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特徴・ポイント
ドイツワインは一般的に、ぶどう生産地の「村名」と「畑名」がラベルに表記される。その中で、特に優れた畑は「オルツタイルラーゲ(特別単一畑)」と呼ばれ、村名を省略して畑の名だけをラベルに表記することが許されている。そうした畑は現在5つしかないが、そのうちの1つがシュロス・フォルラーツだ。
ワインづくりのこだわり
シュロス・フォルラーツ(Schloss Vollrads)では、リースリングだけを栽培している。最高品質のリースリングを生み出すために、ぶどうを日当たりの良い南向きの斜面に植え、収穫量を厳しく調整している。さらに、収穫は手摘みで行うなど、労力が惜しみなく注がれている。
代表的なワイン
ラインガウ・リースリング・トロッケン・カビネット
シュロス・フォルラーツの中でも、特に人気のあるカビネット。桃のような香りと果実味、ミネラル感を楽しめる。ステンレスタンクで低温発酵しているため、新鮮な酸味と程よい甘みが残った、バランスの良いワインだ。
シュロス・フォルラーツ フォルラーツ 1573
シュロス・フォルラーツの基本とも言えるワイン。シュロス・フォルラーツの長い歴史を象徴しており、ラベルには1573年に築かれたフォルラーツ城が描かれている。リースリングらしいライチやりんごの香りを持つ。果実のほのかな甘さと強い酸が混じり合って、すっきりとした後味。
ラインガウ・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ
最低糖度が150度以上の貴腐ワイン。貴腐菌が発生する天候に恵まれた年にだけ生産される稀少なワインで、同ワイナリーでの生産量はわずか200リットル。香りはユリやメロン、オレンジを思わせる。甘い果実味が広がるが、濃厚ながらしつこい感じはない。
ワイナリーの歴史
シュロス・フォルラーツは、1218年にドイツのラインガウ地方ヴィンケル村に設立された、長い歴史を持つ名門ワイナリーだ。
14世紀前半に建てられたフォルラーツ城は、ワイナリーの基礎を築いたグライフェンクラウ男爵の邸宅だった。美しい城を取り囲むぶどう畑は、現在1カ所にまとまった畑としてはラインガウ地方最大の規模を誇る。
1999年7月に、かつて国立ワイン醸造所のディレクターを務めていたロヴァルト・ヘップ氏が栽培・醸造責任者に就任した。ロヴァルト・ヘップ氏は就任後、設備を一新。近代的な設備による細やかな温度・醸造管理、またブショネを防いで長期保存できるように、ガラス栓やスクリューキャップを使用するなど、改革に取り組んでいる。