シャトー・クリマンを中央に置いた黄金色のソーテルヌとバルサックのボトル群
ワイナリー

シャトー・クリマン

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シャトー・クリマン(Château Climens)は、フランス・ボルドー地方バルサックを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・クリマンの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

シャトー・クリマンを中央に置いた黄金色のソーテルヌとバルサックのボトル群
格付けソーテルヌ=バルサックのボトル群。中央にはシャトー・クリマンが写り、黄金色のワインと地域の多様なラベルを一望できます(画像: Pascal Moulin / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

シャトー・クリマンとは

産地とスタイル

シャトー・クリマンは、フランス・ボルドー地方バルサックの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

シャトー・クリマン1949年の古びたプルミエ・クリュ・バルサックのラベル
1949年シャトー・クリマンのラベル。バルサックのアペラシオンとプルミエ・クリュの表記に、長期熟成を重ねる甘口ワインの歴史が刻まれています(画像: Murgh / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain

評価される理由

シャトー・クリマンは、バルサックの台地に約32ヘクタールの一続きの畑を持つ、1855年格付けのプルミエ・クリュです。畑はセミヨン100%。表土は厚さ50センチ未満の赤い粘土質・鉄分を含む砂で、その下にヒトデの化石を含む亀裂の入った石灰岩が広がります。石灰岩の空洞と亀裂が水はけと水分保持を両立させ、完熟と貴腐が生む豊かさに、バルサックらしい鮮度と縦方向の張りを与えます。シロン川とガロンヌ川が生む朝霧、午後の日差し、セミヨン、石灰岩という四つの要素を、重さではなく純度と余韻へまとめる点がクリマンの個性です。

ワインづくりのこだわり

畑全体では2010年からバイオダイナミック農法へ移行し、公式サイトはグラン・ヴァンについて2014年からのBiodyvin認証、辛口ワインについてDemeter認証を案内しています。貴腐ワインは熟した房を一度に収穫せず、状態のよい粒を選びながら複数回に分けて摘むため、収量は小さくなります。グラン・ヴァンは小ロットでフレンチオーク樽発酵し、毎年30〜40%を更新する樽で20〜22か月熟成。甘さを前面に押し出すのではなく、貴腐由来の柑橘、花、蜂蜜、スパイスの層を、石灰質土壌から来る緊張感で整えます。辛口のアスフォデルはコンクリート槽で醸造して9か月、リリウムは220リットルのガラス製Wineglobeで細かな澱とともに8か月熟成し、同じセミヨンと土地を異なる器で表現します。

ソーテルヌ地方の静かな熟成庫に二段で並ぶフレンチオーク樽
近隣ソーテルヌのシャトー・ド・マルにある樽熟成庫。小ロットをフレンチオークで育てるクリマンの工程を、地域の現代的なセラー風景からイメージできます(画像: Jefunky / CC0) Wikimedia Commons / CC0

代表的なワイン

Château Climens

バルサック/ソーテルヌのプルミエ・クリュで、セミヨン100%の貴腐甘口白です。赤い砂と亀裂の入った石灰岩、朝霧と午後の日差しが育てた果実を小ロットで醸造し、20〜22か月樽熟成。柑橘の皮、白い花、蜂蜜、スパイスを思わせる複雑さと、甘口でありながら輪郭を失わない鮮度が軸です。Amazonでは2016年750mlの直販商品ページを確認し、残り17点の在庫表示、カート、今すぐ買うの購入導線がありました。

Asphodèle

2018年に誕生した、シャトー史上初の辛口白です。自社畑のセミヨン100%をコンクリート槽で醸造し、9か月熟成。樽香よりも、赤い粘土質砂と石灰岩がつくる張り、柑橘、白い花、細かな塩味を思わせる余韻へ焦点を合わせています。名称は石灰質土壌に咲く野生のユリ、アスフォデルに由来します。

