カンシー

カンシーワインの特徴とは

   

カンシーの気候・風土

カンシー(Quincy)はフランスロワール地方サントル・ニヴェルネ地区にある。フランス最長のロワール川から少し離れたエリア、シェール川付近に広がる畑でソーヴィニヨン・ブラン種を栽培している。面積は200ha強と狭く、近隣のワイン産地と比べても大変小規模なエリアだ。
カンシー独自のアロマ感漂うさわやかな風味は、ぶどうの樹を育む土に秘密があると言われている。石灰質の土壌の上を小石交じりの砂が覆っている独特な地質。素人目にはあまり栽培に向いていないのでは……と感じてしまう土ではあるが、実はぶどうに適しているのだ。
さらに最も古いぶどう樹は樹齢80年以上。特徴的な大地、そして古くから大切にされてきたぶどうの樹から、唯一無二の風味豊かなワインが製造されている。

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AOC Quincy Domaine Mardon sauvignon 2007” by Fermented Thoughts – http://www.flickr.com/photos/8462802@N03/2818611441/. Licensed under CC BY 2.0 via Wikimedia Commons.

カンシーのワインの特徴

最大の特徴は、製造されているのは白ワインだけだということ。味わいは、南西に20キロほどの地域・サンセール産のワインに似ていると評されることもある。
カンシーはフランスのワイン法におけるAOCアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)に格付けされている。生産地・品種・栽培方法・醸造方法・アルコール度数など厳しく管理されており、合格したものだけが格付けされる仕組み。つまりカンシーは非常に早い時期からワインの国・フランスでも高評価を得ているのだ。
気になる味わいは辛口でしっかりとしたテイスト。ただし、グレープフルーツやミントのようなさわやかなアロマの香りに似ており、意外なほどに飲みやすい。同時にアカシアの花のようなエレガントなアロマも感じ、特に女性から強い支持を得ている。

エピソード

カンシーの歴史は古く、12世紀にはシトー派の修道院で上質なワインが製造されていたようだ。さらに14世紀・アンリ4世の時代に宮廷御用達となり、多くの国民から愛されるワインへと成長していった。
1936年にはA.O.C.を取得。これはアペラシオン発祥の地・シャトーヌフ・デュ・パプに次ぐフランスで2番目という早さだった。そのような背景があるからか、カンシーで生産されるワインの8割を国内で消費し、残った2割が輸出用となっている。古くから品質・味わい共にフランス全土で認められているワインなのだ。

カンシーの代表的なワイン

カンシー ドメーヌ・デュ・トランブレ キュヴェ /スゥセリュス
ドメーヌ・トロテロ―・ヴィエイユ・ヴィーニュ・カンシ―/ドメーヌ・トロテロ―
サンセール・ブラン/エリック・ルイ

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