芝生と砂利道の奥に、白い窓枠と赤褐色の屋根を持つシャトーが建つ
ワイナリー

シャトー・ローザン・セグラ

シャトー・ローザン・セグラ(Château Rauzan-Ségla)は、フランス・ボルドー地方マルゴーを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・ローザン・セグラの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

芝生と砂利道の奥に、白い窓枠と赤褐色の屋根を持つシャトーが建つ
1998年5月に撮影されたローザン・セグラの外観。淡い石壁と重なる屋根が印象的です(画像: Benjamin Zingg, Switzerland / CC BY-SA 2.5) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.5

シャトー・ローザン・セグラとは

産地とスタイル

シャトー・ローザン・セグラは、フランス・ボルドー地方マルゴーの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

砂利質の地面に低く仕立てたブドウの列が並び、奥に小塔と木々が見える
公式の畑の写真を参考に、構図を変えて制作した編集用イメージ。実際の区画境界や現地取材時の風景を示すものではありません(画像: Wine Bazaar編集部)

評価される理由

シャトー・ローザン・セグラは、マルゴーの砂利と粘土の土壌から赤ワインを造る、1855年格付けの第2級シャトーです。淡い石の壁と複雑に重なる屋根を持つ建物の周囲に、性格の異なる畑が点在しています。ボルドー・グラン・クリュ協会の2024年版ガイドでは、栽培面積は70ha。深い砂利と粘土、細かな砂利、粘土石灰質が入り交じる土地として紹介されています。主に育てるのはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー。区画による違いを確かめ、それぞれのワインを組み合わせて一年の味を決めていきます。協会が紹介する味わいの特徴は、繊細な口当たりの奥にある深さとなめらかさです。シャネルが所有するシャトーとして知られていますが、ボトルを選ぶときに見たいのは銘柄と収穫年。シャトー名を冠するグラン・ヴァンのほかに、セグラというセカンドワインもあります。同じマルゴーでも、この二つは別の銘柄です。

ワインづくりのこだわり

輸入元モトックスの生産者紹介によると、収穫したブドウは区画ごと、場合によっては区画をさらに分けた単位で発酵させます。重力を利用した移送と温度管理のできるステンレスタンクを使い、畑の違いを細かく扱う造りです。熟成に使うのはフレンチオーク。樽の製造元だけでなく、内側の焼き加減も吟味します。同じ紹介には卵白による清澄も記されており、タンクでの発酵の後にも、樽や仕上げの工程で選択が重なります。協会の2024年版ガイドが示す一般的な樽熟成期間は18か月、新樽の割合は50〜65%。これはすべての収穫年に共通する固定の配合表ではありません。ヴィンテージによって採用するブドウの割合や樽の使い方が変わるため、年号付きの技術資料とは分けて読みたい数字です。掲載した樽庫の編集用イメージは、輸入元が紹介する石壁と木組みの施設を参考に構成しています。

石造りの壁と木組みの屋根の下に、横置きのオーク樽が何列も並ぶ
モトックス掲載の樽庫写真を参考にした編集用イメージ。石壁、木の梁、熟成樽の関係を伝えるため、構図を変えて再構成しています(画像: Wine Bazaar編集部)

代表的なワイン

Château Rauzan-Ségla 2022(今回のAmazon掲載商品)

シャトー名を冠するグラン・ヴァンの2022年、750mlの赤ワインです。モトックスの同年の商品資料では、A.O.C.マルゴー、メドック第2級格付、アルコール度数14.5%。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを主体とし、香りの豊かさと柔らかな口当たりを紹介しています。今回確認したAmazonリンクはセカンドワインのセグラではありません。購入時は2022という年号、容量、販売者の配送条件を確認してください。

Ségla(セグラ)

ローザン・セグラを手掛けるチームが造るセカンドワインです。輸入元Winebowは、グラン・ヴァンより親しみやすく、マルゴーらしさを知る入り口になる銘柄として紹介しています。ファーストワインと同様に手間をかけて造る、という説明もあります。シャトーの個性を別の表情でたどりたいときの候補です。ラベルのSÉGLAとCHÂTEAU RAUZAN-SÉGLAを見分け、収穫年ごとの仕様を確認しましょう。

