マルペールの気候・風土
マルペールは、古くからワインの生産地として有名なフランス南部のラングドック・ルーション地方の最西端にある。地中海と大西洋の間に位置することから、ラングドックの他地域に比べて地中海性気候の特質がやや弱い。大西洋からの影響も受けた、温暖さと厳しさが混じった気候となる。
古代ローマ時代の要塞都市・カルカッソンヌに程近く、小高いマルペールの丘を囲むように広がる39のコミューン、2560haの畑でブドウが栽培されている。土壌は高貴品種に適した粘土石灰質や砂地質。
マルペールのワインの特徴
マルペールで製造されるのは、主に赤ワインとロゼ。ブドウは、メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、サンソー、グルナッシュなどの品種が生産され、赤ワインではメルローを50%以上、カベルネ・フラン、コットの2品種で20%以上となるよう、指定されている。ロゼの比率は、カベルネ・フランが50%以上、カベルネ・ソーヴィニヨン、サンソー、コット、グルナッシュ、メルローで20%以上となる。
ボルドーの品種を最低80%使う必要があるため、その味わいはフランス南西部のワインに近い。口に含むと、イチゴやサクランボ、カシス、カカオの豊かなアロマを感じるが、酸度は低め。
エピソード
マルペールがVDQSからAOCに昇格したのは2007年のこと。その際、名称がコート・ド・ラ・マルペールからマルペールに短縮された。
AOCワイン生産地の中では比較的新しいが、ブドウ栽培自体は1000年ほど前から存在していたとされている。その後、ミディ運河の建築を契機に、17世紀にブドウ栽培が大きく発展した。
マルペールの代表的なワイン
マルペール キュヴェ プレステージ / シャトー・ギレム
コート・ド・ラ・マルペール / ドメーヌ・マチバ
コート・ド・マルペール / ル マ・ド・モン・ペール