ラインガウの関連カテゴリ

ラインガウは、国際河川であるライン川流域のワイン生産地を指す。ドイツを代表するワインの産地だ。

ドイツには、ラベルに畑の名称の記載が許されるオルツタイルラーゲ(特別畑)が5つあるが、うち4つがこの地域に集中している。(シュロス・ヨハニスベルク、シュロス・フォルラーツ、シュロス・ライヒャルツハウゼン、シュタインベルク)
これらのオルツタイルラーゲのうち3つに、現在は廃業した地域などを含め「2山5城」と呼ぶブランドも存在する。

ベライヒ(生産地区分)は、ヨハニスベルク1つのみとなる。ライン川はマインツにおいて支流マイン川と合流し、流れを北から西へと変える。このマインツ以降、東西に広がる20km近くがラインガウの対象地域だ。
日当たりの関係上、ぶどう畑は全てライン川北岸、南向きの斜面につくられる。

つくられるワインは、ほとんどがリースリング種による白ワインとなる。赤ワインでは、アスマンスハウゼン村、エバーバッハ修道院のシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)種によるものが有名。

また、シュペートレーゼと呼ばれる、遅摘みぶどうによるワインがつくられるのも特徴だ。18世紀のシュロス・ヨハニスベルクにおいて、たまたま収穫が遅れたぶどうが、貴腐により素晴らしい味わいとなったのが始まりとされる。

同じように、熟したワインからつくられる辛口ワイン、カビネットも有名。エバーバッハ修道院が19世紀に作り出したブランドで、修道院の仕事部屋にワインを収納していたことからこの名が付けられたという。

19世紀から活動を続ける、有力な醸造所も多い。中でもロバート・ヴァイル醸造所は、ドイツのワイン専門誌「ゴー・ミヨ」において、最高評価となる5房を獲得している。

【ラインガウ地区の生産地区分】

<ヨハニスベルク>
ヴィースバーデン付近からロルヒハウゼンに至るまでのライン川流域。ぶどう畑は全て、タウヌス山腹の南向き斜面に展開する。土壌は粘土質粘板岩、堆積岩、黄土層。
タウヌス山系が冷たい北風からぶどう畑を守り、ライン川は照り返しによって豊富な日照をもたらすだけでなく、気候を一定に保つ役割も担う。

つくられるワインは、リースリング種を使用した白がほとんど。アスマンスハウゼン村でつくられる、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)種を使用した力強い赤ワインも有名。

かつてインゲルハイムに居城したカール大帝が、この地の雪解けが早いことに気づき、ぶどう畑を作るよう命じたのが、その始まりとされている。