アロの木々に囲まれたCVNEの白い壁と赤褐色の瓦屋根
ワイナリー

クネ

クネ(CVNE)は、スペイン・リオハ地方アロを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、クネの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

アロの木々に囲まれたCVNEの白い壁と赤褐色の瓦屋根
アロにあるCVNEの醸造所。石造りの建物と瓦屋根が並ぶ創業の地(画像: Maite Gu / CC0) Wikimedia Commons / CC0

クネとは

産地とスタイル

クネは、スペイン・リオハ地方アロの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

ブドウ畑の向こうにエブロ川、橋、丘の集落と山並みが見える風景
ブリオネス付近のリオハ・アルタとエブロ川。産地の資料写真で、CVNEの所有区画を示すものではありません(画像: Adbar / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

評価される理由

クネは、スペイン北部リオハのアロで1879年に始まったCVNEを代表するブランドです。醸造所は駅周辺のバリオ・デ・ラ・エスタシオン地区にあり、石造りの建物が中庭を囲んでいます。まず味わいを知るなら、定番のクネ・クリアンサが入り口になります。使うブドウはリオハ・アルタのアロと周辺の村で育ったもの。2022年の公式資料によると、約半分が自社畑、残りが何世代にもわたって付き合いのある栽培農家から届きます。一つの畑だけを使うワインとは違い、土壌や斜面の向き、仕立て方、樹齢の異なる区画を組み合わせ、年が変わってもクネらしい味を目指します。赤い果実を思わせる香りと樽熟成による甘い香りが重なり、口当たりはなめらか。生産者が強調するのは、果実味と後味の爽やかさです。同じクネでも、クリアンサ、レセルバ、グラン・レセルバでは畑の選び方と熟成期間が変わるため、ボトルを選ぶときは銘柄名まで確認したいところです。

ワインづくりのこだわり

クネ・クリアンサ2022は、ステンレスタンクで25〜27℃に温度を管理しながら発酵させます。果皮を果汁に浸す期間は約12日。タンクでマロラクティック発酵を行った後、複数回使ったアメリカンオーク樽で12か月熟成します。新しい樽の強い香りを加えることだけに頼らず、果実の風味との釣り合いを取る造りです。醸造所では設備の更新も続けてきました。1989年に整えたエル・ピラールでは、重力を利用して果汁を移動させる方法を取り入れています。一方、同じアロの敷地内にあるインペリアルは、区画ごとのブドウを細かく扱う独立した小規模な醸造所。容量の異なるフレンチオークの大桶があり、クネ・クリアンサのタンク発酵とは工程が異なります。樽を並べるエッフェルの施設は、公式によると1909年にエッフェルの設計事務所が手掛けたもの。写真の木製発酵槽と熟成樽を見比べると、発酵させる容器と寝かせる容器の違いも分かります。

木の梁の下に大型のオーク発酵槽が並ぶインペリアルの醸造施設
CVNEのアロの敷地内にあるインペリアル醸造所の木製発酵槽。クリアンサを発酵させるステンレスタンクとは別の設備です(画像: Txo / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

代表的なワイン

Cune Crianza 2022(クネ・クリアンサ/今回のAmazon掲載商品)

今回確認したAmazon商品は、2022年の赤ワイン、750mlの単品です。公式技術資料のブレンドはテンプラニーリョ85%、ガルナッチャ・ティンタとマスエロを合わせて15%。赤い果実や甘草、アメリカンオーク由来の甘い香りが紹介されています。生産者の推奨温度は16〜18℃。果実味を楽しみたい食事の席で、クネの基本を知る一本になります。購入時は商品名の収穫年と容量、販売者の配送条件を確認してください。

Cune Reserva 2019(クネ・レセルバ)

クリアンサから熟成の違いをたどるならレセルバへ。2019年の公式技術資料では、標高500〜600mにあるリオハ・アルタの自社畑から手摘みで収穫し、アメリカンオークとフレンチオークで18か月、瓶で12か月を超えて熟成させています。テンプラニーリョ85%に、ガルナッチャ・ティンタ、グラシアーノ、マスエロを合わせて15%。果実にスパイスやバニラの香りが重なると紹介されています。これらは2019年の仕様で、別の収穫年にそのまま当てはめるものではありません。

Cune Gran Reserva 2018(クネ・グラン・レセルバ)

