに熟成し、赤ワイン中心のポイヤックに新しい表情を加えます。

シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン1989年の熟成したワインボトル
長期熟成による表情を伝える、ピション・ロングヴィル・バロン1989年のボトル(画像: Jamain / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

ワイナリーの歴史

1689年、ラトゥールとマルゴーの管理にも携わった商人ピエール・デメジュール・ド・ローザンが、ラトゥール近くのブドウ畑を取得したことが始まりです。1694年、その畑は娘テレーズとジャック・ピション・ド・ロングヴィル男爵の結婚持参財となり、ピションの名を持つエステートが誕生。1850年の分割で男爵ラウルの区画が現在のピション・バロンとなり、翌1851年に二つの尖塔を持つルネサンス様式のシャトーを建てました。1855年に第二級へ格付けされ、1933年からブテイエ家、1987年からAXAミレジムが継承。歴史的建物を守りながら発酵槽、熟成庫、地下セラーを刷新しています。

シャトー・ピション・バロンを写真で見る

ポイヤックのワイナリーでフレンチオーク樽が整然と並ぶ熟成庫
ポイヤックでワインを樽熟成するセラーの一例(ピション・バロンの熟成庫ではありません)(画像: Tomas e / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
手入れされた芝生と水盤の奥に立つシャトー・ピション・バロンの正面
水盤と芝生を軸に、19世紀のシャトーと現代の醸造施設を結ぶピション・バロンの中庭(画像: Renhour48 / CC0) Wikimedia Commons / CC0
19世紀のシャトー・ピション・ロングヴィルと周囲のブドウ畑を描いたカラー図版
1868年刊の資料に描かれた、完成から間もないピション・ロングヴィルのシャトーと畑(画像: Charles Lallemand / CC0) Wikimedia Commons / CC0
水盤に左右対称の建物が映るシャトー・ピション・バロンの正面全景
ルネサンス様式を思わせる左右対称の外観と、水盤に映る二つの尖塔(画像: David Perez / CC BY 3.0) Wikimedia Commons / CC BY 3.0
シャトー・ピション・バロン2014年のボトルに貼られたシャトー外観のラベル
二つの尖塔を描くピション・バロン2014年ヴィンテージのラベル(画像: Thomon / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
シャトー・ピション・バロンの尖塔を持つ建物と隣接する低い現代的な醸造施設
歴史的なシャトーの隣に低く構える現代の醸造施設。水盤の地下には2008年完成の熟成庫があります(画像: PA / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
夜間にライトアップされ水盤へ反射するシャトー・ピション・バロン
夜のポイヤックで照明に浮かぶ、ピション・バロンの二つの尖塔と水盤(画像: BillBl / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0

シャトー・ピション・バロンのおすすめワイン

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シャトー・ピション・バロンの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

Château Pichon Longueville Baron 2020 750ml

シャトー・ピション・バロンらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

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まとめ

シャトー・ピション・バロンは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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