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ミッテルラインは、ライン川中流域に展開するワインの生産地だ。ボンからコブレンツ、バッハラッハを経て、川が北東へと流れを変えるビンゲン・アム・ラインの町までの流域が該当する。

ぶどう畑は、ドイツの大多数の生産地と同じく、急斜面に展開されている。機械による作業が難しく、畑仕事は全て人の手によって行われる。栽培されるぶどうはリースリングが全体のおよそ2/3と、大半を占める。

ミッテルラインのワイン生産地は2つのエリアに分かれる。1つがボン周辺のジーベンゲビルゲ、もう1つがジンツィヒから下流のローレライとなる。割合としては、ローレライがほとんどを占める。

高緯度のため、あまり日照時間が多くないが、ライン川の照り返しを受け、ぶどうの栽培に必要なだけの日照は得られる。

つくられるワインとしては、ジーベンゲビルゲではシュペートブルグンダーによる赤ワイン、ローレライではリースリングによる白ワインがメインとなる。
コブレンツなど世界遺産に登録されている地域が多いため、ミッテルラインのワインが「世界遺産のワイン」と呼ばれることもある。しかし、生産されるワインのほとんどが地元で消費されるため、国外での入手はやや困難。

【ミッテルライン地区の生産地区分】

<ジーベンゲビルゲ>
シュペートブルグンダー種を原料とした赤ワインがメイン。ワイナリーの数はあまり多くない。
「ドラッヘンフェルス」という優良畑があり、ぶどうを食べるブタが描かれたラベルが描かれている。ドラッヘンフェルスは、ドラゴンを退治し不死身となった英雄、ジークフリートの伝説でも知られる。
コブレンツとビンゲンの間の景観は2002年に世界遺産に登録されているため、「世界遺産のワイン」として紹介されることもある。

<ローレライ>
人魚伝説で有名な町。土壌は粘板岩。
リースリング種による白ワインがメイン。地元消費が多く入手は難しい。有力な醸造所に、バッハラッハにあるラッツェンベルガー、トニー・ヨーストなどが挙げられる。