ブドウ畑の向こうにシャトー・ポンテ・カネの建物が見えるポイヤックの風景
ワイナリー

シャトー・ポンテ・カネ

シャトー・ポンテ・カネ(Château Pontet-Canet)は、フランス・ボルドー地方メドック地区ポイヤックを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、シャトー・ポンテ・カネの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

ブドウ畑の向こうにシャトー・ポンテ・カネの建物が見えるポイヤックの風景
ポイヤックのブドウ畑越しに望むシャトー・ポンテ・カネ(画像: Gilles Messian / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0

シャトー・ポンテ・カネとは

産地とスタイル

シャトー・ポンテ・カネは、フランス・ボルドー地方メドック地区ポイヤックの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

砂利の多いブドウ畑の列でペルシュロン種の馬と作業員が土を耕す様子
公式の馬による畑作業と砂利質の台地を参考に、隣の列から作業を見守る構図へ変えて制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

評価される理由

ポイヤックのメドック格付け第5級シャトーで、81ヘクタール、約100区画、約80万本のブドウ樹を擁します。中心となる台地は石灰岩の基盤をガロンヌ川由来の砂利が覆い、水はけのよい痩せた土壌がカベルネ・ソーヴィニヨンの骨格と精密さを支えます。1940年代末に植えた古樹を含み、畑の平均樹齢は約50年です。大規模な格付けシャトーとして早くから有機・ビオディナミ栽培へ踏み出し、畑とワインを一体で考える姿勢を打ち出しています。

ワインづくりのこだわり

2004年にメルロの14ヘクタールでビオディナミ栽培を試し、翌年には全畑へ拡大。2010年に有機とビオディナミの認証を受けました。2008年からは重い機械による土壌の踏み固めを避けるため馬を導入し、長く伸びた枝は機械で刈り込まず手で編み込みます。醸造所では2017年以降、房を一つずつ選別・除梗し、重力で静かに槽へ落とす方式を採用。熟成は新樽、1年使用樽、畑の砂利に含まれる微細なシリカを使ったコンクリート製ドリアを組み合わせ、16〜18か月かけて果実とテロワールの輪郭を整えます。

収穫した黒ブドウを手作業で選別し、下の発酵槽へ静かに落とす醸造作業
公式の房ごとの選別と重力移送を参考に、作業する手元を斜め上から捉える構図へ変えて制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

代表的なワイン

Château Pontet-Canet

カベルネ・ソーヴィニヨンを軸に、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドを組み合わせるポイヤックのグラン・ヴァンです。2019年はカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロ30%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド2%。黒に近い濃い色調から、グラファイト、杉、野生の黒い果実、ほのかな煙の香りが広がり、柔らかなタンニンと伸びのある酸が長い余韻をつくります。若いうちは十分な空気に触れさせ、熟成肉やロースト料理と合わせると奥行きを捉えやすい一本です。

窓辺の木のテーブルで赤ワインをローストラムとキノコ料理に合わせる食卓
2019年公式テイスティングノートを参考に、無銘のボトルと赤ワインをロースト料理に合わせる別場面として制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

ワイナリーの歴史

ジャン=フランソワ・ド・ポンテが1705年にポイヤック北部の土地をまとめ、1757年にカネと呼ばれる地所を取得。1781年に両名を結んだポンテ・カネの名が生まれました。1855年のメドック格付けでグラン・クリュ・クラッセとなり、1865年にはボルドーのネゴシアン、アンリ・エルマン・クルーズが取得。1895年にシャルル・スカウィンスキが革新的な木製発酵槽のセラーを整備しました。1975年にギー・テスロンが購入し、1994年からアルフレッド・テスロン、2015年から娘のジュスティーヌも運営に加わっています。約3世紀の間に所有したのは3家族だけという継続性も特徴です。

シャトー・ポンテ・カネを写真で見る

淡い砂利の質感を持つコンクリート製ドリアと奥にオーク樽が並ぶ熟成庫
公式のアンフォラ醸造庫とコンクリート製ドリアを参考に、樽へ続く側廊から見通す構図へ変えて制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)
1860年代のシャトー・ポンテ・カネの建物と周囲を写した歴史写真
1860年代に撮影されたシャトー・ポンテ・カネの歴史的景観(画像: Alfred Danflou / Rijksmuseum / CC0) Wikimedia Commons / CC0
19世紀末のシャトー・ポンテ・カネとブドウ畑を描いた歴史的な版画
1898年刊『Bordeaux et ses vins』に掲載されたシャトー・ポンテ・カネの図版(画像: Eugène Vergez / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
シャトー・ポンテ・カネ1947年ヴィンテージのワインラベル
シャトー・ポンテ・カネ1947年ヴィンテージの歴史的ラベル(画像: Murgh / Public domain) Wikimedia Commons / Public domain
セラーで埃をまとったシャトー・ポンテ・カネ1995年のボトル
熟成を重ねたシャトー・ポンテ・カネ1995年ヴィンテージのボトル(画像: IseFire / CC BY 2.0) Wikimedia Commons / CC BY 2.0
シャトー・ポンテ・カネの建物と周辺を描いた歴史的なカラー図版
シャルル・ラルマンが描いたシャトー・ポンテ・カネの歴史的図版(画像: Charles Lallemand / CC0) Wikimedia Commons / CC0

シャトー・ポンテ・カネのおすすめワイン

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シャトー・ポンテ・カネの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

Château Pontet-Canet 2019 750ml

シャトー・ポンテ・カネらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

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まとめ

シャトー・ポンテ・カネは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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編集情報

この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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