蔦と白い鎧戸の館を庭の小道から望む編集部イメージ
ワイナリー

シャトー・タルボ

シャトー・タルボ(Château Talbot)は、フランス・ボルドー地方サン・ジュリアンを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・タルボの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

蔦と白い鎧戸の館を庭の小道から望む編集部イメージ
タルボの館の公式写真を参考に、庭の小道から望む別の構図で描いたWine Bazaar編集部イメージ。現地で撮影した写真ではありません(画像: Wine Bazaar編集部)

シャトー・タルボとは

産地とスタイル

シャトー・タルボは、フランス・ボルドー地方サン・ジュリアンの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

白いタルボの看板の奥に低いブドウの列が続く畑
シャトー・タルボの看板と、その向こうに広がるブドウ畑(画像: Prof. Rabbit / https://profrabbit.com/ / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

評価される理由

タルボは、1855年の格付けで第4級に選ばれたサン・ジュリアンのシャトーです。地所には約110ヘクタールのまとまった畑が広がり、粘土を含む地層の上に細かな砂利が重なる、水はけのよい土地でブドウを育てています。公式の栽培紹介では、赤用品種の植栽はカベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー26%、プティ・ヴェルド4%。これは畑の構成で、ボトルに入るワインのブレンド比率は年ごとに変わります。タルボの赤を選ぶ時には、カベルネの骨格と、口当たりのしなやかさに注目したいところです。公式は、なめらかなタンニンに加え、葉巻や甘草を思わせる香りを紹介しています。実際に出会う香りや質感は、ヴィンテージと熟成の段階によっても異なります。赤で知られる造り手ですが、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを使う辛口白のカイユ・ブランも手掛けています。こちらの原産地呼称はボルドー・ブランです。赤のサン・ジュリアンとはラベルの表記が違うので、白を探す際の目印になります。

ワインづくりのこだわり

収穫は手作業です。畑で最初の選果を行い、醸造所に運び込んだ後も状態を見極めます。除梗後の粒には光学式や比重式の選果を使い、区画ごとの特徴を確かめながら仕込みを分けます。醸造には木製槽とステンレスタンクを使い分けます。2023年の技術資料では、グラン・ヴァンはオークの木製槽、コネターブルはステンレスタンクで発酵させたと記されています。樽熟成の舞台となるグラン・シェは2013年に完成しました。枝分かれするコンクリート柱が天井を支え、最大1,800樽を収容する大きな空間です。外観の印象だけでなく、試飲を重ねて樽や熟成期間を選ぶ仕事にも目を向けたいところ。例えばグラン・ヴァンの2018年は新樽60%で16か月、2023年は新樽60%で15か月の樽熟成でした。年ごとの数字を見比べると、いつも同じ工程に当てはめているわけではないことが分かります。白のカイユ・ブランでは、樽の中で澱とともに熟成させ、澱をかき混ぜるバトナージュを行います。赤と白で、樽の使い方にも違いがあります。

枝分かれするコンクリート柱とオーク樽の列を描いた編集部イメージ
グラン・シェの公式写真を参考に、枝状の柱と樽の列を別の構図で描いたWine Bazaar編集部イメージ。実際の配置を記録した写真ではありません(画像: Wine Bazaar編集部)

代表的なワイン

Château Talbot(シャトー・タルボ)

シャトーを代表する赤のグラン・ヴァンです。カベルネ・ソーヴィニヨンを軸に、メルローとプティ・ヴェルドを合わせます。2023年の公式ブレンドは77%、20%、3%で、15か月の樽熟成、新樽比率60%。タルボの特徴を知るなら、まずこの銘柄を基準にすると、セカンドワインとの違いも捉えやすくなります。掲載するボトルの実写真は2005年、ラベルの資料写真は2000年です。いずれも紹介するAmazonの2018年商品とは異なります。

Château Talbot 2018(100周年記念ボトル)

コルディエ家が地所を取得して100年となる2018年は、750mlの全生産分にシルクスクリーン印刷の記念デザインを採用しました。ハーフボトルやマグナムなどは、同じ意匠を用いた特別ラベルです。この年のブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨン66%、メルロー29%、プティ・ヴェルド5%。16か月の樽熟成を経て、2020年5月に瓶詰めされました。今回のAmazon商品はこの2018年の750mlです。通常の紙ラベルの資料写真との見た目の違いも、記念年を知る手掛かりになります。購入時には販売者が示す実物の状態や保管・配送条件も確認してください。

