サンセール

サンセールワインの特徴とは

   

サンセールはフランスロワール地方に位置する白ワインの名産地。ソーヴィニヨン・ブランを使用したドライでエレガントな味わいが特徴。コスト・パフォーマンスも良いことから、国内外問わず人気のワインを数多く産出する。

サンセールの気候・風土

パリから約170km南に位置するサンセール。ロワール川に面した小高い丘の上に市街地が形成されており、「丘の上の町」として有名。歴史的な建造物などが建ち並ぶ美しいスポットで、観光に訪れる人も多い。

ロワール地方の中でも最も上流に位置し、標高が高い。冬は霜害を受けるほど寒く、夏は暑いという大陸性気候そのもののエリアだ。霜害を避けるために風車なども利用されている。

Late light Sancerre

栽培されているぶどうの多くがソーヴィニヨン・ブラン種だ。19世紀以前はピノ・ノワール種とガメイ種を使った赤ワインとシャスラ種の白ワインが多く製造されていたが、壊滅的とも言える深刻なフィロキセラの被害に遭った。その後、比較的害虫に強いソーヴィニョン・ブラン種の栽培が盛んになった。

ぶどう畑はロワール川を望む丘の上に広がる。土壌は粘土石灰質、石灰岩土壌、火打石という3種類に分かれ、それぞれが混じり合うことはない。それぞれの土壌を生かしたワインづくりが行われているため、一口にサンセールといってもその個性はさまざまだ。石灰質の土壌のため全体的に白く見えるのが特徴で、「白い土地」とも呼ばれている。

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サンセールのワインの特徴

サンセールのワインは辛口の白。貝殻の土壌が育んだミネラル豊富なキリリとしたアロマが特徴的で、レモンやグレープフルーツ、そしてユズといったさわやかな柑橘系のテイストを感じる。また、独自の硬質なミネラルから、たびたび「火打石」のニュアンスが使われる。

この火打石の印象はサンサール東側の畑で収穫されたぶどうによく使われ、昔から「ブラン・フュメ」(煙の白)と表現される。ロワール対岸の白ワインの名産地であり、似た土壌を持つ「プイィ・フュメ」の名称も同様の由来だ。
生産数は少ないが、高級なキュヴェでは樽で熟成させるものもあり、こちらは秋から冬にぴったりの味わい深さがある。

サンセールのワインはソーヴィニョン・ブラン種を中心とした白ワインがメインではあるが、最近では以前のような赤ワインを復活させる試みがある。そのため、全体の1割に満たないほどだが、ピノ・ノワール種を使った赤ワインも製造されるようになっている。

サンセールではワインの他、高品質なヤギのチーズが生産されており、サンセールのワインとの相性の良さは有名だ。
またその端正な味わいは、魚介の料理全般と相性が良く、特にハーブを使った味付けやレモンなど味を効かせた前菜、スモークサーモンなどと抜群のハーモニーを見せる。

Cotat Sancerre

エピソード

サンセールで注目を集めているのがパスカル・ジョリヴェ氏。今やロワール地方を代表する造り手と言われ、ソーヴィニヨン・ブランの魔術師といった異名を持つほどだ。

ミシュラン星付きレストランでも取り扱われ、多くのワイン愛好者から高い評価を受けている。
ちなみにパスカル氏のワイン造りのコンセプトは「できるだけ自然に、手を加えないこと」。多少時間がかかったとしても、自然の法則に従ったぶどう栽培を優先。果実本来のアロマを最大限に引き出す製造方法を採っている。

サンセールの代表的なワイン

プイィ・ヒュメ グリオット/パスカル・ジョリヴェ
サンセール・ブラン “レ・ロマン”/ジトン
サンセール ”レ・モンタシャン”/ジトン・ペール・エ・フィス
サンセール・ブラン クァルトロン/セバスチャン・リフォー
サンセール レ バロンヌ ブラン/アンリ ブルジョワ
サンセール シレックス/コント・ド・ラ・ペリエール

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