キャンティ・クラッシコ

キャンティ・クラシコワインの特徴とは

   

キャンティ・クラシコはイタリアのトスカーナ州でつくられるDOCGワイン。サンジョベーゼを8割以上使用し、広域のDOCGであるキャンティよりもさらに品質が良いことで知られ、世界中で人気のあるワインだ。

気候・風土

キャンティ・クラシコ(Chianti-Classico)は、イタリア・トスカーナ州で生産されるワインの中でも、特に辛口の赤ワインであるキャンティについて、特定の地域、かつ厳格な条件下で生産された高い品質のワインのことをいう。

地理的にはフィレンツェとシエナの間に位置し、クラシコはキャンティの心臓部とも言える。ぶどう畑は丘陵地に6600ha広がり、高度は700mまでという規定がある。

キャンティのDOC認定は1967年、DOCG認定は1984年。キャンティ・クラシコとして独立したDOCG認定を受けたのは1996年と比較的最近のこと。古来のキャンティ同盟の紋章である黒い鶏を象ったラベルが特徴だ。

キャンティは、主にサンジョベーゼを原料としてつくられる。そのため、キャンティ・クラシコではサンジョベーゼ種を育てている畑が多い。ほかには、カナイオーロやトレビアーノといったぶどうが生育されており、最低80%のサンジョベーゼにこれらが混ぜられる。

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ワインの特徴

前述のように原料であるサンジョベーゼ種の割合については、キャンティが75%以上となっているのに対し、キャンティ・クラシコは80%以上との規定がある。

また、最低熟成期間も異なり、キャンティが4ヶ月に対しキャンティ・クラシコは11ヶ月、リゼルヴァは24ヶ月となっている。

こうした長い年月を経て熟成されたキャンティ・クラシコは、味と甘味のバランスがとれ、上質で滑らかなタンニンを楽しめる、端正な味わい深いワインとなる。

そのアロマは、クランベリーやプラム、リコリス、ハーブ、赤い果実を思わせる。

一貫してキャンティよりもクラシコの方が品質は良く、リゼルヴァの多くは10年以上の熟成に耐えうる。

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一押しのワイナリー/当たり年

キャンティクラシコ(Chianti-Classico)の生産者のうち、各方面にて高い評価を得ている作り手として、カステッロ・ディ・アマ(Castello di Ama)、フォントディ(Fontodi)、ベラルデンガ(Berardenga)、ランチア(Rancia)、モンテベルナルディ(Monte Bernardi)、サン・ジュースト・ア・レンテンナーノ(San Giusto A Rentennano)、フォンテルトリ(Fonterutoli)、ロッカ・ディ・モンテグロッシ(Rocca di Montegrossi)、ファットリア・ディ・ペトロイオ(Fattoria di Petroio)、カステッロ・ディ・フォンテルートリ(Castello di Fonterutoli)、ルフィーノ(Ruffino)、フェルシナ(Felsina)などが挙げられる。

トスカーナ州のワインは2008年、2007年、2006年、2005年、2001年、1999年、1997年の出来が良いと評価される。キャンティクラシコワインは、比較的リーズナブルな値段のものから数万円まで価格帯はさまざまだ。

エピソード

混同されやすいが、生産地としてのキャンティとキャンティ・クラシコは異なる。

キャンティとは、生産されるワインそのものだけでなく、地域としてD.O.C.G指定を受けた場所のことでもある。

トスカーナの地域には、キャンティ・クラシコ以外にも、コッリ・フィオレンティーナやルフィナなど、地域としてD.O.C.G指定を受けている地域が8つある。

これに対し、キャンティ・クラシコは古くからワインを生産していた町のワインが、地域とは別に品質を保障されたものを指す。代表的な町としてはカステッリーナ・イン・キャンティ、ラッダ・イン・キャンティなどが挙げられる。13世紀までさかのぼることができるキャンティの歴史だが、クラシコが独立して注目されはじめたのは18世紀以降のことである。

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代表的なワイン

ブローリオ・キャンティ・クラシコ / バローネ・リカーゾリ
コッレディラ・キャンティ・クラシコ / リカーゾリ
フォンテルートリ・キャンティ・クラシコ / マッツェイ
キャンティ・クラシコ・ランポッラ / カステッロ・ディ・ランポッラ
キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ / カステッロ・ディ・モンサン

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