コート・ド・プロヴァンス

コート・ド・プロヴァンスワインの特徴とは

   

気候・風土

コート・ド・プロヴァンスは、フランス南東部の地中海沿岸にあるプロヴァンス地方に位置する。プロヴァンス地方の中央部から東部、マルセイユとニースの間に広がる、非常に広いA.O.C.で、ぶどう栽培地はおよそ2万haとなっている。

最初にVDQSとして原産地呼称が認められたのは1951年のことで、当時は42のコミューンを擁していた。そこから、徐々に産地が広がり、1977年にA.O.C.に認定されたころにはコミューンの数は84となっていた。

同A.O.C.には、モール山脈や渓谷、海岸近くの地域まで含まれているため、さまざまな土壌や微気候が存在し、畑によって異なる。主な産地としてロルグ、ガッサン、ロンドレモール、ルカネデモール、ピエルフ、サントロペ、ゴンファロン、ヴィドーバンなどが挙げられ、バラエティ豊かな気候条件でぶどうを栽培している。共通点としては、どの畑も日照時間が長いため、太陽の恵みを十分に享受することができる。

ロワールは地域によって大きく異なり、北部のシーランズから東部のサントロペ周辺、バンドールやカシスの位置する西部とワインの個性も豊かだ。土壌は主にシリカや石灰岩からなる。

Cotes de Provence between Cuers and Pierrefeu-du-Var2.jpg
By BonvolOwn work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=21876222

ワインの特徴

コート・ド・プロヴァンスは、フランス最大のロゼワインの生産地。プロヴァンス地方で生産されるワインは年間およそ1億6000万本。そのうちのおよそ87%がロゼワイン、10%が赤ワイン、3%が白ワインとなっている。

ロゼワインのぶどう品種はサンソー、グルナッシュムールヴェードルシラー、ティブロンなどが使われる。

一般的に辛口が多く、フルーティーで、澄んだ色をしており、早飲みに適している。色調は赤みよりもサーモンピンクに近い。ピンク・グレープフルーツとラズベリーを足したようなフレッシュで魅惑的な香りが特徴。よく冷やしたものを前菜と共に食前酒として飲むことが多い。サラダや、プロヴァンスで採れたトマトとの相性は最高。また、チーズに合わせる場合はピコドンやペラルドン、フェタチーズといったヤギや羊のチーズとの相性が抜群だ。

赤ワインは、近年品質の向上を図っている。力強いものが多い。白ワインは、ロゼワイン同様、早飲みタイプが多い。

一押しのワイナリー/当たり年

コート・ド・プロヴァンスの生産者のうち、各方面で高い評価を得ている生産者として、シャトー・エスクラン、シャトー・ミラヴァル、シャトー・ミヌティ、ドメーヌ・ド・ラバイエ、ドメーヌス・オットー、エイム・ロクサンテ、ミミ・エン・プロヴァンス、バルトン&ガスティエ、シャトー・モントー、シャトー・サンテ・マルグリット、シャトー・ギャスエール、シャトー・ド・ベルン、ヘクト&バニエールなどが挙げられる。
なお、南フランス地方のワインは2010年、2013年が特に良いとされるが、その他の年も外れはなく、また早飲みタイプのワインが多いため、生産年をあまり気にせず購入ができる。

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エピソード

コート・ド・プロヴァンスは非常に広く、生産量も多いA.O.C.である。そのため、生産者組合がアペラシオンの細分化を求める活動を行った。

その結果、コート・ド・プロヴァンス・サント・ヴィクトワールとコート・ド・プロヴァンス・フレジュスが2005年に、コート・ド・プロヴァンス・ラ・ロンドが2008年に地区名を付記できるA.O.C.として誕生した。

コート・ド・プロヴァンス・サント・ヴィクトワールは、サント・ヴィクトワール山周辺の9村からなる地域で、ロゼと赤ワインを生産している。
コート・ド・プロヴァンス・フレジュスは、海辺のフレジュスなど8村からなる地域で、ロゼと赤ワインを生産している。
コート・ド・プロヴァンス・ラ・ロンドは、ラ・ロンド・レ・モールを中心とする4村からなる地域だ。

代表的なワイン

ミラヴァル・ロゼ/シャトー・ミラヴァル
キュヴェ・マリー・クリスティーヌプロヴァンス・ロゼ/シャトー・ド・ロムラード
コート・ド・プロヴァンス・ロゼ カルト・ノワール /レ・メーテル・ヴィニェロン
ドメーヌ・リショーム カベルネ・ソービニヨン/ドメーヌ・リショーム
ドメーヌ・リショーム キュベ・コリュメル/ドメーヌ・リショーム
クロ・ディエール・キュヴェ/ドメーヌ・ラビエガ

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