芝生と池の向こうに立つシャトー・スデュイローの館
ワイナリー

シャトー・スデュイロー

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シャトー・スデュイロー(Château Suduiraut)は、フランス・ボルドー地方ソーテルヌ、プレニャックを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・スデュイローの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

芝生と池の向こうに立つシャトー・スデュイローの館
プレニャックにあるシャトー・スデュイローの館。2012年に撮影された正面の姿です(画像: Henry Salomé / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

シャトー・スデュイローとは

産地とスタイル

シャトー・スデュイローは、フランス・ボルドー地方ソーテルヌ、プレニャックの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

砂礫の畝間と秋のブドウ列を描いた編集部イメージ
スデュイローの公式の畑写真を参考に、砂礫の土と秋のブドウ列を別の構図で再構成したWine Bazaar編集部イメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

評価される理由

スデュイローは、1855年の格付けでプルミエ・クリュに選ばれたソーテルヌのシャトーです。公式サイトが案内する畑は91ヘクタール。砂礫を含む砂質粘土の土壌は表土が薄く、水分を保ちにくいため、ブドウは地中へ根を伸ばします。植えられているのはセミヨン80%、ソーヴィニヨン・ブラン15%、ソーヴィニヨン・グリ5%で、この比率は畑全体の構成を示しています。個々のワインのブレンド比率とは別です。甘口の主役になるセミヨンの厚みや蜂蜜を思わせる香りに加え、辛口白ではソーヴィニヨンの酸味や果実の香りも楽しめます。甘さを支える土地の条件が、貴腐です。シロン川とガロンヌ川の影響で秋に朝霧が生まれ、昼の日差しと組み合わさると、貴腐菌が働く環境になります。果皮から水分が抜け、糖と香りが凝縮したブドウを選び取ることで、豊かな甘みと複雑な香りを備えた白ワインが生まれます。

ワインづくりのこだわり

貴腐が進む速さは、房ごとにも粒ごとにも異なります。スデュイローでは畑を繰り返し巡り、その時に収穫できる部分を手で選びます。公式の説明では、多い年には5回の選果収穫を重ねます。湿気が多すぎて傷んだ粒を取り除く判断も欠かせません。2024年のグラン・ヴァンを例にすると、収穫は9月19日から10月24日までの4回で、収量は1ヘクタール当たり11.3ヘクトリットルでした。空気圧式プレスと垂直式プレスで果汁を搾り、低温で澱を沈めた後、フレンチオーク樽で自然酵母による発酵を行います。この年の熟成計画は16〜20か月、新樽と1年使用樽を半分ずつ使う内容です。これらは2024年の公式技術資料に基づく数値で、紹介する1999年の製法や比率を示すものではありません。辛口白も銘柄ごとに醸造を分けています。例えばピュール・セミヨン2024年は、樽に加えてWineglobeというガラス製容器も熟成に使い、果実の表情と質感を引き出しています。

明るい壁に囲まれた熟成庫でオーク樽が並ぶ様子を描いた編集部イメージ
スデュイローの樽熟成庫の公式写真を参考に、オーク樽と通路を別の構図で再構成したWine Bazaar編集部イメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

代表的なワイン

Château Suduiraut(シャトー・スデュイロー)

シャトーを代表する甘口のグラン・ヴァンです。公式は、果実や花、砂糖漬けの果物、香ばしさが重なる香りと、熟成につれて金色から琥珀色へ移る色合いを紹介しています。食後だけでなく、鶏肉のローストやブルーチーズとの組み合わせも公式の提案にあります。提供温度の目安は約10℃で、熟成したワインでは14℃程度まで。冷やしすぎず、グラスの中で香りが開く変化を楽しみたいところです。今回のAmazon商品は1999年の375mlハーフボトル。長く熟成したワインなので、購入時には販売者が示す保管状態や液面、配送条件を確かめてください。掲載するボトル写真は1990年のもので、販売商品の写真ではありません。

Castelnau de Suduiraut(カステルノー・ド・スデュイロー)

若いうちから香りを楽しめる、もうひとつの甘口ソーテルヌです。公式は、早くから個性を表す特定の区画を選んで造るワインと説明しています。2023年はセミヨン100%で、18か月の樽熟成を実施し、新樽比率は20%でした。この年の公式テイスティングでは、ライチやバラ、砂糖漬けのアプリコット、蜂蜜などの香りが挙げられています。グラン・ヴァンと飲み比べるなら、甘みの強さだけでなく、果実の香りの出方や口に含んだ時の軽快さにも目を向けると、それぞれの狙いが見えてきます。

Château Suduiraut Vieilles Vignes Grand Vin Blanc Sec(ヴィエイユ・ヴィーニュ・グラン・ヴァン・ブラン・セック)