Lilium

白百合を意味する名を持つ、セミヨン100%の辛口白です。圧搾時に選んだ果汁を220リットルのガラス製Wineglobeに入れ、細かな澱とともに8か月熟成。ガラスは樽の香りを加えないため、白い花、核果、柑橘、フェンネルを思わせる香りと、滑らかな質感、石灰質らしい透明感を比べられます。

Petite Lily

クリマンの辛口白を親しみやすく知る入口として設計されたセミヨン100%のキュヴェです。低温で清澄した果汁をステンレスタンクで野生酵母発酵し、細かな澱とともに8か月熟成。若いうちから飲みやすい果実味を保ちながら、オー・バルサックの石灰質土壌とセミヨンの繊細さを軽快に伝えます。

深い琥珀色に熟成した1981年ソーテルヌのボトルとグラス
1981年のソーテルヌをボトルとグラスで比べる一枚。熟成により深まる琥珀色は、クリマンを時間とともに楽しむ文脈にもつながります(画像: Tangopaso / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain

ワイナリーの歴史

クリマンの名が文書に初めて現れるのは1547年で、ギロー・ロボレルが父から土地を継いだ記録が残ります。ロボレル・ド・クリマン家は約250年にわたり畑を築き、17世紀には平屋のシャルトルーズ様式の館が整えられました。1802年にボルドー商人ジャン・ビノーが取得し、1855年にはエロワ・ラコストの時代にソーテルヌ=バルサックのプルミエ・クリュへ格付けされます。1885年から約1世紀はグヌイユ家、1971年からはリュシアン・リュルトンが所有し、1992年に娘ベレニスが運営を継承。2010年にバイオダイナミックへ転換し、2018年には歴史上初の辛口白アスフォデルを生みました。2022年にモワトリ家が取得し、長く技術責任者を務めるフレデリック・ニヴェルらのチームとともに、甘口と辛口の両面からクリマンの石灰質テロワールを表現しています。

シャトー・クリマンを写真で見る

バルサックの畑で貴腐が進み琥珀色にしぼんだ白ブドウの房
同じバルサックのシャトー・ドワジィ・ヴェドリーヌで実った貴腐ブドウ。粒ごとに進むボトリティスの状態を見ながら収穫する地域の仕事を伝えます(画像: Megan Mallen / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
1893年に描かれた二つの塔を持つシャトー・クリマンの正面外観
1893年版『Bordeaux et ses vins』に掲載されたシャトー・クリマン。左右の塔と低い館、正面の庭が、長く受け継がれたバルサックの屋敷を伝えます(画像: Eugène Vergez / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
野生のユリを想起させるシャトー・クリマンのアスフォデル2022年ラベル
シャトー・クリマンの辛口白アスフォデル2022のラベル。石灰質土壌に咲く野生のユリを名にした、セミヨン100%の新しい表現です(画像: ChâteauClimens / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
白百合をモチーフにしたシャトー・クリマンのリリウム2022年ラベル
ガラス製Wineglobeで熟成する辛口白リリウム2022のラベル。白百合を意味する名が、純度を重視するキュヴェの方向性を示します(画像: ChâteauClimens / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
バルサックの畑で葉の間に実る淡い黄緑色のセミヨンの房
同じバルサックで育つ健全なセミヨンの房。クリマンが畑を100%この品種で構成し、甘口と辛口の両方を造る出発点です(画像: Megan Mallen / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
明るい黄金色のバルサック甘口白ワインを注いだ細身のグラス
近隣シャトーのバルサックをグラスに注いだ試飲風景。黄金色、粘性、香りの立ち方を確かめながら、甘味と鮮度の均衡を読む地域の味わい方です(画像: Megan Mallen / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0

シャトー・クリマンのおすすめワイン

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シャトー・クリマンの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

シャトー・クリマン 2016 750ml ソーテルヌ第1級 バルサック

シャトー・クリマンらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

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まとめ

シャトー・クリマンは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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