サン・ジュリアンのブドウ畑に囲まれたシャトー・レオヴィル・ラス・カーズの建物
ワイナリー

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ(Château Léoville Las Cases)は、フランス・ボルドー地方サン・ジュリアンを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・レオヴィル・ラス・カーズの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

サン・ジュリアンのブドウ畑に囲まれたシャトー・レオヴィル・ラス・カーズの建物
サン・ジュリアンにあるシャトー・レオヴィル・ラス・カーズの建物と周囲の畑(画像: René Hourdry / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズとは

産地とスタイル

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズは、フランス・ボルドー地方サン・ジュリアンの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

サン・ジュリアンのクロ・デュ・マルキに広がるブドウ畑と建物
ドロン家が別のサン・ジュリアンのテロワールとして育てるクロ・デュ・マルキ(画像: René Hourdry / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

評価される理由

サン・ジュリアン村からシャトー・ラトゥール近くまで延びる、石壁に囲まれた約55ヘクタールのグラン・アンクロを中核とするメドック格付第二級シャトーです。第四紀の砂利を中心に、砂利質砂土、砂利質粘土、深さの異なる粘土が複雑に重なり、ジロンド河口が早い成熟と霜を和らげる独特の微気候をもたらします。平均樹齢は約52年で、カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー21%、カベルネ・フラン9%を植栽。カベルネの緻密な骨格、熟した果実、酸の張り、長い熟成力を一体にするのが持ち味です。

ワインづくりのこだわり

ドロン家の哲学は、各ヴィンテージとテロワールの状態を読み、健全で十分に熟した果実を得ることから始まります。畑では伝統的な土壌管理に加え、自園の優良株から接ぎ木素材を選び、樹勢や処置回数を管理し、生物多様性を支える生け垣も導入。収穫後はロットを厳しく選び、果実の鮮度と酸の均衡を守りながら醸造します。樽熟成前の最初のブレンドと熟成後の再ブレンドを通じて、樽香が果実を覆わないよう整え、長期熟成に耐える調和と一貫性を目指します。

石造りのボルドー熟成庫でオーク樽が並び、採取器具とホースが置かれた作業中の通路
ドロン家の熟成哲学と公式のセラー写真を参考に、別構図の実用的なボルドー熟成庫として制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

代表的なワイン

Grand Vin de Léoville du Marquis de Las Cases

旧レオヴィルの歴史的中心、主にクロ・レオヴィル・ラス・カーズの優良区画から生まれるグラン・ヴァン。カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランの複雑で完成度の高い表現を核に、黒い果実、杉や黒鉛を思わせる香り、緻密なタンニン、引き締まった酸と長い熟成力を示します。今回のAmazon掲載商品は2014年の375mlハーフボトルです。

Le Petit Lion du Marquis de Las Cases

植え替え後に若い樹が増えた区画から、グラン・ヴァンの品質基準を守るため2007年に誕生したセカンドワイン。メルローの比率を高め、熟した果実の風味を保ちながら、より早い時期から親しみやすい柔らかな輪郭へ仕上げます。

Clos du Marquis

レオヴィル・ラス・カーズの単なるセカンドワインではなく、別の優れたサン・ジュリアンのテロワールを表す独立した第一のワインです。ブランドは20世紀初頭の植栽期に生まれ、1902年が最初のヴィンテージ。周囲を複数の格付第二級シャトーに囲まれ、構成、調和、品格、複雑さ、熟成力というサン・ジュリアンらしさを伝えます。

クロ・デュ・マルキ1995年のボトルと赤ワインを入れたデキャンタ、ワイングラス
熟成したクロ・デュ・マルキ1995年をデキャンタとグラスで味わう場面(画像: Tomas er / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

ワイナリーの歴史

レオヴィルの起源は17世紀にさかのぼり、メドックでも最古級のブドウ畑の一つでした。フランス革命後の制度変更によって旧レオヴィルは1826年から1840年にかけて分割され、その約5分の3と歴史的中心部を受け継いだのがレオヴィル・ラス・カーズです。グラン・ヴァンの核となる区画は今も旧レオヴィルの中心にあり、象徴的なライオンの門が石壁に囲まれたクロへ開きます。19世紀末からは同じドロン家が運営を続け、現在はジャン=ユベール・ドロンが単独所有者として家族の歩みを引き継いでいます。

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズを写真で見る

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズの石造りの入口と門
石壁に囲まれたグラン・アンクロへ続くシャトー・レオヴィル・ラス・カーズの入口(画像: BillBl / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
19世紀のシャトー・レオヴィル・ラス・カーズとブドウ畑を描いた歴史的図版
1868年版『Bordeaux et ses vins』に描かれたレオヴィル・ラス・カーズの建物と畑(画像: Eugène Vergez / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
ブドウ畑の奥に立つ19世紀のレオヴィル・ラス・カーズを描いたカラー図版
1838年刊のボルドーワイン資料に収録されたシャルル・ラルマンによるレオヴィル・ラス・カーズの図版(画像: Charles Lallemand / CC0) Wikimedia Commons / CC0
レオヴィル・ラス・カーズ1911年ヴィンテージの古いワインボトルとラベル
長い熟成史を伝えるレオヴィル・ラス・カーズ1911年ヴィンテージのボトル(画像: BerndB / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
クロ・デュ・マルキを中央に置いた三本のボルドーワインボトル
クロ・デュ・マルキを含むボルドーワインのボトル比較。現在の公式説明では、クロ・デュ・マルキは別テロワールの第一のワインと位置づけられます(画像: Tomas er / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
シャトー・レオヴィル・ラス・カーズとサン・ジュリアンの文字が刻まれた銘板
シャトー名とサン・ジュリアンの所在地を示すレオヴィル・ラス・カーズの銘板(画像: René Hourdry / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

Château Léoville Las Cases 2014 half bottle 375ml

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

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まとめ

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

参考情報








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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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