石灰質の乾いた斜面に古いムールヴェードルの株と石垣が連なるバンドールの畑
ワイナリー

ドメーヌ・タンピエ

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ドメーヌ・タンピエ(Domaine Tempier)は、フランス・プロヴァンス地方バンドールを代表する造り手のひとつです。名前は聞いたことがあっても、どんな土地で、どのような考え方のもとにワインを造っているのかまでは意外と整理しにくいものです。

この記事では、ドメーヌ・タンピエの特徴、ワインづくり、代表的なワイン、歴史を分かりやすく紹介します。造り手の背景を知っておくと、ラベルだけでは見えにくい味わいの方向性や価格の理由も理解しやすくなります。

石灰質の乾いた斜面に古いムールヴェードルの株と石垣が連なるバンドールの畑
公式のバンドール畑とムールヴェードルの写真を参考に、石垣に沿う低い視点へ構図を変えて制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

ドメーヌ・タンピエとは

産地とスタイル

ドメーヌ・タンピエは、フランス・プロヴァンス地方バンドールの風土と深く結びついたワイナリーです。産地の気候、土壌、品種の個性を生かしながら、その地域らしさが伝わるワインを生み出しています。

バンドールの畑でムールヴェードルを手摘みし黒い収穫箱へ集める作業
公式の手摘み収穫写真を参考に、手元と黒ブドウを中心とする別場面として制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

評価される理由

プロヴァンスの海沿いから少し内陸へ入ったル・プラン・デュ・カステレに本拠を置き、バンドールの丘陵に約60ヘクタールの畑を耕す家族経営のドメーヌです。粘土石灰質、砂岩、泥灰土、ドロマイトなどが入り組む区画を、ラ・バスティード、ラ・ミグア、ラ・トゥルティーヌ、カバサウといった異なるテロワールとして見極めます。地中海の陽光と海風、ミストラルの影響を受けながら、ムールヴェードルの力強さを重さだけにせず、野性味、鮮度、きめ細かな余韻へつなげるのが持ち味です。日々の運営はダニエル・ラヴィエを中心とするチームが担い、ペイロー家が重要な方針を決めています。

ワインづくりのこだわり

畑では土を耕し、マッサル・セレクションによる接ぎ木など手作業を重ね、自然な方法と有機的な栽培を基本にしています。収穫は手摘みで、畑とセラーの二段階で選果。赤ワインは除梗・破砕後、土着酵母を生かしてコンクリート槽で3〜4週間発酵させます。キュヴェ・クラシックや単一区画の赤は大型のオーク樽で最低18か月熟成し、濃縮感だけでなくムールヴェードルの香り、タンニン、熟成力を整えます。ロゼは低温で澱引きした果汁をステンレスまたはコンクリートで発酵し、白はタンクと大樽を使うなど、色と区画に合わせて方法を変えています。瓶詰めまでドメーヌ内で行います。

バンドールの醸造所で黒ブドウから葉や傷んだ実を手作業で取り除く選果台
公式の選果とコンクリート槽の写真を参考に、槽へ続く選果台を斜めに見渡す構図で制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

代表的なワイン

Lulu & Lucien Rouge(Cuvée Classique Rouge)

ドメーヌ周辺を中心とする複数区画を組み合わせる基幹の赤。ムールヴェードル約75%にグルナッシュ、サンソー、少量のカリニャンとシラーを合わせ、35〜40年ほどの樹齢のブドウを用います。大型樽で最低18か月熟成し、若いうちは黒い果実とスパイス、熟成とともにタバコや革を思わせる複雑さを見せます。今回のAmazon掲載商品にあたるキュヴェです。

Bandol Rosé

ムールヴェードル約50%にグルナッシュとサンソーを合わせるロゼ。果皮浸漬または直接圧搾を使い分け、ステンレスやコンクリートで発酵させます。張りのある骨格と鮮度、プロヴァンスのハーブや柑橘を思わせる余韻を備え、若いうちだけでなく数年の熟成にも応えるスタイルです。

Bandol Blanc

クレレット60%、ユニ・ブラン30%を中心に、ロール、ブールブーラン、マルサンヌを補う白。標高約300メートル、東から南東向きで涼しいラ・レディエールの砂質泥灰土が、白い果実とハーブ、海を思わせる塩味のある鮮度をもたらします。