Château Rauzan-Ségla 2019

グラン・ヴァンを収穫年で比べるときの一例です。輸入元の商品資料では、750ml、アルコール度数14.5%のフルボディの赤。飲み頃温度は17℃と案内されています。この温度は2019年の商品説明に載る目安です。同じ銘柄でも保管状態や開栓後の時間によって印象が変わるため、温度だけで飲み頃を決めず、少量ずつグラスで様子を見たいところです。今回のAmazon掲載商品とは収穫年が異なります。

Château Rauzan-Ségla 2023

同じグラン・ヴァンの2023年は、モトックスの資料では750ml、アルコール度数13.5%です。2022年の14.5%とは異なり、同じシャトーでも年ごとにワインの仕様が変わることを確認できます。ただし、度数の大小だけで味の濃さや優劣を決めることはできません。銘柄をそろえて違う年を比べたい場合に、ラベルの数字と生産者の説明を一緒に読むための例として紹介しています。

赤と金色を基調にChâteau Rauzan Séglaと記した古いラベル
1913年以前のローザン・セグラのラベル資料。現在の2022年商品のラベルとは異なります(画像: Wilhelm Gerstung(印刷)/Hubert Wilm(図案) / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain

ワイナリーの歴史

1661年、ピエール・ド・ローザンがこの土地を取得したことから、シャトーの歩みが始まります。Sotheby’sがシャトー蔵出し競売に際して公表した資料でも、この年を起点に360年の歴史を紹介しています。1855年の格付けでは第2級に選ばれ、1994年にはシャネルが取得。モトックスは、この所有者交代を設備や品質の改善が進む転機として説明しています。ワインの歴史と建物の歴史を重ねると、写真も見やすくなります。フランス文化省の記録によれば、現在の建物は20世紀初頭にガロスの手で再建され、醸造施設も改修されました。建物の本体や塀、付属建築の外観、中庭、公園などは2011年10月18日に歴史的建造物として登録されています。19世紀の写真と20世紀初頭の絵葉書、1998年の外観写真では、建物の姿が異なります。創業年がそのまま現在の建築の完成年になるわけではありません。

シャトー・ローザン・セグラを写真で見る

左右の塔と中央の入口を持つ建物を、中庭越しに写した古い写真
アルフレッド・ダンフルーによる1867年頃のシャトーの写真。20世紀初頭の再建より前の姿です(画像: Alfred Danflou / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
庭の奥に急勾配の屋根とツタに覆われた建物が写る古い絵葉書
1900〜1920年頃の絵葉書に残るシャトー。ツタに覆われた壁や庭の様子が分かります(画像: A. Dando / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
砂利質の地面の上で、緑の葉の間に青黒いブドウの房が実る
主要品種カベルネ・ソーヴィニヨンの資料写真。スミス・オー・ラフィットで撮られたもので、ローザン・セグラの畑ではありません(画像: Megan Mallen / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
草の生えた畝の両側にメルローの房が並ぶブールの畑
メルローの資料写真。撮影地はボルドー右岸のブールで、このシャトーの所有区画を示すものではありません(画像: michael clarke stuff / CC BY-SA 2.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0

シャトー・ローザン・セグラのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

シャトー・ローザン・セグラの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

シャトー・ローザン・セグラ 2022 赤 750ml

シャトー・ローザン・セグラらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

シャトー・ローザン・セグラ 2022 赤 750mlをAmazonで見る

まとめ

シャトー・ローザン・セグラは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

参考情報








編集情報

この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

運営会社 / お問い合わせ・広告掲載

ワインニュース・コラムを見る

About the author / 

WINE BAZAAR編集部

Wine Bazaar編集部は、ワインの新商品、イベント、業界動向、産地・品種に関する情報を確認し、読者がワインを選びやすくなる記事を制作しています。

カテゴリー