塔のある石造りの館と円形の芝生
ワイナリー

シャトー・ディッサン

シャトー・ディッサン(Château d’Issan)は、フランス・ボルドー地方マルゴー、カントナックを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・ディッサンの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

塔のある石造りの館と円形の芝生
2011年に撮影されたシャトー・ディッサンの館。塔のある外観と前庭を望む実写です(画像: Unozoe / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

シャトー・ディッサンとは

産地とスタイル

シャトー・ディッサンは、フランス・ボルドー地方マルゴー、カントナックの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

ブドウの房を手で支え、剪定ばさみで収穫する場面の再構成イメージ
手摘み収穫の参考イメージ。ディッサンの公式写真をもとに構図を変えて再構成した編集部オリジナルです(画像: Wine Bazaar編集部オリジナル(公式写真を参考に再構成))

評価される理由

堀に囲まれた館と、石垣の内側に続くブドウ畑。シャトー・ディッサンは、建物の写真からも土地の歴史をたどれるマルゴーの造り手です。畑を囲む壁は1644年に築かれたもの。近くのジロンド河口と大西洋の影響を受ける場所にあり、砂利の多い地表と、その下の粘土がブドウの成熟を支えています。1855年のメドック格付けでは第3級に選ばれました。主役の品種はカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローですが、2021年の赤にはカベルネ・フラン、マルベック、プティ・ヴェルドも使っています。代表銘柄だけでなく、若い樹から造るブラゾンや、河口に近い区画から生まれるムーランまで比べると、同じ造り手の中にも畑の違いがあることが分かります。

ワインづくりのこだわり

畑の管理は区画ごとに行い、冬の剪定から芽の整理、葉や房の調整まで、その場所の樹に合わせて手をかけます。収穫は手摘み。醸造所では房を選別した後、振動式の台で粒をもう一度確かめ、重力を使ってタンクへ送ります。公式の設備紹介には、容量70〜200ヘクトリットルの温度管理付きステンレスタンク37基が記されています。区画の違いを残して仕込み、後から組み合わせを決めるための設備です。2021年も区画別に醸造し、翌年1月18日にブレンドを行ったと年別資料にあります。この年の新しいフレンチオーク樽の割合は50%。熟成期間は代表銘柄の一般案内で16〜18か月とされています。収穫とタンク室の挿絵は、公式写真を参考に構図を変えた編集部の再構成イメージです。現地で撮影した記録写真とは区別して掲載しています。

ステンレスタンクと上部の通路が並ぶ醸造室の再構成イメージ
区画ごとの醸造を伝えるタンク室のイメージ。公式の設備写真を参考に再構成したもので、現地の記録写真ではありません(画像: Wine Bazaar編集部オリジナル(公式写真を参考に再構成))

代表的なワイン

Château d’Issan 2021(シャトー・ディッサン/今回のAmazon掲載商品)

今回確認した商品は、2021年の赤ワイン、750mlの単品です。公式資料のブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー30%、カベルネ・フラン2%、マルベック2%、プティ・ヴェルド1%。収穫期間は9月27日から10月9日まででした。生産者は初期の試飲で、凝縮感とタンニンのしなやかさの釣り合いを評価しています。これは生産者の記録で、編集部の実飲評価ではありません。掲載した1989年のボトル写真とは収穫年が異なるため、購入時は商品名の2021と容量を確認してください。

Blason d’Issan(ブラゾン・ディッサン)

1995年から造るセカンドワインです。マルゴーの若い樹の果実を使い、生産者は丸みのある果実味と、比較的早くから楽しめる親しみやすさを紹介しています。2021年はメルロー52%、カベルネ・ソーヴィニヨン46%、プティ・ヴェルド2%で、新樽は35%。同じ年のシャトー・ディッサンと比べると、メルローの比率が高いことが分かります。今回の購入リンクは、このブラゾンではなく代表銘柄の2021年です。

Moulin d’Issan(ムーラン・ディッサン)

ジロンド河口に近い粘土石灰質の区画から造る赤です。原産地呼称はボルドー・シュペリュール。マルゴーの2銘柄とは畑も呼称も異なります。名前は畑の中に残る17世紀の風車に由来し、1988年から販売されています。メルローを主体に、果実味とやわらかさを生かす方向のワインで、生産者の一般案内ではメルローが通常90%を占めるとされています。特定の収穫年を選ぶ際には、その年のブレンドを確かめたいところです。

金色のラベルを付けた1989年のディッサンのボトル
シャトー・ディッサン1989のボトル資料。Amazon掲載の2021年とは収穫年が異なります(画像: Geographer / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

ワイナリーの歴史

ディッサンという名前は、1575年から代々この土地を受け継いだデスノー家の名を縮めたものと、公式の歴史で紹介されています。今の館は17世紀に建てられ、門や塔、堀に古い城の面影を残しています。1945年にクリューズ家が取得した後は、建物の修復と畑の植え替え、設備の近代化が進みました。リオネル・クリューズに続き、息子のエマニュエルも1998年以降、畑と醸造所への投資を重ねています。掲載した古い版画と2011年の写真では、館や堀の姿を見比べられます。現在は予約制の見学があり、歴史的な畑、醸造設備、熟成庫を巡って試飲する内容です。訪問時は公式ページで日程と言語、試飲する銘柄を確認しておきましょう。

シャトー・ディッサンを写真で見る

塔と堀のあるディッサンの古い版画
古い版画に描かれたディッサン。現在の外観を撮影した写真ではありません(画像: 作者不詳/Wikimedia Commons / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
アーチ形の門と赤い屋根を持つ石造りの建物
ディッサンの門を正面から見た2011年の写真(画像: Unozoe / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
緑色の水面に囲まれた石壁と円塔
2011年の堀と囲い壁。水辺に立つ丸い塔が城館の歴史を伝えます(画像: Unozoe / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
館の絵と1979の収穫年が記されたラベル
1979年のラベル資料。館の図柄を確認できます。今回のAmazon商品は2021年です(画像: Abxbay / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

シャトー・ディッサンのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

シャトー・ディッサンの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

シャトー・ディッサン 2021 赤 750ml

シャトー・ディッサンらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

シャトー・ディッサン 2021 赤 750mlをAmazonで見る

まとめ

シャトー・ディッサンは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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