シュール・ダルク
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地中海沿岸、ラングドック・ルーション地方は地中海性気候の暑い地域が多いためワインづくりに適しており、古代から生産が行われている。かつては安価なワインの生産地が多数を占めていたが、生産家の努力により品質は近年向上している。
主な生産地としては、北部ラングドックではコトー・ド・ランクドックやサン・シニアン、南部ではコルビエールやリムー、スペイン国境近くのルーションではコート・デュ・ルーションやバニュルス、コリウールがある。土壌はシスト(片岩)土壌や石灰岩質が多い。
地域全体で見ると、グルナッシュ種やシラー種による赤ワインの生産地が多い。白ワインとしては、ラングドック地区で生産される天然甘口ワインのヴァン・ドゥ・ナチュレ(VDN)やヴァン・ドゥ・リクール(VDL)がある。
【ラングドック・ルーション地区の生産地区分】
<コスティエール・ド・ニーム>
ローヌ川西岸、ニームを中心とした23の村からなる。カリニャン種による赤の生産量が多い。近年ではスパイシーなワインに混じって、シラー種による甘口の赤もつくられている。かつては安価なワインの産地だったが、近年は品質が向上しつつある。
<ラングドック(コトー・ド・ランクドック)>
5県にまたがる広大な産地。グルナッシュ種をはじめ、たくさんさまざまな品種ののぶどう品種が栽培されている。近年の品質の向上もあり、2007年の政令によって多数のACに細分化された。
<フォジェール>
エロー県中央にあるフォジェール村を中心とした、周囲7村で構成される。山間部にあるため日較差が大きい。シャトーでは、としてドメーヌ・レオン・バラルが有名。
<サン・シニアン>
オード県西部の山麓地帯に位置する。赤ワインは混醸によるアルコール度の高いもので、マセラシオンカルボニック製法による香り高いワインとなる。
白ワインもつくられ、上級AOCにとしてサン・シニアン・ベルルーや、サン・シニアン・ロクブランがある。
<ミネルヴォワ>
モンターニュ・ノワールの山麓沿いに位置する。生産量の95%以上が赤。グルナッシュ種、シラー種、ムールヴェードル種による若飲みタイプ。単独の赤ワインAOCとして、1999年に認可されたミネルヴォワ・ラ・リヴィニエールがある。
<カバルデス>
1999年にAOCに昇格。オード県北西部、カルカソンヌの北に広がる18のヶ村からなる。生産量のほとんどが大半を赤ワインが占める。南仏品種とボルドー品種の混醸が義務付けられている。
<コルビエール>
オード県の11地区、海沿いの丘陵部に展開する広大な生産地。混醸による若飲みタイプの赤がほとんど。2005年、コルビエール・ブトナックが赤ワインAOCとして独立昇格した。
<フィトゥー>
地中海沿いと内陸部の2箇所に分かれている。それぞれ土壌は粘土石灰質、片岩土壌となる。カリニャン種やグルナッシュ種による赤のみが生産。
<リムー>
コルビエール山脈の裾野にある。標高が高いため比較的冷涼。シャルドネ種やモーザック種による発泡ワインが生産される。
<マルペール>
ラングドック・ルーション地方の最西端にある。地中海と大西洋の間に位置するため、大西洋の影響を受け気候はやや穏やか。
メルロー種による赤、カベルネ・フラン種によるロゼが主に生産される。ボルドー品種が主原料のためフランス南西部のワインに近い味わいとなる。酸度は低め。
<モーリー>
ラングドックとルーションの境に位置する。コルビエール、ピレネーという2つの山に挟まれた地域だが地中海性気候に属する。
赤と白の天然甘口ワインに加え、グルナッシュ種による辛口の赤ワインもあり、近年AOCとして認められた。
<リヴザルト/ミュスカ・ドゥ・リヴザルト>
ラングドックとルーション地方の間、ルーション東部の86村とフィトゥー地区の9村を含む広大な産地。ぶどう畑の耕地面積は8000haにも及ぶ。ミュスカ・ドゥ・リヴザルトはミュスカ種100%でつくられるVDNの産地。
<バニュルス>
ルーション地方南部、地中海に面したスペイン国境に接する。グルナッシュ種を主原料とし、酒精を強化した甘口のワインがつくられる。
<コート・デュ・ルーション>
ルーション全体を指すAOC。かつては安価なテーブルワインの産地だったが、1970年ごろから品質が向上し上質なワインもつくられるようになった。赤ワインがメイン。
<コリウール>
生産地域はバニュルスと同一。酒精強化ワインという点も同じだが、こちらは非発泡性のやや辛口のワインとなる。
<ミュスカ・ド・フロンティニャン>
セートから5km、ガルディオール山脈と地中海の間に位置する。ラングドック地方にある4つのVDN産地ではもっとも有名で生産量も多い。VDLを生産している唯一の地区でもある。
<ミュスカ・ド・リュネル>
ニームとモンペリエの間に位置する。土壌は第四期洪積層の粘土石灰質。当地域を含む以下3地域ではVDNのみが生産される。
<ミュスカ・ド・ミルヴァル>
モンペリエの町の南、地中海沿岸に位置する。てんとう虫の図案を用いた カーヴ・ド・ラブレーが有名。ワインの名は、この地を愛した文豪ラブレーに因んで名付けられた。
<ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ>
ナルボンヌの北西、オード川流域に位置する。この地に吹く強風はトラモンターニュと呼ばれ、ぶどうに頑強さを与える。白ワインのみのAOC。
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