蔦のアーチと赤茶色の窓枠を持つ石造りのワイナリーを、庭の小道から望む編集部イメージ
ワイナリー

ラ・リオハ・アルタ

ラ・リオハ・アルタ(La Rioja Alta)は、スペイン・リオハ地方アロを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、ラ・リオハ・アルタの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

蔦のアーチと赤茶色の窓枠を持つ石造りのワイナリーを、庭の小道から望む編集部イメージ
ラ・リオハ・アルタの石造りの建物と蔦の茂る入口を参考に、構図を変えて再構成したWine Bazaar編集部イメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

ラ・リオハ・アルタとは

産地とスタイル

ラ・リオハ・アルタは、スペイン・リオハ地方アロの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

石の混じる畝間から、秋色のブドウ列が連なる丘を眺める編集部イメージ
公式のブドウ畑の実景資料を参考に、緩やかな丘と秋のブドウ列を別の構図で再構成したWine Bazaar編集部イメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

評価される理由

ラ・リオハ・アルタの本拠は、リオハのワイン産業を支えてきたアロの駅周辺地区、バリオ・デ・ラ・エスタシオンにあります。歴史ある石造りの醸造所を使い続けながら、近隣のラバスティダにも設備を設け、自社畑のブドウを醸造しています。ワインの中心となる品種はテンプラニーリョ。ただし、銘柄によって畑、ブレンドする品種、樽で育てる期間を変えています。たとえば、ヴィーニャ・アルダンサ2020はテンプラニーリョ80%に、リオハ・オリエンタルのトゥデリーリャにあるラ・ペドリーサのガルナッチャ20%を合わせます。一方、ヴィーニャ・アルベルディ2021は、標高500〜600メートルの粘土石灰質土壌で育つ樹齢40年超のテンプラニーリョだけで造ります。自社で製造したアメリカンオーク樽と長い瓶熟成も、この造り手を知る手がかりです。公式のテイスティングノートには赤い果実とともに、杉、バニラ、スパイスなどの香りが繰り返し登場します。果実の濃さだけで選ぶより、酸の鮮やかさやタンニンのなめらかさ、熟成から生まれる香りに目を向けると、各銘柄の違いをつかみやすくなります。

ワインづくりのこだわり

公式の醸造方針では、収量を1ヘクタール当たり5,000キログラム未満に抑え、生育開始から収穫までブドウの状態を細かく管理します。各銘柄の技術資料でも、手摘みと畑での房の選別、冷蔵輸送を重視しています。ヴィーニャ・アルダンサ2020では、醸造所でも光学式の選果台を通し、アルコール発酵とマロラクティック発酵を終えた後、樽熟成に向くロットを選びました。樽は米国から輸入した木材をアロの施設で2年間屋外乾燥させ、自社の職人が製造します。熟成中は約半年ごとに、ろうそくの明かりで澱を確かめながら手作業でワインを別の樽へ移します。この澱引きは沈殿物を取り除くとともに、樽ごとの状態を確認する工程でもあります。熟成期間は一律ではなく、アルダンサ2020のテンプラニーリョは36か月、ガルナッチャは30か月。別々に育てたワインを最終的にブレンドし、2024年11月に瓶詰めしています。さらにグラン・レセルバ904の2016年は4年、890の2011年は6年を樽で過ごしました。瓶に移した後にも時間をかけて熟成させるため、発売時点で収穫から数年以上を経たワインを楽しめます。

実用的な照明の下でオーク樽が並ぶ石造りの熟成庫の編集部イメージ
ラ・リオハ・アルタの樽熟成庫の公式写真を参考に、石壁と積み重ねたオーク樽を別の構図で再構成したWine Bazaar編集部イメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

代表的なワイン

Viña Ardanza Reserva(ヴィーニャ・アルダンサ・レセルバ)

テンプラニーリョにガルナッチャを合わせる代表銘柄です。公式が案内する2020年は80対20の構成で、アメリカンオーク樽の20%に新樽を使用。品種ごとに30〜36か月育てています。公式ノートはチェリーやブルーベリーに、胡椒、クローブ、杉、カカオを重ね、酸の鮮やかさとしっかりしたタンニンを記しています。ラムのロースト、赤身肉、バーベキュー、熟成チーズとの組み合わせが公式の提案です。紹介するAmazon商品は750mlですが、販売ヴィンテージは商品説明で確認してください。

Viña Alberdi Selección Especial 2021(ヴィーニャ・アルベルディ)

2021年はテンプラニーリョ100%で、同銘柄の歴史で2度目となる社内評価「セレクシオン・エスペシアル」が付いた年です。自社製のアメリカンオーク樽で2年間熟成し、1年目は新樽、2年目は平均樽齢4.5年の樽を使用しました。赤い果実、バニラ、シナモンの香りと、よく磨かれたタンニンが公式ノートの特徴です。米料理、パスタ、軽食からグリル肉まで幅広い料理と合わせられる銘柄として紹介されています。

Viña Arana Gran Reserva 2017(ヴィーニャ・アラナ)

