カール・ド・ショーム

カール・ド・ショームワインの特徴とは

   

ロワール地方のAOCコトー・デュ・レイヨンに含まれるショーム村の南西の高原地に認められた畑名AOC。シュナン・ブラン単一品種で貴腐ワインや遅摘みワインが造られる。1954年にAOCに認められた。

レイヨン川を真南に望む斜面の畑は北風を受けない名醸地である。かつてこの土地の領民は年間ワイン生産量の4分の1を徴収されており、この史実から4分の1を意味するカールの名が付けられた。この土地で造られる甘口白ワインは、味が最も強い品種と言われるシュナン・ブランの持ち味を梨やハチミツの豊かな香りに仕上げており、10年から20年の長期熟成タイプである。

ショーム村の一部の限られた畑に認められたAOCであるが、ショーム村のブドウ収穫方法とワイン醸造方法は同じくAOCコトー・デュ・レイヨンの中で独立した村名AOCのボヌゾーと同様である。これらの村名AOCはロワールの女王的存在とも評される。なお、ショーム村はコトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュに含まれるコミューンのひとつ、ロッシュフォール・シュル・レイヨンに属する。

AOCカール・ド・ショームは1954年に認められたAOCだが、AOCショームやAOCプルミエ・クリュ・デ・コトー・デュ・レイヨンの名と複雑な関わりがある。ショーム村はコトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュに含まれるのみであったが、2003年にショーム・プルミエ・クリュ・デ・コトー・デュ・レイヨンという名の村名AOCとして格上げされた。しかし、AOC名に「プルミエ・クリュ」や「グラン・クリュ」と名付けることを他のロワール地方のAOC生産者が納得せず、2005年に臨時でAOCコトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュに戻された。2007年に改めてAOCショームの名で村名AOCに認められ、2005年と2006年のワインにはこのAOCの表示が認められた。

このAOCの条件はAOCカール・ド・ショームよりも高い糖度が求められていたが、カール・ド・ショームの生産者は両者の名前が混同されることで名誉が傷つくとして不服を申し立てた。それによって2009年にAOCショームの名は廃されAOCコトー・デュ・レイヨンと名乗ることになった。以降はAOCショームに該当したワインを「プルミエ・クリュ」と呼び、それに対しAOCカール・ド・ショームは「グラン・クリュ」と呼ぶことが認められた。

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