フランス東部ブルゴーニュ地方のコート・ドール県南部にあるワイン産地で、赤ワインと白ワインに認められた村名AOC。生産量は赤ワインが95%を占め、ピノ・ノワールから造られる。5%にあたる白はシャルドネから造られる。
“Vosne-Romanee” by Olivier Vanp? – -. Licensed under CC BY-SA 2.5 via Commons.
1937年にAOC認定を受けた。このAOCはコート・ド・ニュイ地区の中で、独自のAOCを持たない村のワインで、ボーヌに近い南端のプレモの一部の畑、コンブランシアン、コルゴーロワン、北端のフィサンの一部の畑とプロションの5ヶ村がこのAOCを名乗る。ブドウ栽培面積は全体で160ヘクタール程である。
5ヶ村の村が指定地域ではあるが、南端地区と北端地区では当然のことながらワインの特徴は異なり、AOC法上はこれらの村すべての畑のブドウをブレンドする必要はなく、一つの畑のワインから造られることもある。特に、小さなドメーヌ(栽培から醸造まで一貫して行うワイン生産者)が作りだすものには、北側だけまたは南側だけからのブドウの可能性が高い。
??La T?che from above?? par Tomas er ? Travail personnel. Sous licence CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.
このAOCにはグラン・クリュ(特級畑)やプルミエ・クリュ(1級畑)はなく、ワイン法の格としては独立した村名ワインと同等だが、相対的な立場はやや下とみなされる。しかし、独自のAOCを持たない村とはいえ造られている土地が「コート・ドール=黄金の丘」のコート・ド・ニュイ地区に限定されており品質のレベルも決して低くなく、また値段もリーズナブルである。気軽にブルゴーニュのピノ・ノワールを楽しむには適したワインであるといえる。
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュの中でも良いものは、コート・ド・ニュイを名乗るのに相応しい特徴を備えている。それは、しっかりとした色調とタンニン、スパイスや木や土のニュアンスを帯びた果実味などで、最も優れたワインとなると同コート・ド・ニュイ地区の村名ワインのフィサン、ジュヴレィ・シャンベルタンに並ぶとも劣らない品質で、中程度のニュイ・サン・ジョルジュのワインに追いつく品櫃ともされる。