アンジュー

アンジューワインの特徴とは

   

フランスロワール地方のワイン産地のひとつで、アンジェ(Anger)市を中心としてロワール河中流域、特に南部に広がり、多くのAOCワインを有する。
地域名を冠したAOCアンジュー(Anjou)もあり、特にロゼワインのロゼ・ダンジュとカベルネ・ダンジュが有名。

AOCアンジューおよびそれに派生するAOCはメーヌ・エ・ロワール県のほぼ全域にあたる128の村、ドゥー・セーヴル県北部の14の村、ヴィエンヌ県北西部の9の村が指定地域になっている。
アンジューの名は、フランス革命以前にこの地域にあった州名に由来する。隣接するソーミュール地区と合わせてアンジュー・ソーミュールと呼ばれることも多い。南仏に次いで最も乾燥した温暖な土地で、石灰岩系の土壌である。

Vines

AOCアンジューでは赤・白・ロゼと発泡ワインが作られ、ロゼの割合が多く生産量も多い。有名なロゼのAOCはロゼ・ダンジュとカベルネ・ダンジュである。ロゼ・ダンジュは、この地方の固有品種であるグロロ種を主体として造られ、色調は淡いサーモンピンクで、やさしいアロマのある甘口のワインである。新鮮な若飲みタイプで、時として微発泡のものもある。AOCワインのなかではミュスカデなどとともに安価なワインのひとつとされる。

Cabernet D'Anjou

カベルネ・ダンジュは、カベルネ・フラン種とソーヴィニヨン種が主体で、ロゼ・ダンジュに比べるとやや辛口でほのかな渋みがあり、色調はやや濃く、しなやかで優美さを帯びる。多くは若飲みタイプだが熟成に向くものもある。
ロワール中流域一帯で造られるAOCロゼ・ド・ロワールは、カベルネ系のブドウにグロロ、ガメ、コットをブレンドした、爽やかな辛口の若飲みタイプのワインである。

Cabernet Franc Weinsberg 20060909.jpg
By RosenzweigOwn work (own picture), CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2922533

AOCアンジューの赤はカベルネ・フランとソーヴィニヨン主体で、ルビー色を呈し、新鮮な果実香が豊かできめ細やかなタンニンが軽快なワインである。
派生するAOCアンジュー・ヴィラージュの赤は同じ品種で造られる超熟タイプ、AOCアンジュー・ガメはガメ種単一で造られる軽い赤である。
AOCアンジューの白はシュナン・ブランが主体で造られ白い花のアロマとボディのある辛口の若飲みタイプ。派生するAOCアンジュー・コート・ド・ラ・ロワールはシュナン・ブラン単一品種で造られる。
発泡酒のAOCはアンジュー・ムスーという繊細な若飲みのものがあり、アンジューを含む中流域一帯では白とロゼのクレマン・ド・ロワールがある。

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