アール・ヴァルポルツハイム／アールタールの気候・風土
アール・ヴァルポルツハイム／アールタール地区があるアール地方は、アイフェル山系を流れるアール川沿いに位置する。ぶどうは、アール渓谷の急斜面で栽培されている。
アール地方は、北緯50度付近に位置しているものの、年間平均気温は9.5度と地中海に似た穏やかな気候。また、年間平均降水量が650mmと非常に少ない上、日照時間は年間1500時間と長く、ぶどうの栽培に適している。
この地区の土壌は、粘板岩、黄土、砂利、火山岩石、硬砂岩からなる。この土壌は、熱を溜めやすく、気温が下がる夜間にもぶどうに適度な熱を与え続けることができる。
アール・ヴァルポルツハイム／アールタールのワインの特徴
アール・ヴァルポルツハイム／アールタール地区のぶどう栽培地は530haと、ドイツのワイン生産地の中では狭い方だ。
この地区では赤ワインの生産が盛んで、生産されるワインのおよそ70％が赤ワイン。赤ワインは主に、シュペートブルグンダー種やポルトギーザ種といったふどうからつくられている。
色は明るく、ベリーの香りを持ち、飲みやすい。白ワインは主に、リースリング種からつくられている。
エピソード
アール・ヴァルポルツハイム／アールタール地区では、2世紀からワインがつくられている。ドイツワイン発祥の地とされるモーゼル川沿いで、ワインがつくられ始めたのとほぼ同時期だ。
個人が、小規模な農園でぶどうをつくってきたため、農民組合組織が発達。1868年に創立された世界最古の組合組織が健在する。その組合の中央醸造所が同地区のマイショスに、国営醸造所がマリエンタールの修道院跡にある。
その他にも、アール・ヴァルポルツハイム／アールタール地区は、観光用の「赤いワイン散歩道」が整備されていることで有名。赤ワインの産地として知られているが、生産量が少ないため、同地区のワインの多くは地元で消費されてしまう。残念ながら、国外ではあまり目にできないワインだ。
アール・ヴァルポルツハイム／アールタールの代表的なワイン
クーベーアー、シュペートブルグンダー／ヴァルポルツハイマー クロスターエルグ
トゥロッケンベーレンアウスレーゼ、シュペートブルグンダー／マリネンターラー クロスターガルテン
ベーレンアウスレーゼ、シュペートブルグンダー／マリネンターラー クロスターガルテン
カビネット、シュペートブルグンダー／デルナウアー ハルツベルク
