ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワワインの特徴とは

   

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワの気候・風土

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ(Muscat de Saint Jean de Minervois)は、フランス南部ラングドック・ルーション地域のワイン生産地だ。スペイン国境近くの町・ナルボンヌの北西に位置する。

ぶどう畑は、セヴェンヌ山脈から流れるオード川の流域に広がっている。気候は地中海性気候で、年中通して気温が高い。

この地に吹く強い風は「トラモンターニュ」と呼ばれ、生育するぶどうに頑強さを与える。土壌は石灰質・粘土質で、場所によって小石や砂岩が混じる。

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワのワインの特徴

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワは天然甘口ワイン(ヴァン・ドゥ・ナチュレ、VDN)の産地としてよく知られている。近隣にもミュスカ・ド・フロンティニャンなどミュスカの名が冠せられたワイン生産地が4カ所あり、これらはいずれもVDNの産地として有名だ。
ミュスカとはフランス語で白ぶどうのこと。VDNの生産にはミュスカ・ブラン・ア・プチ・グランという強い甘味の白ぶどうが用いられる。

VDNのアロマは、はちみつやピーチなどの甘い中にかすかにシトラスが感じられるもので、すっきりとした甘さで飲みやすいのが特徴だ。フランスではアペリティフ(食前酒)として用いられることが多い。

一押しのワイナリー/当たり年

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ(Muscat de Saint Jean de Minervois)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、カーヴ・ド・ヴィニュロン・ドゥ・セプティマニエ(Cave des Vignerons de Septimanie)、ヴィニュロン・デ・ラ・メディタラネ、ジャン・クロード・マス(Jean Claude Mas)などが挙げられる。

ラングドック・ルーション地方のワインは、2010年、2008年、2007年、2006年の出来が良いと評価される。ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワのワインは1000~2000円台くらいの価格で販売され、手軽な値段で手に入るヴァン・ド・ナチュールという位置付けである。

エピソード

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワのワインは、白ワインのみがAOCに認可されている。赤ワインの生産量が多いラングドック地方において、白ワインのみが認可されているAOCは非常に珍しい。

その年の初物VDNを「ミュスカ・ド・ノエル」と呼び、発売が解禁されるのは11月の第3木曜日と定められている。かつてはミュスカ・ド・リヴザルトのみがこの呼称を使うことができたが、2007年からミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワでも使用が認められた。

また、VDNとよく似た名前のワインでヴァン・ドゥ・リクール(VDL)があるが、こちらはサン・ジャン・ド・ミネルヴォワでは生産されていない。VDNとVDLを両方生産しているのはミュスカ・ド・フロンティニャンのみとなっている。

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワの代表的なワイン

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ テール・ド・ミュスカ
ドメーヌ・アストラック / ジャン・クロード・マス
ヴィニュロン・デ・ラ・メディタラネ / カーヴ・ド・ヴィニュロン・ドゥ・セプティマニエ

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