白い砂礫のブドウ畑越しに森と控えめな石造ワイナリーを望む編集部イメージ
ワイナリー

ドメーヌ・ド・シュヴァリエ

ドメーヌ・ド・シュヴァリエ(Domaine de Chevalier)は、フランス・ボルドー地方ペサック・レオニャンを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、ドメーヌ・ド・シュヴァリエの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

白い砂礫のブドウ畑越しに森と控えめな石造ワイナリーを望む編集部イメージ
ドメーヌ・ド・シュヴァリエの森に囲まれた立地と控えめな建築を参考に、構図を変えて再構成したWine Bazaar編集部イメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

ドメーヌ・ド・シュヴァリエとは

産地とスタイル

ドメーヌ・ド・シュヴァリエは、フランス・ボルドー地方ペサック・レオニャンの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

白い砂礫質土壌のブドウ列と背後の深い森を写した編集部イメージ
森が生む微気候と砂礫質土壌というドメーヌの実景資料を参考に、構図を変えて再構成したWine Bazaar編集部イメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

評価される理由

ドメーヌ・ド・シュヴァリエは、レオニャンの森に囲まれた一続きの土地に立つ、グラーヴ格付けの赤・白両方を造る名門です。所有地は約100ヘクタールで、ブドウ畑は約70ヘクタール。その中心は赤60ヘクタールと白7ヘクタールで、1ヘクタール当たり1万本という高密度で植えられています。森は外部から隔てられた生態系と独自の微気候をつくり、暑い時期には成熟を助ける一方、冷え込む時期は霜の危険も高めるため、1982年から防霜塔を段階的に導入してきました。赤はカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー30%、プティ・ヴェルド3%、カベルネ・フラン2%、白はソーヴィニヨン・ブラン70%、セミヨン30%。痩せた砂礫質の土壌に合わせ、赤ではカベルネ・ソーヴィニヨン、白ではソーヴィニヨン・ブランを主役に据えます。2010年から環境への取り組みを深め、2021年に全管理畑で有機・ビオディナミの原則への転換を開始。被覆作物、植物抽出液、養蜂、森の生物多様性を活用し、2012年からは太陽光発電で使用電力の大きな部分をまかなっています。

ワインづくりのこだわり

白ブドウは赤より約2週間早く、通常9月前半に収穫します。同じ区画を何度も巡り、熟した房だけを摘む選択収穫は35人のチームで2〜3週間続くことがあり、果実をつぶさないよう最大30キログラムの小箱で運びます。ゆっくり圧搾して果汁を分け、約16〜18度に冷やして澱引きした後、約30%の新樽を含む樽で発酵。定期的なバトナージュを行い、細かな澱とともに翌年夏まで育て、二度目の冬に自然清澄させます。赤は畑、房、除梗後の果粒という三段階で選別し、ポンプを使わず重力で槽へ。コンクリート、木、ステンレスの70〜120ヘクトリットル級の槽を使い分け、数日の低温浸漬、ゆっくりした発酵、ルモンタージュと手作業のピジャージュで穏やかに抽出します。15〜25日のマセラシオン後に新樽でマロラクティック発酵し、翌1月に早くもアッサンブラージュ。グラン・ヴァンは樽で14〜24か月、ヴィンテージにより新樽40〜60%で熟成します。2021年赤はカベルネ・ソーヴィニヨン80%、メルロー10%、プティ・ヴェルド5%、カベルネ・フラン5%。9月28日から10月12日に収穫し、18か月熟成、新樽比率35%でした。

木槽、ステンレス槽、コンクリート槽が並ぶ機能的なボルドー醸造庫の編集部イメージ
木、ステンレス、コンクリートの槽を使い分ける公式資料を参考に、構図を変えて再構成したWine Bazaar編集部イメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

代表的なワイン

Domaine de Chevalier Rouge 2021

カベルネ・ソーヴィニヨン80%、メルロー10%、プティ・ヴェルド5%、カベルネ・フラン5%の赤。公式は黒スグリ、ブラックベリー、ブルーベリー、サワーチェリーに、ペパーミント、杉、ヒースを重ね、きめ細かな絹のようなタンニン、グラファイトと甘草の余韻を記録しています。Amazon.co.jpのASIN付き商品ページでは2021年750mlを確認し、「在庫あり」、数量選択、カート、今すぐ買うの購入導線が表示されていました。

Domaine de Chevalier Rouge

砂礫地で熟すカベルネ・ソーヴィニヨンを軸に、黒い果実、杉、森林、燻煙、グラファイトを思わせる奥行きと、力に偏らない端正なタンニンを求める赤のグラン・ヴァンです。樽の新しさよりも果実と土壌の輪郭を優先し、若いうちはデキャンタでゆっくり開かせ、熟成後は牛肉、仔羊、鴨、きのこや根菜のローストと合わせると、果実、土、樽の層を追いやすくなります。