Connétable Talbot(コネターブル・タルボ)

1970年代に生まれたセカンドワインです。コネターブル・ド・タルボの名でも流通しています。公式は、明瞭な骨格と爽やかな余韻を備える赤と紹介しています。2023年はメルロー56%、カベルネ・ソーヴィニヨン41%、プティ・ヴェルド3%。ステンレスタンクで発酵させ、全量をオーク樽で熟成しました。同年のグラン・ヴァンよりメルローの比率が高く、使う発酵容器も違います。同じ年の2本を比べると、果実の印象やタンニンの感じ方を比べながら楽しめます。

Caillou Blanc(カイユ・ブラン)

ジョルジュ・コルディエが1930年代にメドックで白ブドウを植え直した歴史につながる辛口白です。2023年はソーヴィニヨン・ブラン71%、セミヨン29%。樽で発酵させ、新樽は40%を使用し、澱とともにバトナージュを行いながら8か月熟成させました。公式は、芳香豊かでエキゾチックな香りを持ち、食前酒より食卓で楽しむワインとして紹介しています。ラベルのBordeaux BlancとCaillou Blancが、タルボの赤との見分け方です。

金色のキャップと白いラベルのシャトー・タルボ2005年
シャトー・タルボ2005年のボトル。紹介するAmazon商品は2018年の100周年記念ボトルで、年と意匠が異なります(画像: Geographer / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

ワイナリーの歴史

シャトーの名は、1453年のカスティヨンの戦いで敗れたイングランドの武将ジョン・タルボに由来します。1855年に第4級へ格付けされ、1918年にはデジレ・コルディエが取得しました。その後は息子ジョルジュ、孫ジャンへと受け継がれ、ジャンの死後は娘のロレーヌとナンシーが運営を担いました。現在はナンシー・ビニョン=コルディエと夫ジャン=ポール、その子どもたちが歩みを続けています。取得から100年を迎えた2018年には、記念のボトルを制作しました。図案のモチーフは、グラン・シェに立つ枝状の柱です。古い絵はがきに残る石造りの館と、現代の熟成庫を見比べると、タルボが守ってきたものと新しく加えたものをたどれます。現地を訪ねる場合、公式の見学は予約制です。通常の見学では地所や醸造施設を巡り、同じヴィンテージのタルボとコネターブルを試飲する内容が案内されています。庭園を含むコースや複数年を比べる試飲もあるため、希望する内容と日程を公式窓口で確認してください。

シャトー・タルボを写真で見る

石造りのタルボの館と庭木を写した古い絵はがき
1900〜1905年ごろのタルボを写した絵はがき。コルディエ家が取得する前の館の姿を伝えます(画像: Marcel Delboy / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
木々に囲まれたタルボの館と庭園を描く書籍の図版
1949年刊行の『Bordeaux et ses vins』第11版に収録されたタルボの図版(画像: Eugène Vergez / CC0 1.0) Wikimedia Commons / CC0 1.0
シャトー・タルボの紋章とSAINT-JULIEN、2000の文字が見えるラベル
2000年のタルボのラベル。産地名SAINT-JULIENと収穫年を確認できます。紹介する2018年記念ボトルのラベルではありません(画像: Mike Case / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
葉の間に実る濃紺色のカベルネ・ソーヴィニヨンの房
赤の主品種カベルネ・ソーヴィニヨンの資料写真。撮影地はスミス・オー・ラフィットで、タルボの畑ではありません(画像: Megan Mallen / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
葉の間に実る黄緑色のソーヴィニヨン・ブランの房
カイユ・ブランの主品種ソーヴィニヨン・ブランを紹介する資料写真。タルボの畑を写したものではありません(画像: Nathan / CC BY-SA 2.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0

シャトー・タルボのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

シャトー・タルボの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

シャトー・タルボ 2018 赤 750ml(コルディエ家取得100周年記念ボトル)

シャトー・タルボらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

シャトー・タルボ 2018 赤 750ml(コルディエ家取得100周年記念ボトル)をAmazonで見る

まとめ

シャトー・タルボは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

参考情報








編集情報

この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

運営会社 / お問い合わせ・広告掲載

ワインニュース・コラムを見る

About the author / 

WINE BAZAAR編集部

Wine Bazaar編集部は、ワインの新商品、イベント、業界動向、産地・品種に関する情報を確認し、読者がワインを選びやすくなる記事を制作しています。

カテゴリー