コトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュ

コトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュワインの特徴とは

   

ロワール地方のAOCコトー・デュ・レイヨン地区の中で特に良質のワインを生産する6つのコミューンにこのAOCが認められている。シュナン・ブラン単一品種で貴腐ワインや遅摘みワインといった極甘口のワインが造られる。

近年はコトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュの表記ではなく、コトー・デュ・レイヨン+コミューン名の表記をしている。例えば「ボーリュー・シュル・レイヨン」であれば「コトー・デュ・レイヨン・ボーリュー・シュル・レイヨン」となる。

このAOCはレイヨン川沿いに広がるAOCコトー・デュ・レイヨンの中でも歴史的に高品質なワインを生産していた6つのコミューンに認められている。該当するコミューンは、ボーリュー・シュル・レイヨン(Beaulieu-sur-Layon)、ファイエ・ダンジュ(Faye-d’Anjou)、ラブレ・シュル・レイヨン(Rablay-sur-Layon)、ロッシュフォール・シュル・ロワール(Rochefort-sur-Loire)、サントーバン・ド・リュイーヌ(Saint-Aubin-de-Luigne)、サン・ランベール・デュ・ラッテイ(Saint-Lambert-du-Lattay)の6つである。これらを合わせるとブドウ耕作面積は350ヘクタールである。

これらの産地で造られるワインと、AOCコトー・デュ・レイヨンのワインはいずれもシュナン・ブラン種から造られる白の極甘口だが、それぞれの香りに違いがある。ファイエ・ダンジュはハーブや緑の茂みのようなアロマが特徴。ラブレ・シュル・レイヨンはより丸みのある柔らかい香りが特徴。ロッシュフォール・シュル・ロワールはフルボディのものが多く長期熟成が可能なものも多い。サントーバン・ド・リュイーヌは繊細なアロマが特徴的で時間を経て深みを増す。サン・ランベール・デュ・ラッテイは口の中でまろやかな舌触りとがっしりした味わいが特徴。

なお、ロッシュフォール・シュル・レイヨンには良質のワインで名高いショーム村が含まれている。21世紀初頭にAOCショームとして認められており、過熟ブドウから甘口白ワインが造られている。ショームの名がつくアペラシオンには、ショーム、ショーム・プルミエ・クリュ・デ・コトー・デュ・レイヨン、カール・ド・ショーム、など類似する地域で類似する名前が混在してきた経緯があるが、現行はショームを除く2つのAOCである。前者をプルミエ・クリュ、後者をグラン・クリュとして区別することもある。

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