シュナン・ブラン

シュナン・ブランとは――味の特徴、おすすめワイン、主な産地をチェック

   

シュナン・ブランの意味/品種

シュナン・ブラン(Chenin Blanc)とは、フランス北西部のロワール地方が原産とされる白ワイン用ブドウ品種。この品種からはテーブルワインスパークリングワイン、甘口、辛口等色々なスタイルのワインが生産され、貴腐ワインでも知られる。

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シュナン・ブランの特徴

9世紀にロワール地方のアンジュー地区で誕生したとされ、現在もこの地方の主要品種である。特にAOCコトー・デュ・レイヨン、AOCヴーヴレ、AOCサヴニエールの主要品種で、シャルドネ種やソーヴィニヨン・ブラン種とブレンドされこともある。遅熟で、本来は冷涼な土地よりも温暖な土地での栽培に適しているが、気温の高い年はロワール地方の不安定な気候とのバランスによって繊細で複雑な深い味わいの良質ワインが造られる。

Chappellet Chenin Blanc

シュナン・ブランの味わい/香り

この品種のニュートラルな性質は、耕作地の土壌や気候といったテロワールや醸造者の技術が反映されやすい。冷涼な土地では果汁は甘味も味も強いフルボディのワインが造られ、北フランスでは未熟な果実はクレマン・ド・ロワールなどのスパークリングワインの原料とされる。

辛口の白ワインとしてはAOCアンジューが有名で、花梨やリンゴの風味などシュナン・ブランの特徴をよく表している。AOCヴーヴレではやや辛口のワインが造られ、熟成によってハチミツや花の香りが醸し出される。また、気候に恵まれた年には貴腐化したブドウから濃厚な貴腐ワインが造られる。南部のラングドックでは、発泡酒のクレマン・ド・リムーにも使用されている。

Chenin Blanc

ヨーロッパとニューワールドでは発酵させる温度が異なる。ニューワールドの手法は低温で発酵させることで南国の果実の香りや味わいとなるが、ヨーロッパではこれが好まれずやや高めの温度で発酵させる。よって、ロワールのものはリンゴやスモモの香りやミネラル感があり、熟成させるとハチミツやアカシア、花梨の香りが加わる。

対して南アフリカのものは若いうちに飲まれ、バナナ、グアバ、パイナップルなどの南国の果実香のするワインとなる。なお、ロワール地方の貴腐ワインは桃やハチミツの香りがあり、熟成させることで大麦糖やマジパンなどの濃い香ばしさや花梨の香りが立つ。

シュナン・ブランの主な産地

南アフリカでは最も多く栽培されている品種の一つでスティーンと呼ばれており、また最も早く栽培が開始された品種の一つで17世紀に持ち込まれた。オーストラリアには19世紀に持ち込まれたとされる。ニュージーランドアメリカ、カナダ、アルゼンチン中国などで栽培される。

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