ロデスノの畑に由来するテンプラニーリョ95%と、フエンマヨールのモンテシーリョのグラシアーノ5%を使用。平均樽齢4.5年の自社製アメリカンオーク樽で3年間育て、半年ごとに澱引きを行い、2022年1月に瓶詰めしました。公式はラズベリー、ブラックベリー、スグリに杉やクローブが重なる香りと、余韻まで続く酸の鮮やかさを説明しています。赤ワインの熟成香と、軽やかに感じられる飲み口の両方に関心があるときの比較候補です。

Gran Reserva 904 2016(グラン・レセルバ904)

1904年の合併を名前に残す銘柄。2016年はテンプラニーリョ90%、グラシアーノ10%で、平均樽齢4.5年の自社製アメリカンオーク樽に4年間置き、2021年5月に瓶詰めしました。公式ノートには黒いチェリーやブルーベリーに加え、茶葉、コーヒー、バニラ、シナモンが挙がります。樽と瓶で時間をかけて育てた香りの変化、なめらかなタンニンを味わいたいときに選びたい一本です。

Gran Reserva 890 2011(グラン・レセルバ890)

創業年1890に由来する上位銘柄です。2011年はテンプラニーリョ95%、グラシアーノ3%、マスエロ2%。6年間の樽熟成と10回の澱引きを経て、2018年7月に瓶詰めしました。熟成中も試飲と分析を重ね、この銘柄の個性を備えた樽を選び抜いています。公式は干しブドウや砂糖漬けの黒プラム、杉、茶葉、チョコレート、スパイスの複雑な香りを記し、ハーブを使った肉の煮込みなどを提案しています。

ラ・リオハ・アルタの社名とヴィーニャ・アルダンサ・レセルバ2015の文字が見える2本のボトル
店頭に並ぶヴィーニャ・アルダンサ・レセルバ2015のボトル。本文で解説する2020年とは別ヴィンテージのラベル資料です(画像: Zarateman / CC0) Wikimedia Commons / CC0

ワイナリーの歴史

1890年、リオハとバスクの5家族がアロの駅周辺地区にソシエダ・ビニコラ・デ・ラ・リオハ・アルタを設立しました。初代社長は女性のサトゥルニナ・ガルシア・シド・イ・ガラテ。フランス人醸造家ヴィジエが手掛けたレセルバ1890は、現在のグラン・レセルバ890の前身です。1904年には創設者の一人アルフレド・アルダンサが所有する醸造所と合併し、それを記念したレセルバ1904が後のグラン・レセルバ904につながりました。1941年に現在の社名となり、翌1942年にヴィーニャ・アルダンサを商標登録。1974年のヴィーニャ・アラナ、1978年のヴィーニャ・アルベルディへと銘柄を広げます。グループとしては1988年にガリシア、1990年にはリベラ・デル・ドゥエロにも進出しました。本拠のリオハでは1996年にラバスティダの新しい醸造所を建設。銘柄名に創業や合併の記憶を残しながら、栽培地と設備を拡充してきた歩みが見えてきます。

ラ・リオハ・アルタを写真で見る

石造りのアロ市庁舎と広場に置かれたHAROの大きな文字
ラ・リオハ・アルタが1890年に創業したアロの街。写真は市庁舎前の広場で、ワイナリーの建物ではありません(画像: Mssoller / CC0) Wikimedia Commons / CC0
ブドウ畑の向こうにエブロ川、橋、丘の集落、山並みが広がる風景
ブリオネス付近から望むエブロ川とリオハ・アルタの風景。産地を知るための資料写真で、ラ・リオハ・アルタの自社畑を示すものではありません(画像: Adbar / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
ロデスノのブドウ畑に立つ石積みの農作業用の小屋
ロデスノの畑に残る農作業用の小屋。アルベルディやアラナに使うブドウが育つ地域の資料写真で、同社の所有地を示すものではありません(画像: Nicolás Pérez Gimilio / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
白い背景に置かれた青黒いテンプラニーリョのブドウ房
テンプラニーリョの品種資料写真。ラ・リオハ・アルタの主要銘柄を支え、アルベルディ2021では単独で使われています(画像: laimagendelvino.com / CC BY 2.5 es) Wikimedia Commons / CC BY 2.5 es
ポルティーリョ・デ・トレドの畑で手に持ったガルナッチャのブドウ房
スペインのポルティーリョ・デ・トレドで撮影されたガルナッチャの品種資料写真。アルダンサ2020では、別の産地であるトゥデリーリャの自社畑から20%を使用しています(画像: Xemenendura / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

ラ・リオハ・アルタのおすすめワイン

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ラ・リオハ・アルタの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

ラ・リオハ・アルタ ヴィーニャ・アルダンサ レセルバ 赤 750ml

ラ・リオハ・アルタらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

ラ・リオハ・アルタ ヴィーニャ・アルダンサ レセルバ 赤 750mlをAmazonで見る

まとめ

ラ・リオハ・アルタは、スペインのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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