フィトゥーの気候・風土
フィトゥーは、フランス南部にあるラングドック・ルーション地方のオード県南西部に位置する。9カ村で構成される赤ワインの地区名AOCで、同地方のコルビエールAOCの広大な生産地区に囲まれ、地中海沿いの「フィトゥー・マリティム」と24km離れた内陸部の「フィトゥー・モンターニュー(オー・フィトゥー)」の2地区に分かれている。
“130605-Fitou-02” by BlueBreezeWiki – Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.
土壌は場所によってさまざまで、ルカト湖周辺の緩やかな斜面にある沿岸地区は主に粘土石灰質。コルビエール山麓の南東に広がる内陸部は痩せた片岩(シスト)の土壌となる。
温暖な地中海性気候だが、内陸部では山からの冷たい風が吹き、乾燥した気候となる。そのため、ブドウの樹が病気になりにくく、農薬を使わずにオーガニック栽培を行う生産者も多い。
フィトゥーのワインの特徴
フィトゥーで製造されるのは赤ワインのみで、赤ぶどう品種のカリニャン、グルナッシュ、ムールヴェードル、シラーで製造される。
メインに用いられるのは、同地域特有の品種であるカリニャンとグルナッシュで、濃いルビー色と重厚な味わいを持つ赤ワインに仕上げられている。
フィトゥー・マリティムは、ムルヴェードルが10%程度加えられ、フルーティでまろやかな味わい。一方、内陸部のオー・フィトゥーには10%程度のシラーが加えられ、野生的で力強い味わいの後、凝縮された果実の香りが余韻として続く。
エピソード
フィトゥーは、1948年にAOCとして認められた。ラングドック地方では最も古いAOCで、同地域の中でも最高のワインとして市場でも名高い。
フィトゥーの代表的なワイン
・ドメーヌ・ベルトラン=ベルジュ・フィトゥ・レ・メガリト(ラングドック)
・ドメーヌ・ベルトラン=ベルジュ・フィトー・オリジーヌ
・ドメーヌ・ベルトラン=ベルジュ・フィトゥ・キュヴェ・ジャン・シルヴァン
・ドメーヌ・ベルトラン=ベルジュ・フィトー・キュヴェ・アンセストラル