平均樹齢45年のセミヨンとソーヴィニヨン・ブランの区画から造る辛口白です。2024年はセミヨン56%、ソーヴィニヨン・ブラン44%。樽で発酵させ、マロラクティック発酵を行わず、9か月熟成させました。熟成中には澱をかき混ぜるバトナージュも行います。公式の2024年のコメントでは、花や生のアーモンド、アニスを思わせる香り、丸みと爽やかさを併せ持つ口当たりが紹介されています。ソーテルヌの甘口を思い浮かべて選ぶと、辛口の仕立てによる違いがよく分かる銘柄です。

Château Suduiraut Pur Sémillon Grand Vin Blanc Sec(ピュール・セミヨン・グラン・ヴァン・ブラン・セック)

平均樹齢55年の小さな区画から選んだセミヨンを使う辛口白です。2024年はセミヨン100%で、9か月の熟成に新樽27%、1年使用樽50%、Wineglobe23%を使っています。公式は白い花や洋梨、スパイスを思わせる香りと、絹のようになめらかな質感を伝えています。同じセミヨンでも、貴腐による凝縮を生かした甘口とは味わいの組み立てが変わります。ヴィエイユ・ヴィーニュと見比べれば、ソーヴィニヨンをブレンドするかどうかに加え、樹齢や熟成容器の違いも知ることができます。

Lions de Suduiraut Blanc Sec(リオン・ド・スデュイロー・ブラン・セック)

平均樹齢20年の区画を使い、若いうちから楽しめるように造る辛口白です。2025年のブレンドはセミヨン69%、ソーヴィニヨン・ブラン24%、ソーヴィニヨン・グリ7%。発酵と6か月の熟成には、タンク70%、樽30%を使っています。古木の2銘柄と比べると、タンクの割合が高い点が特徴です。ラベルのBlanc Secは辛口白を意味します。スデュイローの甘口を探している時には、造り手の名前だけでなく、この表記まで確認して選ぶと取り違えを防げます。

琥珀色のワインが入ったシャトー・スデュイロー1990年のハーフボトル
シャトー・スデュイロー1990年のハーフボトル。紹介するAmazon商品は1999年の375mlで、写真とはヴィンテージが異なります(画像: Tomas er / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

ワイナリーの歴史

スデュイローの名は、1580年にニコル・ダラールがレオナール・ド・スデュイローと結婚したことに由来します。館はフロンドの乱で略奪と火災に遭い、17世紀に再建されました。庭園を手掛けたのは、ヴェルサイユ宮殿でも知られるアンドレ・ル・ノートルです。18世紀末にジャン・ジョゼフ・デュロワが地所を引き継ぐと、クリュ・デュ・ロワの名で呼ばれた時期もありました。今日のラベルに使われる紋章には、スデュイロー家とデュロワ家の歴史が重なっています。1855年4月18日の格付けでプルミエ・クリュに選ばれ、1992年にはAXAミレジムが取得しました。館や庭園を写した写真に加え、1893年の書籍に描かれた姿も残っているので、建物の輪郭を見比べながら長い歩みをたどれます。現在の公式資料には、甘口のグラン・ヴァンとともに複数の辛口白が並び、同じ地所のブドウを異なるスタイルに仕立てています。

シャトー・スデュイローを写真で見る

刈り込まれた植栽の奥に立つ淡い石造りのスデュイローの館
庭園側から見たスデュイローの館。塔の屋根や整えられた植栽が見えます。写真は2012年のものです(画像: Châteauform’ / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
1893年の書籍に描かれたシャトー・スデュイローの館と前庭
1893年刊行の『Bordeaux et ses vins』に掲載されたスデュイロー。館とその前に広がる庭が描かれています(画像: Eugène Vergez / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
褐色になり水分が抜けてしわの寄ったセミヨンの粒
ソーテルヌ地方で2008年に撮影された、貴腐の進むセミヨンの資料写真。スデュイローの畑を写したものではありません(画像: John Yesberg / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
葉の間に実った黄緑色のソーヴィニヨン・ブランの房
ソーヴィニヨン・ブランの品種を紹介する資料写真。スデュイローの畑を写したものではありません(画像: Nathan / CC BY-SA 2.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0
木々が茂るシロン川の岸辺を写したセピア色の古い絵はがき
バルザックを流れるシロン川の岸辺を写した古い絵はがき。朝霧をもたらす川の周辺風景を伝える地域資料です(画像: M. Dupeyron / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain

シャトー・スデュイローのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

シャトー・スデュイローの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

シャトー・スデュイロー 1999 白・極甘口 375ml(ハーフボトル)

シャトー・スデュイローらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

シャトー・スデュイロー 1999 白・極甘口 375ml(ハーフボトル)をAmazonで見る

まとめ

シャトー・スデュイローは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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