サン・ニコラ・ド・ブルグイユ

サン・ニコラ・ド・ブルグイユワインの特徴とは

   

サン・ニコラ・ド・ブルグイユの気候・風土

サン・ニコラ・ド・ブルグイユは、フランス最長のロワール河の北部右岸に位置するトゥーレーヌ地区にある。ぶどう畑の面積は2600エイカー(1050ha)ほどだ。

サン・ニコラ・ド・ブルグイユは大西洋からかなり内陸に入った位置にあるが、海洋性気候の影響を受ける。ロワール河とヴィエンヌ川との合流地点にあるため、ロワール河口から大西洋の海風が流れ込んでくるためだ。

Saint-Nicolas-de-Bourgueil

さらにサン・ニコラ・ブルグイユの丘陵斜面は、森で覆われている。そのために、冷たい北風が吹き込むことを遮り、日当たりのよい斜面は比較的温暖な気候となっている。

このエリアのぶどう園は、たいてい砂粒と砂礫層によって構成された古いシルトの台地の上にあり、一部は砂に覆われたチューロニアン期に堆積した白亜の石灰岩がつくる丘陵斜面上に築かれている。

Loire Valley - Bourgeuil

サン・ニコラ・ド・ブルグイユのワインの特徴

収穫量はおおよそ55 hl/ha。栽培されるぶどう品種 はカベルネ・フランがほとんどで、栽培土壌によって特徴が異なる。

サン・ニコラ・ド・ブルグイユでつくられるワインの特徴は、香りの強さ。砂利地のワインはスミレなどの香りであるのに対し、石灰岩地の方はベリー類やリコリス、スパイスの香りが漂う。

これについてワインマスターのクライヴ・コーツは、「鉛筆削りの屑の要素をも持つラズベリーの香り」と表現している。

AOC Saint-nicolas-de-bourgueil

エピソード

サン・ニコラ・ド・ブルグイユのワイン用ブドウ栽培のはじまりは、おそらくローマ時代にまでさかのぼる。1090年にカベルネ・フランがこの地にもたらされたという説もあれば、1152年の近隣地域との政治的つながりの影響からブレトン・グレープ(カベルネ・フラン)がこの地で栽培されるようになったという説もある。いずれにしても、990年設立のブルグイユ修道院のまわりにぶどうの樹を植えたことがきっかけとなり、この地でのぶどう栽培は発展してきた。

イギリスの作家で30年以上もワインについて著すトム・スティーブンソンは、サン・ニコラ・ド・ブルグイユをボトリングした後、飲む前に5~6年寝かせることでワインのピークより長く熟成させ得るという“駆け引き”について記録している。

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