山梨県の関連カテゴリ

山梨県は中部地方に位置する。同地方の中で、長野県・岐阜県および北陸4県は日本海の影響を強く受け積雪が多いが、長野県の一部と山梨県は中央高地式気候だ。本州の真ん中にそびえる中央アルプスの山麓では、恵まれた自然を生かした多様な農作物が生産されている。

山梨県は前述の中央アルプスや八ヶ岳など四方を山に囲まれ、海には面していない。全体面積の8割近くを山岳地の森林が占め、可住面積は少ない。

年間の日照時間が全国平均より400時間ほども長く、その利点を生かして中央に位置する盆地では、ぶどう、桃、さくらんぼなどが多く生産されている。盆地部の寒暖差は激しく、冬は八ヶ岳からの寒風が吹き下ろすが、積雪は少ない。

山梨県内には国内で最多のワイナリーがあり、土地の利を生かし色々なぶどう品種を用いてワインの醸造を手掛けている。

最も多いのは山梨県原産の甲州種を使った白ワインで、近年では国際的にも評価されている。また、良質なヨーロッパ品種の収穫にも成功するワイナリーが多く、今後魅力的なワインがさらに幅広く造られていくだろう。

【山梨県の主な生産地】
<甲州市勝沼町>
日本ワインといえば勝沼、と言われるほどにワイン作りが盛んなエリアだ。勝沼町でワインを作る生産者は30を超える。
明治の殖産興業政策においてワイン醸造が奨励されてから、地域を代表する産業となった。甲州種などが主流ではあるが、ヨーロッパ品種を使用した高品質なワインも多く生産される。
代表的なワイナリーはシャトー・メルシャン、シャトー・勝沼、マンズワイン勝沼ワイナリー、丸藤葡萄酒興業など。老舗・新興ワイナリーの隔たりなく、世界に誇れる日本ワインを作るべく各社が研鑽を重ねている。

<甲州市その他・山梨市>
甲府盆地東部の地域でも、まわりの地域と同じように甲州種とマスカット・ベーリーA種が多く収穫される。また、フランス品種の栽培を試みる生産者も多く、多種多様なワインが醸造されている。
山梨市近辺にも、甲斐ワイナリー、サントネージュ山梨ワイナリー、旭洋酒、奥野田葡萄酒醸造、金井醸造場などのワイナリーが点在する。

<笛吹市>
甲府盆地の中央からやや東に位置する笛吹市でも、ルミエールワイナリー、スズラン酒造工業、笛吹ワイン、日川中央葡萄酒などの多くのワイナリーがワインを生産している。
主力となる銘柄はやはり甲州種とマスカット・ベーリーAだが、ドイツ系品種を使ったワインを作る生産者などもあり、今後さらに広がりが期待される。

<甲府市その他>
甲府市のぶどう栽培は、800年もの歴史があり、甲府市は日本ワイン発祥の地と言われる。
それゆえ歴史の長いワイナリーが多く、明治末期や大正時代にすでにワイン作りを開始していた。代表的なのは甲州種やマスカット・ベーリーA種を使用したワインだが、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネにチャレンジしている生産者も多い。
サドヤワイナリー、サントリー登美の丘ワイナリー、ミサワワイナリー、シャトー酒折、敷島醸造、モンデ酒造、マルスワインなどが腕を競う。