日本

日本ワインの特徴とは

   

ブドウは北海道から九州に渡って栽培され、ワイナリーは全国に広がっている。中でも山梨県、長野県、山形県、北海道が有名な産地である。在来種の甲州やマスカット・ベーリーA、その他国際品種から良質のワインが造られている。

サントリーワイナリー

平成22年度の国税庁の統計によると、国産、輸入別に酒類全体に占めるワインの構成比は国産1.0%、輸入37.8%で、輸入ワインは平成9年から連年、輸入酒類の中で最多である。

日本では『後法興院記』の中で1483年頃のワインに関する記録があるのが最古だが、ワインは珍奇な輸入品という状況が続き、日本人の生活に定着する事は無かった。

wines on the shelf

本格的なワイン生産が始まったのは、文明開化を受けて洋風文化を摂取するようになった明治時代以降である。米の酒造を節減する意図もあり、明治政府は殖産興業政策の一環にブドウ栽培・ワイン醸造振興策を加えた。政府は西欧から苗木を輸入し山梨県など各地でワイン醸造を奨励したが、気象条件の違いやフィロキセラの被害により栽培は困難であった。更にワインの味やタンニンは当時の食生活に受け入れられなかったため、日本のポートワインと呼ばれていたような甘味果実酒の原料としての生産が続いた。

AKADAMA sweet wine poster

生活様式の変化とともに本格的なワイン醸造が始まったのは第二次大戦後の昭和30年代以降で、ワイン用品種の栽培が山梨県を中心に全国に広がった。1964年の東京オリンピックを機にワインへの関心は高まり、高級ワインブームなどを経て輸入ワインを中心に市場は大きく拡大した。それに伴い国産ワインも増加するが、当時は国産の原料ブドウが不足しており、バルクワインや濃縮果汁などの輸入原料を使用していた。現在は多くのワインメーカーが集中している山梨県をはじめ、日本全国で本格的にワイン専用ブドウが栽培されている。

Tomi-no Wine

日本固有の赤ワイン用品種マスカット・ベーリーAは、川上善兵衛によって改良された品種である。在来の白ワイン用品種の甲州は、奈良時代に仏教とともに中国から伝来したと言われるヨーロッパ系品種で、今では国産ワインに最も多く使われる品種である。これらは生食との兼用品種だが、近年ではカベルネ・ソーヴィニヨンメルローシャルドネなどのワイン専用のヨーロッパ品種も導入され、日本各地で栽培に成功し良質のワインが造られている。日本固有のブドウ品種は、他に赤ではブラック・クィーン、白では竜眼が、近年交配されたワイン用主要品種ではヤマ・ソーヴィニヨンなどがある。

ますかっとベリーA Muscat Bailey A

現在日本では輸入果汁を国内で醸造したワインを国産と表記することは殆ど無くなっている。低価格帯ワインの多くは輸入した濃縮果汁を日本で醸造したものであるが、一部自治体で独自の原産地呼称管理制度が始まっており、長野県の長野県原産地呼称管理制度や、山梨県甲州市のワイン原産地認証条例などがある。

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