ムニエの意味/品種
ムニエ(Pinot Meunier)とは、フランスのシャンパーニュ地方で主に栽培されている赤ワイン用ブドウ品種で、ピノ・ノワールの変異種とされる。シャンパンに用いられることが認められている3品種のひとつで、他はシャルドネとピノ・ノワールである。
「ムニエ」とは「粉屋」の意味で、葉の裏が白いのでそう呼ばれている。 フランスではピノ・ムニエとも呼ばれ、またドイツではシュヴァルツリースリングやミューラーレーベと呼ばれる。
ムニエの特徴
ピノ・ノワールとその特徴を比較すると、ムニエの色調はより明るく、酸味も強いが、糖度やアルコール度数はおよそ同等である。ラベルに品種名が記載されることは少ないが、名門クリュでも少量ではあるが使用していると言われ、造リ手の技量次第でその特徴を引き出すことができると言うことができる。
頑強で霜害に強い耐寒品種であるため、フランス最北の栽培地のシャンパーニュ地方の気候に適しており、ヴァレ・ド・ラ・マルヌで多く栽培されている。収穫量が多く熟成が早い性質があり、大量に生産されるシャンパンに不可欠な品種である。
ムニエの味わい/香り
シャンパンには白系のシャルドネだけを使ったブラン・ド・ブランと、対照的に黒系のブドウだけを使ったブラン・ド・ノワールがあるが、ムニエはピノ・ノワールとともにブラン・ド・ノワールに使われており、アルコール度数が高く、コクがあり余韻が長く口に残るシャンパンとなる。ムニエを加えたシャンパンは、シャルドネやピノ・ノワールを主原料としたものとは異なり熟成には向かず、若いうちに柔らかくフルーティな味わいを楽しむのに適している。
また同地方では僅かながら非発泡性ワインも造られており、コトー・シャンプノワではムニエとピノ・ノワールを使った赤ワインが造られている。ムニエをブレンドすることでより香り高く、フルーティな味わいがワインに加わる。
ムニエの主な産地
ドイツではこの品種はスパークリングワインよりもスティルワイン用に栽培されている。主に軽めのやや辛口ワインが造られるが、近年ではフルーティな白ワインも造られている。カリフォルニアでは1980年代からシャンパーニュの醸造方法を模すためにこの品種が栽培され始めた。オーストラリアでは、ピノ・ノワールよりもムニエの方が栽培の歴史が長く、シャンパーニュ法の発泡ワインとともに非発泡ワインとしても使われている。ニュージーランドでも栽培されており、発泡と非発泡の両方に使われている。