マコネはブルゴーニュの中央付近に位置する生産地だ。コート・シャロネーズの南、ソーヌ川の左岸にあり、マコンの町の郊外に展開している。近隣では、垂直に切り立ったソリュトレの奇岩が有名。2万5千年前の先史時代から人が居住しており、近隣では矢尻や動物の骨といった遺跡も発見されている。

4つの村名AOC(マコン、プイィ・フュィッセ、プイィ・ロシェ、プイィ・ヴァンセル、サン・ヴェラン)があり、これらのAOCはマコンの町からみて北西~南西方面、ソリュトレの奇岩周辺にある。

ワインは、シャルドネ種100%による辛口の白ワインがメイン。少量ながら、アリゴテ種によるものもつくられている。高い品質のものも多く、特にアメリカにおいて人気が高い。

赤ワインの生産量はあまり多くないが、ガメイ種によるボージョレータイプに似たワインがつくられている。フレッシュな若飲みタイプのものが多い。

【マコネ地区の主な生産地】

<マコン>
マコネ地区の中心地、マコンの町郊外でつくられるワインがこのAOCを名乗る。辛口の白がメイン。シャルドネ種を原料としたものが生産量の7割弱を占めるが、アリゴテ種によるものも少量ながらつくられている。赤ワインの生産量は少ないが、ガメイ種によるボージョレータイプに似た味わいのワインがある。

より高品質な白ワインのみに許されるAOCマコン・ヴィラージュもあり、こちらのほうがマコネよりも生産量が多い。品質の優れたワインはヴィラージュ表記の代わりとして、特定の村名や畑名を表示することが許されている。

<プイィ・フュィッセ>
ソリュトレの奇岩のふもとに広がる白ワインのAOC。景勝地としても有名で、カーブ・ド・プイィ・フュィッセと呼ばれる地下洞窟ではワインの試飲もできる。白ワインはシャルドネ種100%の辛口。フランスのみならずアメリカでの人気が高い。

<プイィ・ロシェ>
マコンの町から西に5kmのところにある、ロシェ村を中心としたAOC。耕地面積は32haとブルゴーニュでもかなり小規模な部類に入る。だがワインづくりの歴史は古く、ローマ帝国時代からぶどう栽培が行われている。

<プイィ・ヴァンセル>
マコネ地区の南部に広がる白ワインの村名AOC。ロシェ村と、南にあるプイィ・ヴァンセル村の間にある畑でつくられる。プイィ・フュィッセやプイィ・ロシェとともに、生産量はそれほど多くないが、評価の高い辛口の白ワインを生産している。

<サン・ヴェラン>
ヴァンゼルよりさらに南西の、サン・ヴェラン村を含む8つの村で構成される。白ワインがメイン。
AOCプイィ・フュィッセを取り囲むように北部3村と南部5村に分かれている。南部のサン・タムール・ベルヴュ村は、クリュ・ボージョレーの1つであるAOCサン・タムールを生産している。