Cuvée La Migoua

標高約300メートルの険しいボセ・ヴュー斜面に散在する11ヘクタールから生まれる赤。ムールヴェードル55%を軸にサンソー約25%、グルナッシュ約15%、シラーを合わせます。石灰岩、ドロマイトなどが複雑に反転する地質を背景に、野性味のある香り、赤い果実、しなやかな躍動感を表します。

Cuvée La Tourtine

朝から夕方まで日を受け、強い風が通る5.5ヘクタールの南向き斜面の赤。ムールヴェードル約85%にグルナッシュとサンソーを合わせます。砂岩とサントニアン期の泥灰土、粘土を含む深い土壌から、力強さとエレガンスを兼ね備え、長く伸びるタンニンと熟成力を持つワインになります。

Cuvée Cabassaou

ラ・トゥルティーヌ下部、ミストラルから守られたわずか1.5ヘクタールの温暖な区画から造る希少な赤。樹齢60年以上のムールヴェードルを92〜94%使用し、シラーと少量のサンソーを補います。低収量ならではの密度、引き締まった骨格、深いスパイス感を備え、10年以上の熟成を前提に楽しめます。

ブドウ畑を望む木のテーブルで赤ワインをラム料理と焼き野菜に合わせる食卓
公式のボトルとカバサウの景観を参考に、無銘のボトルと赤ワインをプロヴァンス料理に合わせる別場面として制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)

ワイナリーの歴史

ドメーヌはルイ15世の時代にはすでに存在し、現在のバスティードは1834年に建てられ、1885年に最初の金メダルを得ました。フィロキセラ後にはレオニー・タンピエが接ぎ木苗で畑を再建。1940年にルーシー・タンピエと夫リュシアン・ペイローが移り住み、バンドール復興の中心となりました。1941年にバンドールAOCが成立し、1943年に最初のロゼ、1951年に最初の赤を瓶詰め。リュシアンはムールヴェードルを核とする長期熟成型バンドールの価値を訴え続けました。1960年代には息子たちがラ・トゥルティーヌ、ラ・ミグア、のちのカバサウを別々に醸造し、1968年には大型樽で長く熟成する新しいセラーを建設。現在もペイロー家が世代を超えてドメーヌを見守っています。

ドメーヌ・タンピエを写真で見る

薄暗い熟成庫に大きさと色合いの異なる大型オーク樽が並ぶ様子
公式の大型樽熟成庫を参考に、反対側の入口から樽列を見通す構図へ変えて制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)
素朴な木の試飲台にロゼ、白、赤のグラスと無銘のボトルが並ぶテイスティングルーム
公式の大型樽熟成庫とボトルを参考に、素朴な試飲カウンターからセラーを望む構図で制作したWine Bazaar編集部のイメージ(画像: Wine Bazaar編集部)
プロヴァンスの丘上に石造りのル・カステレの村が見える風景
ドメーヌの本拠ル・プラン・デュ・カステレに近い、丘上のル・カステレを望む景観(画像: Thérèse Gaigé / CC BY-SA 4.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
地中海沿岸のバンドール港にヨットと町並みが広がるパノラマ
古くから地域のワインを船で送り出し、産地名の由来にもなったバンドールの港(画像: Walpole / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
ブドウ樹に実る熟した黒ブドウ品種ムールヴェードルの房
ドメーヌ・タンピエとバンドールの個性を支える主要品種ムールヴェードルの房(画像: Agne27 / CC BY-SA 3.0) Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

ドメーヌ・タンピエのおすすめワイン

この記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。

ドメーヌ・タンピエの味わいを知るなら、まずは代表的な銘柄から選ぶのがおすすめです。

Domaine Tempier Bandol Rouge Lulu et Lucien 2021 750ml

ドメーヌ・タンピエらしさを感じやすい1本として、ヴィンテージや販売者、配送条件を確認しながら選びたい候補です。

Domaine Tempier Bandol Rouge Lulu et Lucien 2021 750mlをAmazonで見る

まとめ

ドメーヌ・タンピエは、フランスのワインを知るうえで押さえておきたい造り手です。産地の個性、歴史、代表的なワインを知っておくと、ボトルを選ぶときの判断材料が増えます。まずは代表的なキュヴェのスタイルを確認し、料理や熟成感の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

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この記事はWine Bazaar編集部が、公開情報・取材情報・商品情報を確認し、読者がワインを選びやすくなることを目的に作成しています。内容は必要に応じて更新します。

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