由利本荘市では天鷺ワインが日本で最初のプラムワインの製造販売を行っている。プラムワインはプラム果汁を酵母で発酵させ、澱引き、熟成、ろ過、といったブドウのワインと同様の工程を経て造られる。
天鷺ワインでは、昭和50年代に農水省自然休養村整備事業によりプラムの栽培を始め、果実の有効活用および付加価値をつけての販売のため、プラムのワインを製造販売するに至った。
昭和58年、果実酒製造の試験免許を取得し、岩手県大迫町の(株)エーデルワインと県醸造試験場の協力を得ながら町独自に研究を進め、昭和62年3月有限会社天鷺ワインは設立された。農業の振興と地域経済の発展のため、という社訓を掲げ製品開発に努め、昭和63年12月、日本で最初のプラムワイン「天鷺」を6,500本限定発売。
プラムワインは非常に好評で、順次種類を増やすことになる。その後、「太陽の華」、「プラムの舞」など新製品を発売した。また「岩城シャーベット研究会」を吸収合併し、各種シャーベット、プラムワインゼリーの製造販売も開始した。
平成12年5月には道の駅「いわき」内に発泡酒工場が竣工し、「プラムの発泡酒ケベック」が発売された。また同年11月には、一般から名前を公募し、小学5年生が名付け親になった「あまさぎの夢」が発売され、リーズナブルな価格と、まじりけのない味と香りで人気が出てきている。平成13年には、ワールドゲームズが秋田県で開催され、「高城」「プラムの舞」「あまさぎの夢」「プラムの発泡酒ケベック」はワールドゲームズ協会から公式ライセンス商品として認定を受け、競技会場での販売や公式レセプションでも使用されることになった。
天鷺ワインはプラムワインが有名だが、一方で平成9年に町内産ぶどう100%使用の町民還元ワインを、平成11年にはリースリングを発売している。