サン・シニアンの気候・風土
南仏ラングドック・ルーション地方の山岳地帯麓にあるサン・シニアンは、この地域では最も古いワイン生産の歴史を持っている。
ラングドック・ルシヨン地方にあるオード県の西部に位置するサン・シニアンは、ローマ時代から開墾されたぶどうの産地。夏は暑く乾燥し、冬は暖かく湿度がある典型的な地中海性気候で、ぶどうの栽培に適している。
ちなみに「サン・シニアン」の名称は、ぶどう畑の近くにあるベネディクト派の僧院に由来したものだ。
サン・シニアンのワインの特徴
使用される主な品種は、カリニヤン、シラー、グルナッシュ、ムールヴェードル、シンソーなどがある。さまざまな品種をブレンドしてつくられる点がサン・シニアンのワインの魅力の1つとなっている。
赤はアルコール度が高く力のある味わいが特徴。ボージョレヌーボの製法として知られるマセラシオン・カルボニック製法でつくられたものはタンニンの抽出を抑え、まろやかで香り高く、爽やかな味わいとなる。
白ワインにも品質の良いものが多く、2005年よりACに認められている。「サン・シニアン・ベルルー」と「サン・シニアン・ロクブラン」という格上のACも存在する。
エピソード
もともとは近くにあったベネディクト派僧院の僧侶がこの地域を開墾してきた。しかし、フランス革命により畑を没収されたため、近郊の栽培家に引き取られ現在に至っている。
ボルドーなどに比べてAOC規制が緩く、自由な発想を求める優秀な醸造家たちがこの地に集まり、サン・シニアンを含めたラングドック・ルシヨン地方全体の技術が向上した。フランス人がワインを飲む機会が増えたことも追い風になって生産量を増やし、今ではラングドック・ルシヨン地方でフランスワインの実に3~4割ほどを生産している。
優雅さと力強さを併せ持つラングドック・ルシヨン地方の土壌とユニークな発想がつくり出すワインは評判を呼び、ローヌやプロヴァンスなどを含めた南仏地域を「フランスのニューワールド」と呼称するようにもなっている。
サン・シニアンの代表的なワイン
サン・シニアン・ロックブラン ラ・グラン・デ・コンブ
サン シニアン ブラン ラガテ ・ ドメーヌ ランベールサン・シニアン・ルージュ
ヴィエイユ・ヴィーニュ
キュヴェ・デ・フェ