Domaine de Chevalier Blanc 2021

ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを樽発酵・樽熟成する辛口白です。2021年は淡い金色に緑の反射を帯び、柑橘の皮、白桃、サンザシ、菩提樹、アカシアに、石英や火打石を思わせるミネラルと塩味が重なると公式は説明しています。密度と滑らかさを酸の張りが貫き、若いうちは魚介、甲殻類、鶏肉、山羊乳チーズに、熟成後はバターやナッツを使う料理にも寄り添います。

L’Esprit de Chevalier

1989年に始まったセカンドワインで、若木やグラン・ヴァンの構造と精密さにわずかに届かないキュヴェを中心に選びます。赤は複雑さと骨格を保ちながら早くから親しみやすく、白は樽を一本ずつ選んで、果実、活気、純度を若いうちから楽しめる姿に仕上げます。グラン・ヴァンとの違いは単純な濃淡ではなく、選別と熟成期間による開き方の速さにあります。

森に縁取られたブドウ畑を望む木のテーブルに赤と白のワイングラスと無地ラベルのボトルを置いた編集部イメージ
赤と辛口白をともに造るドメーヌの特徴を、無銘柄のボトルとグラスで再構成したWine Bazaar編集部イメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

ワイナリーの歴史

この土地の記録は17世紀半ばにさかのぼり、ラランヌ家のジャン・ド・ラランヌが「シヴァレ」と呼ばれたことから土地にもChivaleyの名が付きました。家、庭、畑、森、牧草地を備える自給的な農場で、後にあえて「シャトー」ではなく「ドメーヌ」を名乗る由来になります。1736年にレオニャンの商人ジャン・デスタンが取得しましたが、その後は所有者の交代とともに衰退し、1813年にはブドウ畑が完全に姿を消しました。1865年にアルノーとジャン・リカールが取得し、ジャンを現在のドメーヌの実質的な創設者と位置付けています。義理の息子ガブリエル・ボーマルタンが約40年かけて国際的な評価を築き、1948年からはクロード・リカールが管理。1953年のグラーヴ格付けで赤・白ともに選出されました。1983年にベルナール家が取得し、オリヴィエ・ベルナールのもとで畑と設備を拡充。1984年と1991年に建物を全面改修し、17世紀由来の骨格と重力搬送の考え方を残しながら、2012年のボトル庫、2013年のコンクリート槽庫、2016年の木槽庫へと更新を続けています。

ドメーヌ・ド・シュヴァリエを写真で見る

ボルドーの醸造所で黒ブドウを選果台に広げて状態を確認する作業
ボルドーで手摘みブドウを選別する資料写真。ドメーヌ・ド・シュヴァリエは畑、房、果粒の三段階で選び、重力で醸造槽へ送ります(画像: davitydave / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
ペサック・レオニャンの薄暗い熟成庫に並ぶボルドーワインのオーク樽
同じペサック・レオニャンにある樽熟成庫の資料写真。ドメーヌ・ド・シュヴァリエの赤はヴィンテージに応じて14〜24か月を樽で育てます(画像: Elfabriciodelamancha / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
森とブドウ畑に囲まれた1898年のドメーヌ・ド・シュヴァリエを描く歴史図版
1898年の『Bordeaux et ses vins』に載ったドメーヌ・ド・シュヴァリエの図版。森と畑、建物が一体になった当時の土地利用を伝えます(画像: Eugène Vergez / Bibliothèque nationale de France / CC0 1.0) Wikimedia Commons / CC0 1.0
ボルドーのブドウ樹で緑から濃紺へ色づく途中のカベルネ・ソーヴィニヨンの房
ボルドーで色づき始めたカベルネ・ソーヴィニヨンの資料写真。ドメーヌの赤畑の65%を占め、2021年のブレンドでは80%を担いました(画像: Dominique Hessel / CC BY 3.0) Wikimedia Commons / CC BY 3.0
葉の間で淡い黄緑色に熟したソーヴィニヨン・ブランのブドウ房
熟したソーヴィニヨン・ブランの資料写真。白畑の70%を占め、柑橘、白い花、酸の張りと砂礫由来の輪郭を支えます(画像: Nathan / CC BY-SA 2.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0
ボルドーの畑で葉の下に実る淡い金緑色のセミヨンのブドウ房
ボルドーで育つセミヨンの資料写真。白畑の30%を占め、ソーヴィニヨン・ブランの張りに果肉感、幅、熟成の奥行きを加えます(画像: Chateau La Tour de Chollet / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0

ドメーヌ・ド・シュヴァリエのおすすめワイン

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ドメーヌ・ド・シュヴァリエの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

2021 ドメーヌ ド シュヴァリエ ルージュ 750ml グラーヴ特別級 ボルドー 赤ワイン

ドメーヌ・ド・シュヴァリエらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

2021 ドメーヌ ド シュヴァリエ ルージュ 750ml グラーヴ特別級 ボルドー 赤ワインをAmazonで見る

まとめ

ドメーヌ・ド・シュヴァリエは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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