さらに長く熟成させる赤です。2018年の公式資料では、トレモンタルボの自社畑で育ったブドウを使用。テンプラニーリョ85%、グラシアーノ10%、マスエロ5%で、樽で24か月、その後の瓶熟成は少なくとも3年です。生産者の説明では、熟した黒い果実にバニラやトフィー、たばこの葉を思わせる香りが重なります。同じ生産者の赤でも、収穫年と熟成の段階をそろえて比べると、クリアンサとの違いを捉えやすくなります。

Imperial Gran Reserva(インペリアル・グラン・レセルバ)

アロの敷地内にあるインペリアル醸造所が、収穫に恵まれた年に造る長期熟成向けの銘柄です。公式紹介では標高550〜650mの小区画を選び、畑と醸造所で選果し、重力を使ってブドウを小型のオーク槽へ移します。樽熟成の後には、古いセラーで瓶熟成を続けます。クネ・グラン・レセルバとは名前も造りも異なるので、ラベルのIMPERIALを確認しましょう。今回のAmazonリンク先はインペリアルではなく、クネ・クリアンサ2022です。

CVNEの紋章とTEMPRANILLO、GARNACHA、GRACIANOの文字が見える店頭のボトル
テンプラニーリョ、ガルナッチャ、グラシアーノと品種名を記したCVNEのボトル。紹介するクリアンサ2022とは別商品のラベル資料です(画像: Zarateman / CC0) Wikimedia Commons / CC0

ワイナリーの歴史

1879年、レアル・デ・アスア兄弟がアロでコンパニア・ビニコラ・デル・ノルテ・デ・エスパーニャを創業しました。社名を略したCVNEのVをUと取り違えたことが、クネという名前のきっかけだったと公式サイトは伝えています。1920年にはインペリアルが誕生。英国向けのインペリアル・パイントという瓶の呼び名が、その名の由来です。その後も創業家が経営を受け継ぎ、現在の公式紹介では5世代にわたる歩みを掲げています。アロの醸造所は中庭を中心に広がり、創業140周年の2019年にも白、ロゼ、グラン・レセルバのための設備を拡充しました。CVNEは現在、リオハ以外にも醸造所を持つグループですが、ここで取り上げるクネとインペリアルの拠点は創業地のアロです。現地の見学を考えるなら、公式のCVNE Imperialの案内でコースや予約条件を確認できます。石の壁に残る社名や中庭、樽庫の写真を見てから訪れると、ワインの名前と場所が結び付きます。

クネを写真で見る

金属製の屋根の骨組みの下に、オーク樽が何列も並ぶ熟成庫
鉄骨で屋根を支えるエッフェルの樽庫。中央の柱を置かない広い空間に熟成樽が並びます(画像: Maite Gu / CC0) Wikimedia Commons / CC0
白い切妻壁にスペイン語の正式社名が大きく記された醸造所
アロの建物に掲げられたCOMPAÑÍA VINÍCOLA DEL NORTE DE ESPAÑAの社名(画像: Zarateman / CC0) Wikimedia Commons / CC0
赤い扉と窓枠がある石造りの建物から中庭へ続く通路
石造りの建物と中庭が続くCVNEのアロの敷地。見学のコースや予約条件は公式案内で確認できます(画像: Zarateman / CC0) Wikimedia Commons / CC0
石柱の間に黒い鉄の門扉が取り付けられたCVNEの入り口
アロのCVNEの門。施設を囲む石の柱と鉄の門扉が見えます(画像: Zarateman / CC0) Wikimedia Commons / CC0
石壁の上に青灰色の筆記体で取り付けられたCuneの文字
石の壁に取り付けられたCuneの文字。社名略称CVNEから生まれたブランド名です(画像: Zarateman / CC0) Wikimedia Commons / CC0
白い背景に置かれた青黒いテンプラニーリョのブドウ房
主要品種テンプラニーリョの資料写真。クネ・クリアンサ2022では85%を占めます。CVNEの特定の畑を示すものではありません(画像: laimagendelvino.com / CC BY 2.5 es) Wikimedia Commons / CC BY 2.5 es

クネのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

クネの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

クネ クリアンサ 2022 赤 750ml

クネらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

クネ クリアンサ 2022 赤 750mlをAmazonで見る

まとめ

クネは、スペインのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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