特徴・ポイント
フランス東部のシャブリ地区の名門、ドメーヌ・ロン・デパキ(Domaine Long-Depaquit)。シャブリのグラン・クリュの約1割にあたる10haの畑を所有する。中でもヴォーデジールとレ・プリューズに2.35haにわたり単独所有する「ムトンヌ」は、希少性の高いグラン・クリュだ。
ワインづくりのこだわり
ぶどうは全て手摘みで収穫。余分な樽香を付けないため、圧搾したぶどうの4分の1をオーク樽発酵、残りをステンレスタンクで発酵させる。
代表的なワイン
シャブリ・グラン・クリュ ムトンヌ
ドメーヌ・ロン・デパキの至宝といわれる「ムトンヌ」のブドウでつくられたシャブリ。強烈なミネラルの味わいと、長く続く余韻が魅力的だ。桃などの熟した甘い果実の香り、柑橘系の爽やかさ、ジャスミンの花のアロマを感じられる。
シャブリ・プルミエ・クリュ レ・リー
セラン川左岸に位置し、北東に面した「レ・リー」のぶどうはじっくり時間を掛けて成熟する。緑がかった淡い黄色で、ユリを思わせる白い花や柑橘系のアロマ、フレッシュな酸味が特徴だ。
ドメーヌ・ロン・デパキ シャブリ
ドメーヌ・ロン・デパキの源であるポンティニー修道院から受け継いだ畑のシャルドネ種からつくられた辛口のシャブリ。フルーツとミネラルのアロマやアーモンドのほのかな香りが口中に広がる。柑橘系のキレの良い酸味が特徴だ。
ワイナリーの歴史
ドメーヌ・ロン・デパキの起源は、1128年からシャブリにブドウ畑を所有しているポンティニー修道院にさかのぼる。
創業は1791年。前年まで修道院の管財人を務めていたシモン・テパキ氏が還俗し、翌年、「ヴォーデジールのムトンヌ」と呼ばれていた畑、現在の「ムトンヌ」を購入したことに始まる。
シモン氏の家系が途絶えると、従兄弟のフランソワ・オーギュスト・ロン氏を養子に迎えてワインづくりを続けた。1910年からはその息子、ルイ・ロン・デパキ氏が医者をしながらドメーヌの管理を始めた。若くして失明した後はぶどう栽培とワインづくりに情熱をささげ、「ラ・ムトンヌ」の名はパリの名だたるレストランに注目されるようになった。
1972年にアルベール・ビショーの傘下となった後、ぶどう畑をさらに拡大し、今では65haに及ぶ畑を管理・運営している。ビショーのマーケティング力とドメーヌ・ロン・デパキの伝統的なワインづくりが相まって、シャブリを代表する名門ワイナリーとして近年ますます評価が高まっている。